
2004年に行われたツアー「LOVE LIKE POP vol.8」のなかから、日本武道館と大阪城ホールで行われた追加公演の映像を中心にまとめられたライブDVD。20台を超えるカメラがaikoの動きを完璧に追い、臨場感あふれる映像を実現。さらに“aikoの歌声をしっかり楽しんでもらう”という意図を感じるサウンドもめちゃくちゃ高品質。実際のステージを追体験できる、クオリティの高い作品だ。
言うまでもないことだが、この作品の魅力は彼女自身の歌。アカペラに近い状態でスタートする「彼の落書き」が響いた瞬間、オーディエンスは一気に彼女の世界に引きずり込まれる。アコースティック・ジャズのテイストを取り入れ、切ないバラードをつないだメドレー。「be master of life」に代表されるハイテンション・ロック・チューン、そして、ストリングスをフィーチャーしてドラマティックに歌い上げられる「かばん」「天の川」。彼女のラブソングが持つ普遍性を鮮やかに伝えるDVDだと思う。(森 朋之)
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WOWOWにて放送され、人気を博したSF恋愛アニメーション作品の第4巻。
「停滞」と呼ばれる病にかかり、実年齢は18歳なのに外見は15歳のままの少年、草薙桂と、彼の通う高校に赴任してきた国語教師にして、実は銀河連盟に所属し辺境惑星の駐在監視員でもある風見みずほとの、それぞれの秘密を共有するがために始まる恋愛模様を描く。彼らをとりまく人々とのドラマはもちろん、舞台となる日本の田舎の風景が丹念に描かれ、ストーリー、ビジュアルともに楽しめる作品となっている。(田中 元)
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WOWOWにて放送され、人気を博したSF恋愛アニメーション作品の第3巻。
「停滞」と呼ばれる病にかかり、実年齢は18歳なのに外見は15歳のままの少年、草薙桂と、彼の通う高校に赴任してきた国語教師にして、実は銀河連盟に所属し辺境惑星の駐在監視員でもある風見みずほとの、それぞれの秘密を共有するがために始まる恋愛模様を描く。彼らをとりまく人々とのドラマはもちろん、舞台となる日本の田舎の風景が丹念に描かれ、ストーリー、ビジュアルともに楽しめる作品となっている。(田中 元)
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映画監督ロバート・ロドリゲスは、まるでセルジオ・レオーネとサム・ペキンパとクエンティン・タンティーノをいっしょくたにしたような超ヴァイオレンス、皆殺し映画を作った。本作『デスペラード』でロドリゲスは、以前使った型破りな役柄にさらにひとひねり味を加え、思う存分に動かしまくった。彼らは、軽いユーモアも忘れずに、勇敢に荒野を闊歩し、ハリウッド特製の発火装置から派手に繰り出される弾丸や火玉を見事な速さで何度もかわしていく。ロドリゲス監督がインディーズ時代に衝撃の低予算(なんと$7000!)で作り上げた『エル・マリアッチ』を、今度は予算をかけて自らリメイクした前作の続編ともいえる本作では、影のある謎のさすらい人、エル・マリアッチをアントニオ・バンデラスが演じている。冒頭でエル・マリアッチの紹介を兼ねて酒場で彼の伝説を話すスティーヴ・ブシェミは、あいまいな物言いのおしゃべりな狂言回し役を見事に演じている。チーチ・マリン演じるバーテンダー役は、つまようじを粋に使いこなし異彩を放っている。ヒロインの美女を演じるサルマ・ハエックは、伝統的に映画の中で用いられて来た「美女登場シーン」の手法にのっとって本格的なスローモーションで華々しく登場する。見終わって心に何かが残るというタイプの映画ではない。しかし、文句なしに楽しめる痛快な作品だ。(Jim Emerson, Amazon.com)
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![スパイダーマン 2 [SUPERBIT(TM)]](http://ec1.images-amazon.com/images/P/B00062RJAG.01._SCTHUMBZZZ_V56730827_.jpg)
アメコミのヒーローから、ハリウッドのヒーローとなった感のあるスパイダーマン。この続編では、主人公ピーターが私生活のトラブルから、スパイダーマンとしての能力も落ち、その使命を止めようと決意する。しかし、怪人ドック・オクの出現で、彼は再びマスクを被ることに…。
ビルの谷間でのスイングや、4本の人工アームを使ったドック・オクとのバトルで、アクションは前作より格段に進化。とくにブレーキが効かなくなった列車上での死闘は、そのスピード感に息をのむばかりだ。ドック・オクのアームが人々を襲うシーンなどに、B級ホラー的なカットを挿入するのもサム・ライミ監督らしい。愛するMJが上司の息子と婚約し、親友ハリーから恨まれ…と、ピーターの青春ドラマが共感たっぷりに描かれるのが本シリーズ最大の魅力で、トビー・マグワイアは内面に悩みを抱えたヒーローの演技にさらに磨きをかけている。マスクの下の素顔が人目にさらされ、第3作の物語を予感させるラストなど、とにかく無駄なシーンが一切ない、エンタテインメントの見本のような続編になった。(斉藤博昭)
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![レナードの朝 [SUPERBIT(TM)]](http://ec1.images-amazon.com/images/P/B0002MFJ34.01._SCTHUMBZZZ_V1131768438_.jpg)
実話をもとに、ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズという大物同士の共演で描く感動作『レナードの朝』。精神病院に赴任した医師セイヤーは、体を自由に動かせない患者たちにボールを受け止める反射神経があることを発見。さらに、30年間も半昏睡状態で病院暮らしを余儀なくされていたレナードに新薬を投与することで、彼を奇跡的に目ざめさせるのだが…。
『ビッグ』『プリティ・リーグ』といったコメディタッチのヒューマンドラマが得意なペニー・マーシャルが、人間の尊厳についての問いかけを患者と医師の交流を通して美しく描いている。ロバート・デ・ニーロの壮絶な熱演に目がいくが、受けに回ったロビン・ウィリアムズの抑えた演技も実に素晴らしい。ペネロープ・アン・ミラー演じる父の見舞いに病院を訪れる女性とレナードとの食堂でダンスシーンは、忘れがたい名場面だ。そこに流れるピアノの調べがあまりにもせつなく、思わず胸をしめつけられる。(麻生結一)
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全米で高い人気を誇るTVドラマ「ER緊急救命室」の第7シーズンを収録したDVD-BOX。
今シーズンは、第6シーズンの終盤で薬物依存症になってしまったカーターが、リハビリを終えるところから始まる。ERに戻れたものの完全復帰への道は険しく、カーターは焦りを感じずにはいられない。さらに、ベントンがロマノとの対立から仕事を失うハメになったかと思えば、グリーンは脳腫瘍に侵されていることが判明し…と、相変わらずの波乱万丈な展開。アビー、ルカ、ジン・メイなど第6シーズンからレギュラーとなった登場人物たちにも大きくスポットが当たり、中でもアビーは、キャロルなき今シーズン随一のヒロインと言える目立ちぶりだ。また、堅物のウィーバーがレズビアンの同僚に誘われて心を揺らすというエピソードも、アメリカ社会の一側面をしっかり切り取っていて興味深い。
そううつ病を患う、アビーの母親マギーに扮するサリー・フィールド(十八番の起伏の激しい演技がハマっている)や、家族を失った悲しみから立ち直れないルカの心を癒す司祭を演じるジェームズ・クロムウェルなど、恒例となった名優たちのゲスト出演も見逃せない。
とにかく一瞬たりとも気を抜けない、密度の高いドラマだ。心して楽しんでいただきたい。(安川正吾)
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本作『ふたりにクギづけ』は、天下のお笑い監督・ファレリー兄弟が心温まるムードで贈る一作。あなたの家のお婆ちゃんも安心して楽しめる、穏やかで善意に満ちたコメディだ。『メリーに首ったけ』の“精液ヘア・ジェル”とはずいぶん違うノリだが、ファレリー兄弟は主人公のボブとウォルト(マット・デイモンとグレッグ・キニア)に心からの愛情を注いでいる。2人は結合双生児で、マーサズ・ヴィンヤード島にあるハンバーガー・レストランのオーナー兼コック(即席料理専門)だ。アマチュア俳優のウォルトは、ハリウッドに行ってプロになろうと決意。そして、運良く人気テレビ番組で大女優シェールと共演することになる(シェールが自分自身の役で登場するが、ハリウッドをチクリと皮肉った作品だけに勇気ある行動と言うべきか)。となれば、ボブはウォルトと行動を共にするしかない。分離手術は危険すぎるからだ。というわけで、本作のじんわりとした笑いは、大部分がこの兄弟の親密な関係から生まれている。とりわけ、ボブがメル友(ウェン・ヤン・シー)に恋心を抱くあたりがそうだ。もちろん、彼女はボブが結合双生児であることをまだ知らない。
ファレリー兄弟は、またしても、差別的と取られかねない題材を進歩的に扱うことに高い手腕を発揮。いくつかの脇役は、肉体的障害を持つ俳優が演じている。いつもながら、ファレリー兄弟のコメディ観には感心させられることしきりだ。一方、もっと伝統的な見どころも用意されている。たとえば、芸能界に憧れる天然ボケ娘役のエヴァ・メンデス(および、そのナイスな胸の谷間)、ウォルトをこき使うマネージャー役のセイモア・カッセル、そしてカメオながら見せ場を奪うメリル・ストリープ(そう、あのメリル・ストリープ!)らの出演だ。『ふたりにクギづけ』はたわいないコメディだが、古き良き時代を思わせる兄弟愛が気持ちよく、悪口を言う気になれない作品なのだ。(Jeff Shannon, Amazon.com)
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ボクサーくずれのテリー(マーロン・ブランド)は、兄チャーリー(ロッド・スタイガー)が波止場を仕切るボスのジョニー(リー・J・コッブ)の命令で仲間を殺す現場を目撃。その妹イディ(エヴァ・マリー・セイント)の嘆き悲しむ姿に心動かされ、バリー神父(カール・マルデン)に真相を告白するが、やがてチャーリーも殺害されるに及び、ついに法廷に立つ決意をする…。
名匠エリア・カザン監督がピューリッツァー賞受賞の原作をドキュメンタリー・タッチで映画化した社会派青春ドラマ。大スター、M・ブランドの出世作としても知られ、ここでみせる彼のワイルドな反骨ぶりはその後の姿勢をも示唆しているかのようである。公開年のアカデミー賞で作品・監督・主演男優賞など8部門を受賞している名作。(的田也寸志)
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これまでフィルム撮影にこだわってきた塚本晋也監督が、2005年に公開されたオムニバス映画『Female/玉虫』に続いて、撮影・編集・上映までのプロセスをすべてデジタルで行った、一種の実験作。
コンクリートの密室に閉じこめられた、塚本監督自身が演じる男が、その息苦しさと暗黒、脳を刺激する轟音、身体を拘束する不自由さに耐えながら出口を目指すといった内容は、すべて監督自身が苦痛を感じる地獄的なシチュエーションを再現したもので、それらを表現するために、小型のデジタル・ビデオカメラを使用。人間を極限的に狭い空間に追いつめながらも、カメラそのものは自由に動き、その地獄模様をリアルに切りとっている。
デジタルで撮影する長所として、事後処理=ポストプロダクションの簡易化が上げられるが、本作でも重要な要素となる“闇”の再現性に塚本監督はこだわり、完全なる漆黒、やや白みの残る闇など、数種類の黒色をシーンによって使い分けており、それぞれのカットで微妙に違う黒の締まり方が、独自の演出から得た成果をさらに強調している。強烈な刺激と恐怖に満ちた衝撃作。(斉藤守彦)
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ヤン・ハマー作曲による、パーカッシブで推進力にあふれた「マイアミ・バイスのテーマ」が流れ始めると、いきなり1984年に戻ったような気分に。しかし、この大ヒット・シリーズは、その映画的センスといい、クールな衣装といい、必殺のサウンドトラックといい、懐かしさを超えて迫ってくる。現在見ても充分かっこいいのだ。そうでなければ、こんなボックス・セットがリリースされるはずもない。さて、『マイアミ・バイス』のヒップなノリには音楽が不可欠。サウンドトラックは、それまでにないやり方でストーリーを引っ張り、独特のムードをかもし出していた。というわけで、真っ先に気になるのは、DVD化にあたって使用音楽の著作権問題がクリアされているだろうか、という点だろう。パイロット版では、潜入捜査官のクロケットとタブスが手入れを開始する背景で、ちゃんとフィル・コリンズの「In the Air Tonight」が流れているだろうか? 第5話「切り札(One-Eyed Jack)」では、ボート上のソニーとジーナをエリック・クラプトンの「Wonderful Tonight」が優しく包んでいるだろうか? 本シリーズの標準的水準を示すエピソードと言える第14話「運び屋のブルース(Smuggler's Blues)」からグレン・フライの超名曲を取ったら、一体どうなってしまうのだ? ご安心頂きたい。ラジカセから聞こえるローリング・ストーンズからテレビでエルヴィス・プレスリーが歌う「Rubberneckin'」まで、放送当時に使用された先鋭的なサウンドトラックはDVDでもそのままだ。しかも、5.1chサラウンドの素晴らしい音響にバージョン・アップしている。
『マイアミ・バイス』はドン・ジョンソン、フィリップ・マイケル・トーマス、エドワード・ジェームズ・オルモスといったスターたちを輩出した。中でもオルモスは、寡黙で眼光鋭いキャステロ主任を演じてエミー賞に輝いた。彼が第13話「宿命の闘い! 地獄の三角地帯から来た闇将軍(Golden Triangle)」で格闘技を見せるところには、『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』のヨーダが大暴れするシーンにも似た驚きがある。また、第1シーズンでは、後にスターとなる俳優たちの当時の姿が見られるのもお楽しみだ。パイロット版には『L.A. LAW / 七人の弁護士』以前のジミー・スミッツが、第5話「切り札(One-Eyed Jack)」には『クライム・ストーリー』以前のデニス・ファリーナが、第6話「地対空ミサイル強奪! 武器密輸ルートを追え(No Exit)」には『こちらブルームーン探偵社』以前のブルース・ウィリスが登場する。『マイアミ・バイス』は刑事ドラマの伝統にネオンのような華やかさを取り入れた。そのファッション・センス(パステル・カラーのスーツ着用、ベルトなし、ソックスもなし)と静止画面の見事な使い方は、今もって見る者の心を捕らえる。『マイアミ・バイス』はテレビ・ドラマの流れを変えたのだ。このようなDVDセットがリリースされるのは当然のことと言える。(Donald Liebenson, Amazon.com)
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『成田離婚』『お見合い結婚』と結婚にまつわるドラマでスマッシュヒットを飛ばし続けてきた脚本家、吉田紀子による結婚三部作の完結編。ある夏の日に関係を持った隆之介(竹野内豊)とチヨ(広末涼子)は、“できちゃった”がために、お互いのことをよく知らないまま結婚するはめになってしまう。
恋人同士の2人が妊娠を期に結婚を決意する、俗に言う“できちゃった結婚”とはまったく違ったなりゆきの主人公たちが、ゼロからのスタートでどのようにして本当の愛を育んでいくかがみどころ。『成田離婚』や『お見合い結婚』のような巧妙な構成で見せていくタイプのドラマではないが、竹野内豊と広末涼子の年の差カップルの軽妙なやりとりは見物である。(麻生結一)
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1973年、弱冠15歳にして「ローリング・ストーン」誌の記者に抜擢され、あるロックバンドのツアーの同行記事を書くことになった少年ウィリアム。旅の中で知るミュージシャンたちとの友情、ジャーナリストとしての葛藤、そしてせつない初恋が当時のロックとともにつづられる佳作映画である。
監督・脚本は、トム・クルーズ主演『ザ・エージェント』のヒットで一躍表舞台に踊り出たキャメロン・クロウ。「波乱万丈な人生への穏やかなる賛歌」といった趣の作風は前作から継承しつつ、脚本家時代(ティーン・ムービーの先駆けである『初体験 リッジモンド・ハイ』などを手がけている)で得意とした青春もののみずみずしさも感じさせる、これまでの集大成といえる力の入った作品に仕上がった。それもそのはず、これは映画人であると同時にジャーナリストとしての顔ももつ彼の自伝的な作品なのだ。
基本設定はもちろん、ペニー・レインという少女の存在や、母親が彼の年齢を彼自身に偽っていたなどの細部に至るまで、ほとんどが事実に基づくものだという。それ故だろうか、主役から脇役に至るまで登場人物ひとりひとりが人間臭く、そして誰にも必ずひとつは見せ場があるのがなんとも心憎い。(安川正吾)
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趣味も職業もバラバラだけど、いつも一緒にいる6人の男女。ニューヨークに暮らす個性的で愉快な面々が、友情に恋愛に大奮闘するコメディドラマ。1994年放映開始から全米で高視聴率を獲得するシリーズ3年目のシーズン、前半12話を収録したDVDセット。
下ネタも豊富なハイセンスな会話のやりとりがとにかくおもしろい。また『スター・ウォーズ』のレイア姫コスプレネタや、GIジョーネタなどちょっぴりマニアックな部分も笑いを誘う。映画、TV番組、コミック、俳優など知っていれば更に笑える小ネタが詰まっていて、ツウな人ほど大爆笑してしまうこと間違いなし。
さまざまに揺れ動くそれぞれの恋の行方に、仕事の悩みや、6人全員が出会う前のエピソードも盛り込まれて、ますます目が離せないサードシーズン。シーリーズ恒例の豪華ゲストには、女優イザベラ・ロッセリーニが本人役で登場している。(井上新八)
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平凡な中年サラリーマンの杉山(役所広司)は、通勤電車のホームから見かけた社交ダンス教室の美女・舞(草刈民代)に魅せられ、ダンスを習うことに。やがて彼は舞目当てではなく、本気でダンスに取り組むようになり、また舞もひたむきな杉山の姿から、見失っていた自分自身を取り戻すようになるが……。
周防正行監督が、社交ダンスの世界を舞台に描くハートウォーミングな大人のラブコメディー映画。時流からずれた世界をコミカルに、しかし愛情を込めて描く周防監督のテイストは本作によって完全に確立されたとみて思しい。主演ふたりの好演はもちろんのこと、竹中直人ら脇を固める面々の魅力を個性豊かに捉えているのも、この監督ならではの長所である。(的田也寸志)
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1920年代のアメリカ。孤児院で育った少女、ジュディ・アボットは、匿名の後見人“あしながおじさん”の援助でハイスクールに進学できることになる。友情や恋を知り、自らのアイデンティティを探し求めながら成長していく少女を描いた、ウェブスターの有名な原作のアニメ化。1990年放送の「世界名作劇場」第16作目だ。
ジュディはある縁からジャービスという裕福な青年と知り合い、彼の「お金持ち」らしからぬ大らかな性格に好意を抱くようになる。淡い恋心はやがて愛へと変わるが、ジュディは自らの生い立ちをジャービスに告げることが出来ず、ジャービスにもジュディに言えない秘密があった…。2人の思いが交錯する後半は、下手な昼メロ真っ青の盛り上がりを見せ、その“ロマンス度”は「世界名作劇場」シリーズ中ピカイチ。
とは言え、物語はあくまでジュディの「自らの生い立ちへのコンプレックスを克服する過程」に重心を置く。ジュディの自立への焦りも丁寧に描かれ、自分の思春期と重ね合わせる人も多いのではなかろうか。まるで自分が“あしながおじさん”となって、感受性豊かな少女の成長を見守ったかのような、そんな気持ちにさせてくれるみずみずしい青春物語である。(安川正吾)
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1998年夏公開の映画をうけ、「ビギニング」では第5シーズンの最終回「ジ・エンド」から持ち越した謎の解決はさておき、まずは映画からTVシリーズへスムーズな流れを作ろうという狙いだ(ところで原子力発電所のコントロール室で居眠りする守衛の名前はホーマー。FOX製作のアニメ「ザ・シンプソンズ」に登場するキャラクター、原子力発電所に勤めるドジなパパもホーマーである)。シリーズ山場の合間には本筋から離れたエピソードもいくつか用意されており、魔のバミューダ海域でナチス船にタイムスリップする「トライアングル」、さらなる時間の迷宮に入りこみ、映画「恋はデジャ・ブ」のごとき体験をする「月曜の朝」、ブルース・キャンベルが本領発揮のジャンル、悪魔の赤ん坊事件「愛児」に、モルダーと他人の人格が入れかわってしまう「ドリームランドPart1」「ドリームランドPart2」、などどれも楽しめる。「S.R.819」では本筋に戻り、モルダーが陰謀がらみの上院法案を追う。「ファイト・ザ・フューチャーPart1」「ファイト・ザ・フューチャーPart2」では拉致実験がブラックオイル感染の治療を意図したものであることが明らかに。本シーズンの最終回は「創世記」。人類の起源は火星人なのか?との問いを投げかける。海岸に埋まったUFOを前に立ち尽くすスカリーの姿で幕がおりる。(Paul Tonks, Amazon.com)
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西暦2009年、政府のDNA研究所で生まれ、戦闘マシーンとして特殊軍事教練を受けて育ったジェネティック(遺伝子操作人間)のMAXは、9歳のときに仲間たちとともに研究所を脱走した。そして10年後、彼女は昼間はメッセンジャー、夜は泥棒稼業をこなしながら、かつての自分の仲間を探し続けている。そんな彼女を追う者、助ける者、さまざまな人物が入り乱れながら、スーパー・ヒロインの活躍を描くSF・TVシリーズのパイロット版(第1話)を収録。
ジェームズ・キャメロン監督、構想15年に及んだ末の製作作品で「映画という枠では、このドラマはもはや語り切れない」という決意でのTVシリーズ化とか。アメリカ1930年代大恐慌時代を思わせる美術設定の中、女型007のように立ち回るMAXは、まさにキャメロン映画がずっと描き続けてきた闘うヒロイン像の延長、いや集大成ともいえるかもしれない。演じるジェシカ・アルバは子役からキャリアをスタートさせ、最近では『25年目のキス』出演などで知られる若手女優。本作に関しては、1000人以上の候補者の中から彼女が抜擢された。(的田也寸志)
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その独特の映像感覚で常に映画の常識を打ち破る快作を発表し続ける異才かつ偉才・鈴木清順監督が、日活時代の膨大な作品群の中から自ら選んだ12作品を2つのBOXに収納。その第1弾は「日活から大目玉をくらった作品」と題された通り、あまりにもの先鋭的映像表現ゆえ、会社の理解を得られず、しかし後に映画ファンの間で再評価が高まった作品を主に収録。鈴木清太郎という本名でクレジットされたデビュー作『港の乾杯 勝利をわが手に』(56)を手始めに、半年ほされる原因となった『8時間の恐怖』(57)、異色中篇『素っ裸の年令』(59)、今や伝説的ともいえるアバンギャルドな色彩美が魅力の『関東無宿』(63)『東京流れ者』(66)、そして日活退社の引き金となった怪、いや快作『殺しの烙印』(67)といったラインナップである。全作品、鈴木監督のオーディオコメンタリーつきというのも嬉しい。(増當竜也)
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はるか未来、地球は木星トカゲと名づけられた謎の異星人の襲撃を受けて全面戦争に突入していた。地球は機動戦艦ナデシコを発進させるが、この艦のクルー、そろいもそろってどこかヘンで…。ラブコメや70年代アニメなどの要素をごった煮しつつも、基本はハードSFという凝った趣向で送る90年代アニメの金字塔。個性豊かなクルー、往年のアニメやSF映画のパロディ、萌え系の先駆けなど、どこから切っても大いに語れる内容の濃さ。そこからは『新世紀エヴァンゲリオン』のアンチテーゼのようなおたくの肯定といった前向きな姿勢が見え隠れする。TV版の人気を受け、その後日譚として製作された映画版(両者の間を繋ぐストーリーはセガ・サターンのTVゲームとして登場)は、TV版ではサブキャラだった星野ルリをヒロインに、よりハードな趣向で燃えに萌える傑作となっている。OVAの方は、ナデシコ・クルーたちが観る懐かしアニメであり、実はドラマにも深く関わる『ゲキ・ガンガー3』の1編でもある。(増當竜也)
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かつてスーパー・ヒーローが活躍していた時代があった。しかし、彼らのパワーは時に破壊をまねくこともしばしで、やがてその活動を禁止された。それから15年、今はしがない保険会社の一社員として働く鬱屈した日々の中、けなげに妻子(彼女らもまたスーパー・ヒーロー)を養うボブのもとにスーパー・ヒーローとしての仕事が密かに舞い込んだ…。
元スーパー・ヒーローの活躍を通して家族のきずなをコミカルに温かく描いた、ディズニー/ピクサーならではのフルCGアニメ。ダイナミックかつユーモラスなアクションシーンの連続が実に楽しく、またその見せ方や乗せ方の上手さは神業的。スーパー家族それぞれの個性も多分に生かされており、特に伸縮自在に身体を動かす妻ヘレンの活躍ぶりは完全に亭主を凌駕しており、まさに「母は強し」を痛感させる素晴らしさ。アイデア、センス、技術、そして演出とすべての要素がエンターテインメントとして見事に機能しえている快作中の快作。必見。(増當竜也)
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米ソ冷戦下における核戦争の恐怖を、キューブリック監督が徹底的に皮肉ったブラックコメディである。正式な題名は『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』。
アメリカ空軍基地の司令官が突然発狂し、ソ連の戦略核基地攻撃命令を出してしまう。しかし、ソ連側は攻撃を受けると自動的に反撃する、人類滅亡爆弾で応戦。緊迫した状況のなか、ついに両国主脳はホットラインで和解する。だが1機の米軍爆撃機が、それを知らずに任務を遂行してしまう。
『ピンク・パンサー』シリーズのクルーゾー警部でおなじみのイギリスの名優ピーター・セラーズが、米大統領、英国軍大佐、マッドサイエンティストの1人3役を怪演。ストレンジラブ博士のヒトラー総統をパロった大演説シーンは必見だ。(山内拓哉)
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世界平和を守るため、様々なテロリストを相手に戦うチーム・アメリカ。舞台俳優のゲイリーはそんな彼らにスカウトされ、チームに参加することに。一方、北朝鮮では世界征服の野望を持つ者が事件を起こそうと……。
『サンダーバード』を彷彿させるようなマリオネット人形を使って、『サウス・パーク』のトレイ・パーカーとマット・ストーンが作り出したブラック・ネタ満載のシニカル・コメディ。世界平和の口実のもとにエッフェル塔だろうが何だろうが平気でブチ壊すチーム・アメリカの面々も強烈だし(お前らがテロかとツッコミたい)、北朝鮮のアノ人が突然「アイム・ロンリー~♪」と歌い出すシーンなどは椅子から転げ落ちそうになるほど笑った。エログロだし、政治的な意味でもかなり危険だし、18歳未満禁止も納得。本当に公開して平気!?(横森文)
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ケーブル・テレビ局のA&Eチャンネルでオン・エアされた『Bee Gees: Live by Request』がビデオになって登場。不満を感じる部分もあるが、熱気あふれるライヴだ。ギブ兄弟は2001年5月リリースのアルバム『This Is Where I Came In』の収録曲をいくつか披露できて大満足かもしれないが、ショーの中核となる仕掛けが退屈なのは困りもの。電話を通じて3人がリクエストを受けるという趣向なのだが、興奮したファンたちがとりとめのない思い出話を始めて、貴重な時間をムダにしてしまう。そんな状況でも、さすがはポップ界の伝説的グループ、充実した洗練度の高い演奏で「I Started a Joke」、「Jive Talkin'」、「How Deep Is Your Love」を聴かせる。それ以外のビージーズの名曲は、投げやりなメドレーの中に、短縮された状態で登場。見るからに上気したファンは確かに気分を盛り上げてくれるが、あくまでもビージーズひと筋な(そして、きわめて寛大な)ファンのためのショーと言えそうだ。(Tom Keogh, Amazon.com)
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林海象監督&永瀬正敏・主演による「私立探偵濱マイク」シリーズの第3弾かつ映画版の最終作。マイクの住む横浜・黄金町で次々と美女が殺される事件が勃発する。被害者はいずれも花柄のワンピースを着せられていた。やがて遺留品からマイクの指紋が検出され、彼が犯人ではないかと疑われ始める…。
前2作とはガラリと趣を変えて、猟奇殺人をモチーフとしたサイコ・スリラー仕立てとなっており、特に後半は衝撃的内容が連続して描写されていくのが特徴だが、シリーズ全体のトーンとしてのスタイリッシュな感触は決して失われていない。ヒロインとして山口智子や夏川結衣が登場するなど、これまた前2作にはない華やかなテイストも加えられている。(的田也寸志)
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サンタクロースの扮装で銀行を襲撃した木俣と佐川。ふたりは盗んだお金を、ストリートミュージシャンの佐村から盗んだ小銭を使ってコインロッカーに隠すが、ロッカーの鍵は、ふたりを追いかけた沢村の手に渡ってしまう。その彼を木場と星野というふたりの刑事が車ではねた! その後、川に流される沢村を見つけたのは、自殺しようとしていたトラック運転手の平松。彼は流れてくる沢村の姿がキリストにソックリだったため、神様と思い込む。一方、木俣と佐川は逮捕されるが、取調室に来たのは木場と星野だった…。
デビュー作『弾丸ランナー』から、SABU監督の主人公はひたすら走ってきた。それは主人公がアイドルグループ、V6になっても同じ。『ハードラックヒーロー』でも組んだV6ゆえ、彼らの魅力を監督は百も承知! それぞれの個性をいかしつつ、SABUワールドの色を損ねずに、ユーモアと疾走感に溢れたアクションコメディを作り上げた手腕はお見事。ひとつの強盗事件に複雑にからみあう6人もそれぞれ熱演。古田新太、香椎由宇、森本レオ、伊藤歩など、わきをしめる役者陣も豪華で、すみずみまで楽しめる。(斎藤 香)
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20世紀のグラビアアイドルを集大成するシリーズの1本、細川ふみえ盤だ。
90年のミスマガジングランプリに選ばれたのをきっかけに、芸能界入りした、細川ふみえ。以後写真集や雑誌グラビアはもちろん、その天然ボケ気味のキャラクターで数々のバラエティやCMでも人気を博したセクシーグラビアアイドルだ。本作は、彼女の数々の映像をまとめたイメージビデオ作品である。
水着で浜辺の波にたわむれる姿やプールで泳ぐ姿、リゾート気分でくつろぐといったお約束の場面はもちろんのこと、特技であるけん玉の妙技も自らのコメントつきで見せてくれる。また、自己紹介の場面ではそのけん玉を始めたきっかけから、交通事故を起こしてしまったクリスマスの悪夢、好きな男性のタイプまでを語る。(田中 元)
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本作『Blondie: Live by Request』は、2004年5月7日にマンハッタンのジョン・ジェイ・カレッジで行われ、A&Eチャンネルで放映されたパフォーマンスを収録している。ニューヨーク・シティの誇るパンク・ポップ・スター、ブロンディの面々は、年齢を重ねて円熟味を増しながらも、今なお情熱に取りつかれている(必ずしもそれを制御しきれていないけれど)。だからこそ、「Dreaming」、「Rapture」、「Heart of Glass」などの名曲で驚くべきパフォーマンスを展開できるのだ。今回の2004年度版ブロンディには、デボラ・ハリー、クリス・ステイン、クレム・バークというオリジナル・メンバー3人が参加。加えて、ポール・カーボナラ(ギター)、ケヴィン・トッピング(キーボード)、リー・フォックス(ベース)が見事なサポートぶりを見せる。ここに収録された全17トラックはいずれもブロンディの代表曲だが、「Atomic」が外されているのは気になるところ。2003年のアルバム『Curse of Blondie』から4曲(うち1曲はジョーイ・ラモーンへの感動的なトリビュート・チューン)を持ってきたあたり、安全運転に終わるまいとする意気込みがうかがえて好ましい。ハリーは相変わらず華やかな存在で、狭まりつつある声域を新鮮なフレージングと無尽蔵のエネルギーでカバー。リード・ギタリストのステインは時おり手元が怪しくなるようだが、ドラマーのバークは以前にも増してタイトな演奏を聴かせ、楽曲にディスコ的青臭さやパンク的熱情を加味している。ただし、観賞の際は手元にリモコンを置いておこう。電話リクエストのくだりや退屈なMCは、すぐに飽きが来てしまうから。 DVDのサウンドは、音質的には問題ないが、ダイナミクスが貧弱すぎる。しかし、ミキシングが上出来なので、サラウンド(ドルビーまたはDTS)で再生すればそれなりに楽しめるだろう。より聴きやすいのはDTSのほうだ。(Michael Mikesell, Amazon.com)
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馨と光、そして環のセクシーな目覚めシーンで始まる夏休み・軽井沢編となるDVD Vol.6。この軽井沢編では、感動的なストーリーが描かれる。なんとハルヒの心を目指す3人の前に、強力なライバルが現れるのだ。中学時代の友人の荒井君をめぐり、動揺しまくるホスト部のメンバー。つい光は、荒井君に感情をぶつけてしまう。すねる光のために馨は、ハルヒとのデートをセッティングする。しかし、デート中に荒井君と再会したことで、光はハルヒを置いて、雷雨の中に逃げ出してしまう。だが、馨と環に叱りつけられ、自分の心の狭さを知る光…。もう一編は夏休みの最後の日の話。ハルヒは鏡夜と一日を過ごす。鏡夜をやり込めるハルヒの姿に成長を感じて、胸がジーン。(志田英邦)
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1983年TBS系の金曜ドラマ枠で放映され、人気を呼んだ名作ドラマ『ふぞろいの林檎たち』の第2シリーズ(85年放送)。主人公たちは、大学や専門学校を卒業して実社会へ出て、様々な悩みを抱えながらも成長してゆく。脚本は前シリーズに続き、山田太一。サザンオールスターズの楽曲も前シリーズ同様、印象的に使われている。
仲手川(中井貴一)は運送会社で、しつこい上司にうんざりする日々。岩田(時任三郎と西寺実(柳沢慎吾)は同じ会社に勤めるが、腕のいい営業マンとなった岩田は、上場の会社に引き抜かれていく。看護婦の仕事に喜びが見出せない晴枝(石原真理子)は、ホステスに転身、仲手川との仲も進展していく。岩田と長く付き合ってきた陽子(手塚理美)は、互いに結婚に踏み切れずにいる。前シーズンの大学生モラトリアム時代を経て、社会に出た“林檎たち”は、また新しい人間関係の中で必死にもがいていく。会社での上下関係、親の死、転職、恋愛。社会にでて、人生を歩みだした彼らの不安な心模様を見事に描いていく。(茂木直美)
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23歳という若さで、がんで余命2か月と宣告されたアン。彼女はやり残したことをノートに10コ、書き留める。オシャレのこと、ふたりの娘のこと、そして夫以外の男と付き合ってみること…。リストを作ったときから、アンの平凡だった人生がイキイキと動きだした。
死を目前にしながらも、その事実を誰にも明かさず、リストを作って実行していくことで、死の恐怖を回避し、幸せで甘い幕切れを求めるアン。自分の不運な運命を知っても、決して動揺せずに、残り少ない人生を最上のものにしようとするヒロインの強さが感動的。この役をほぼスッピンの自然体で演じたのはサラ・ポーリー。彼女が好演があったからこそ、アンという女性の短い人生は美しくスクリーンに息づいたといっても過言ではない。難を言えば、愛人になる男性(マーク・ラファロ)が魅力薄だったこと。夫役のスコット・スピードマンの方が華があり、逆のキャスティングだったら、感動も倍増したかも。とはいえ、死に向かっていく女性の人生を実に丁寧につづったイザベル・コヘット監督(&脚本)の手腕は見事。ペドロ・アルモドバルが彼女の才能に魅了され、製作を買って出たのも納得の映画である。(斎藤 香)
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美しいワイオミング州の山々。ふたりのカウボーイが羊を放牧している。ワイルドで牧歌的な風景に奏でられるのは、彼らの愛の物語。男同士の関係を描きながら、これほどまでに万人を感動させる映画は、過去になかったかもしれない。イニスとジャックは、ブロークバック・マウンテンで燃え上がった愛を、その後、失うことはなかった。ともに妻を迎え、子どもを授かっても…。
物語は1963年に始まり、舞台は保守的な中西部なので、当然、厳しい現実が待っている。そして、妻たちの悲しみもある。アン・リー監督は、それらすべてを過不足なく描き、主人公ふたりの愛を際立たせていく。何より、演技がすばらしい。イニス役のヒース・レジャーは、素顔の本人とは別の、絞り出すような低音の声で男くささを前面に出しつつ、内に燃えたぎるジャックへの愛を表現する。ふたりの再会シーンでは、衝撃的なまでに激しい愛がぶつかり合うのだ。
誰かを真剣に愛し、その愛を長い間、心に育んだ経験のある人なら、本作の愛に打ちのめされるはず。静かだが、あまりにも切ないラストシーンは目に焼き付いて離れない。(斉藤博昭)
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軍の命令でジャングルに派遣されたシェイファー(アーノルド・シュワルツェネッガー)らコマンド部隊。やがて敵ゲリラを全滅させた彼らに、突如として肉食エイリアン“プレデター”が襲いかかってきた!
シュワとプレデター(ちなみに、そのスーツの中に入っていたのはジャン・クロード・ヴァン・ダム)の行き詰まる対決を描いたSFサヴァイヴァル・アクション映画。奥行きを感じさせる画面構成で迫り、特に前半部のコマンド・アクション描写に冴えを見せた監督のジョン・マクティアナンは、本作の成功で『ダイ・ハード』を手掛けることになる。また、プレデターが都市に現れる続編『プレデター2』も後に製作された。泥と硝煙にまみれた男だらけの世界の中、紅一点で『ボーダー』『サルバドル』のメキシコ美女エルピディア・カリロが出演しているのが嬉しい。(的田也寸志)
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アメコミ「ヘルブレイザー」を原作に、キアヌ・リーブスが、『マトリックス』に続いて救世主的なヒーローを演じる、ホラーテイストのアクション。この世には、悪魔や天使が宿った人間が生息しており、私立探偵のジョン・コンスタンティンは、彼らを見分けることができる。死後、自分が地獄へ送られる運命にあると知った彼は、悪魔を倒すことで、天国に行こうと目論むのだった。そんなジョンのもとに、双子の姉妹を亡くした刑事アンジェラが現れ…。
人間にとりついた悪魔や、ジョンが入り込む地獄の風景など、鮮烈なビジュアルを次々と見せるのは、ミュージック・ビデオ出身のフランシス・ローレンス監督。水を通して地獄へ移動する方法や、天使の造形、マニアックなテイストにあふれた小道具など、映像の隅々に趣向が凝らされ、観る者を飽きさせない。末期ガンながら酒もタバコも止めようとせず、死に魅せられたような主人公のキャラに、キアヌはハマリ役だ。安易にヒロインと恋に落ちることもなく、つねにどこか斜に構えたジョンは、最近のアクション映画には珍しいヒーロー像で、その分、カッコいい!(斉藤博昭)
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父親の影響で超面食いのハルは、自己精神治療師に催眠術をかけられ、彼の目には巨漢の女性が美女に見えるようになる。そんなときに彼はローズマリーに出会ってひとめぼれ。彼の目にはセクシー美女だが、実はローズマリー、体重136キロの巨漢だった!
アブナイギャクがおはこのファレリー映画、今回もご多分に漏れずだが、テーマは「人間は見た目じゃない」。外見も人間性のひとつだと思うが、この映画はそれだけでいいの?と、観客にも疑問を投げかけてくる。主人公は外見ばかりを重視する現代人をデフォルメしたキャラクターなのだ。個性派のジャック・ブラックはハルにドンピシャのハマリ役。そしてグゥイネス・パルトロウが、ハルの目に映るセクシーなローズマリーと真の姿のローズマリーを熱演。ファットスーツで136キロになったグゥイネスは必見だ。(斎藤 香)
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「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を世に放った円谷プロが昭和43年、新たなジャンルに挑戦すべく製作した、SF特撮アクションTVシリーズ。
当時の円谷プロのスタッフが、いかにこのシリーズに賭けていたか。特撮ものとしては初めての1時間枠での放映。二谷英明ら映画俳優をレギュラー・キャストとして起用。そして当時破格とも言える1000万円の製作費。成田亨デザインによる巨大戦艦MJ号をはじめとするメカニック類の精巧なミニチュアやセット。円谷プロ作品の屋台骨を支えてきた金城哲夫、関沢新一、若規文三といった脚本家陣、円谷英二監修のもと特撮を担当した大木淳、佐川和夫ら精鋭たちの参加等々…。残念ながらそうした意気込みにも関わらず、「マイティジャック」は第14話からは30分枠の「戦え!マイティジャック」と路線変更を余儀なくされるのだが、そのクォリティの高い映像、富田勲による勇壮な音楽、大人の鑑賞にも堪える作品郡は高く評価され、21世紀となった現代においても熱烈なファンが存在し、著名監督の中にも「マイティジャック」のリメイクを熱望する声が少なくない。
万能戦艦マイティ号が冨田勲の音楽に乗ってドックから出撃する、タイトルバックにおけるその勇姿に、特撮少年たちは驚嘆と感涙を禁じ得なかった。怪獣、巨大ヒーロー、怪奇現象などに続いて、メカ特撮の映像表現の可能性を追求した円谷プロのチャレンジングな姿勢は、現在も引き継がれている。(斉藤守彦)
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1974年に日本公開され、ポルノ映画でありながら多くの女性客を集めて社会現象となったフランス映画。ピエール・バシュレの囁くような主題歌、籐の椅子に座った全裸のシルヴィア・クリステルのポスターは、あまりに有名。
20歳の若妻エマニエルは、夫の赴任先であるタイで様々な性体験に身を委ねる。性の哲学者とも言うべきマリオ老人と出会ったエマニエルは、さらなるアバンチュールを重ね、やがて成熟した大人の女性へと変貌していく…。
冒頭とラスト、エマニエルは鏡台に向かって化粧をする。冒頭のそれは、まだ幼い、少年のようなエマニエルの無邪気な表情を捉えているのに対し、ラストでのエマニエルはあたかも娼婦のような出で立ちで、濃い目のルージュを唇にひく。ひとりの女性の精神的旅立ちを描いたこのシーンから放出される、毅然とした迫力に、男はただただ圧倒されるしかないのだろうか。(斉藤守彦)
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1976年から放映され、最近ではパチンコにもなった伝説的ヴァラエティ番組をDVD化。伊東四郎と小松政男の名コンビにキャンディーズが加わって繰り広げる「悪ガキ一家と鬼かあちゃん」はナンセンス・ギャグの至高ともいえるもので、そのおもしろさは今観ても変わらず。ここから小松の名曲(?)「しらけ鳥音頭」が生まれた。子どもたちに人気だったのはデンセンマン音頭。また若き日の西田敏行のコメディアンぶりを堪能できる「敏行の昔(ふるい)はなし」は個人的にオススメ。総体的に当時人気だったドリフターズの『8時だヨ全員集合!』的な笑いとは一線を画し、学校などで子供たちが『8時』派と『みごろ』派に分かれて議論しあっていたのも、今となってはよき思い出。DVDは画質など難もあるが、あまりのおかしさにそんなこともすぐに気にならなくなるのは必至。本当におもしろいものに時代性は関係ないことを改めて痛感させられる名作である(増當竜也)
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「フレイジャー」第4シーズンはほとんどが恋愛にまつわるエピソードである。ナイルズ(デビッド・ハイド・ピアース)は妻マリスと別居中なので、独身の兄フレイジャー(ケルシー・グラマー)と同じく、フリーの身。だから兄弟が魅力的な女性2人組(リサ・ダールと、のちに「ふたりは友達? ウィル&グレイス」のレギュラーとなるメーガン・ムラリー)と山小屋に行くのは結構なことだが、ナイルズはうっとうしい妻やダフネ(ジェーン・リーブス)への愛着を完全には捨て去れない。ダフネへの熱い思いは初回で突然爆発する。ダフネの夫のふりをしなければならなくなったナイルズの思いは、ダフネが泊めてほしいとアパートにやってきたとき頂点に達するのだ。兄弟はいつも元警官の父親(ジョン・マホーニー)と言い争っていて、彼の新しいガールフレンドのこともバカにしている。彼女の名はシェリー(マーシャ・メイスン)。にぎやかで、バンジョーをかき鳴らして派手に演奏しまくるバーデンダーのシェリーは第4シリーズの最後までレギュラーとして登場することになる。フレイジャーの元の妻リリス(べべ・ニューワース)の登場はこれまでのシリーズでも恒例になっているが、本シリーズではフレイジャーと協力して息子のフレデリックを名門プレップスクールに入学させようとするエピソードで登場する。そしてタイトルのフレイジャーはどうなるのか? ラジオ番組のプロデューサー、ロズ(ペリ・ギルピン)のデートをからかっているフレイジャーだが、彼自身はさびしい独り身で、ゲストのリンダ・ハミルトンと空港で忘れられない出会いを果たす。第4シリーズの最終回になることを暗示させる筋書きである。本シリーズで4度連続してエミー賞コメディ部門の作品賞を受賞した。以前のシーズンとは異なり、今回のDVDセットには特典映像はついていない。(David Horiuchi, Amazon.com)
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『冬のソナタ』のユン・ソクホ監督による、「四季シリーズ」第3弾。脚本にはキム・ウニとユン・ウンギョン、サウンド・プロデューサーにRyuなど、「冬ソナ」でおなじみのスタッフも起用している。主演は『秋の童話』のソン・スンホン、映画『ラブストーリー』のソン・イェジンという美男美女コンビ。
今作のテーマは「運命的な愛」。何かに導かれるように偶然出会って心を通わせた2人の男女、ミヌとヘウォン。やがて仕事で再会することになるが、ヘウォンには長年の恋人チョンジェがおり、その妹でヘウォンの親友チョンアはミヌに想いを寄せていた。ミヌとヘウォンの秘めた想いは高まっていくが、ヘウォンがかつて受けた心臓移植に端を発する意外な因縁が、2人の関係に影を落とす…。
起伏あるストーリーと、情感たっぷりの映像のバランスの絶妙ぶりはさすがユン監督。2人の恋の行方に目が離せなくなること請け合いだ。茶畑の小径での再会、夜のグラウンドでの密会など、筆舌に尽くしがたい美しさをたたえたシーンがいくつも印象に残る。(安川正吾)
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テニスの名門校・青春学園中等部に編入してきた天才テニス少年・越前リョーマ(本郷奏多)。そのクールな態度は実力とユニークな個性を併せ持つテニス部の面々の反感を買うが、圧倒的プレイで補欠レギュラー入りするが、その後手塚と対戦して負けてしまう。やがて青学は関東大会で宿敵・氷帝学園と対戦するが…!
アニメ化もなされた大ヒットコミックを原作に、テニスを通して少年たちの成長を描く青春スポ根映画。テニス・シーンはデジタル・フロンティア社によるVFXで表現されているが、原作のテイストを実写に置き換えると『少林サッカー』のごとき荒唐無稽なおもしろさが醸し出されることがよくわかる。また試合そのものから、少年たちの熱血が気持ちよく伝わるのがいい。個人の闘いであるテニスが実はチーム・プレイであることも理解できる。ただし、そもそも原作からしてそうなのだが、主人公以外は誰も中学生に見えない!? 監督は『Jam Films S』で「すべり台」を担当したアベユーイチ。(増當竜也)
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極秘機関が登場するクールなスパイ・ドラマ、たとえば『24』や『エイリアス』には、ひとつだけ欠けているものがある。それは、“核弾頭シュライク・ミサイル”を搭載した超重装甲のヘリコプターだ。本作『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』では、ザ・ファームと呼ばれるナゾの国家安全保障機関が“マッハ1以上のスピードで飛べる有用なヘリコプター”を開発するが、設計者である邪悪な科学者(映画『欲望』、『バーバレラ』のデヴィッド・へミングス)に盗まれてしまう。困り果てたザ・ファームは、ストリングフェロー・ホーク(ジャン・マイケル・ヴィンセント)に協力を要請。ホークは、情に厚く、芸術を愛し、チェロをたしなみ、ワシを観察し、罪の意識を背負った敏腕パイロットだ。ベトナム戦争で行方不明になった兄を捜してくれるなら協力してもいい、と答えるホーク。彼は当然のように任務に成功するが、ザ・ファームが約束を果たすまで、問題の戦闘ヘリ“エアーウルフ”を預かることにする。ただし、政府によるエアーウルフ奪還計画の情報と引き換えに、今後も秘密任務を引き受けることを承諾するのだった。
この実に念入りな設定は、今見ても古臭さを感じさせない。戦闘シーンでは編集のまずさが気になるが、脚本は――ロバート・ラドラムやトム・クランシーによる古典的テクノ・スリラー小説の影響が強すぎるものの――スリル満点で楽しめる。ヴィンセントはビデオ・スルー作品の常連俳優になってしまった感があるが(『Hidden Obsession』、『Indecent Behavior』、『アニマルインスティンクト 不倫願望ジョアンヌ』といったご立派なタイトルの作品に出演)、ここではセクシーで魅力的なパイロットだ。その長い手足と屈強そうな肉体を見たケヴィン・コスナーは、ヴィンセントを運動選手と思い込んだという。彼の相棒が熱血漢アーネスト・ボーグナイン(映画『マーティ』、『ワイルドバンチ』)とくれば、『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』が同路線の『ブルーサンダー』よりも長寿番組となったのは当然だったと言うべきだろう。大部分のエピソードは、外国の組織がエアーウルフを盗んでソ連やリビアに売ろうとするという筋書き。ディテールが緻密なので、無敵の戦闘ヘリという荒唐無稽な設定をすんなりと受け入れることができる。ゲスト・スターとして、シャナン・ドハーティー(『ビバリーヒルズ高校白書』)、デヴィッド・キャラダイン(映画『キル・ビル』)が出演。ヘミングスがレギュラーにならなかったのは残念な限り。彼の演じるサディスティックで好色な裏切り者は、2時間のパイロット版エピソードを見ごたえあるものにしていた。(Bret Fetzer, Amazon.com)
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ギリシャ系アメリカ人のトゥーラ(ニア・ヴァルダロス)は、ギリシャの習わしにかたくなに従う両親や親族らに囲まれ、婚期を逃していたが、ようやく理想の相手イアン(ジョン・コーベット)をゲット。しかし、このカップルを待ち受けていたものは、ギリシャ人特有のビッグ・ファット(=大仰)な結婚式であった…!?
自身の経験を基にしたニア・ヴァルダロスのひとり芝居を映画化した異文化ラブ・コメディの快作。当人たちにとっては当たり前、しかし他者から見るとちょっとヘンなしきたりの数々を見下すのではなく、慈愛をもってユーモラスに描いているところが良い。ただ、ギリシャ人と結婚すると酒量も出費も増えそうではある。全米大ヒットにより、本作の後日譚を描いたTVシリーズも作られている。(的田也寸志)
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ハンブルクの高校教師ラート(エミール・ヤニングス)は、ふとしたことからキャバレーの踊り子ローラ(マレーネ・ディートリッヒ)と知り合い、やがてその美貌の虜となり、ついに教職を捨てて彼女と結婚するのだが…。
名匠ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督が戦前ドイツに招かれて撮ったヒロイン映画の名作で、原作はトーマス・マンの兄ハインリッヒ・マンの『ウィンラート教授』。世間知らずの青年が女の魔性ゆえに理性を失ってゆくさまが実に冷徹につづられているが、それにはやはり名女優ディートリッヒの魅力に負うところが大きい。そして彼女の歌う「Fall in LoveAgain」のすばらしさ! この後スタンバーグ監督はディートリッヒを連れてハリウッドへ戻り、数々のコンビ作を世に送り出すことになる。(的田也寸志)
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マジレンジャーこと小津家の兄弟たちは10年に1度の記念日を祝おうとしたところ、そこに事件発生。小津兄弟はデカレンジャーの面々と協力して敵の殲滅にあたるも失敗。マジブルーは誘拐され、それを追ったデカイエローも姿を消してしまう…。
オリジナルビデオのスーパー戦隊VSシリーズ第12作。これと毎年夏の劇場版が、同シリーズのビッグ・イヴェントとしてファンにはたまらない贈り物となって久しいが、毎回新旧2戦隊の競演によるバトルは、ヒーローの数が2倍になる分楽しさも迫力も数倍となる。また今回は女性陣のコスプレ入れ替えサービス・シーンや、対する男性陣の女装サービスもあったりと、実に盛り沢山の内容になっており、終わってしまうのが惜しいほどにおもしろい。それにしても善悪の区別が曖昧になり、妙にこねくりまわした特撮、アニメ作品が増殖している昨今、明確にヒーローの恰好良さを打ち出す同シリーズは実に貴重な存在である。(増當竜也)
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パンダブームにわく1972年に公開された「パンダコンダ」シリーズは、宮崎駿(脚本)と高畑勲(演出)という「黄金コンビ」が手がけた劇場用短編アニメ。
おばあちゃんと2人暮しのミミちゃんだったが、おばあちゃんが遠くに出かけることになり、ミミちゃんはひとりお留守番。そこに言葉を話すパンダの親子がやってくる。ずっとパパと弟がほしかったミミちゃんはこの予期せぬ客に大喜び。家族として暮らし始めるのだが、動物園の人が探しに来たことから大騒動に…というのが、第1作『パンダコパンダ』。
第2作『雨ふりサーカス』は、第1作で大団円を迎えて一緒に暮らすことになったミミちゃんとパンダ親子の家に、サーカスから逃げ出してきたトラちゃんが闖入(ちんにゅう)することから幕を開ける冒険談といった趣き。
アニメ映画黎明期らしいのんびりとしたストーリー運びながら、見せ場はきっちり作られており、その後の宮崎・高畑の作品に通じる完成度の高さを垣間見ることができる佳作。なかでも第1作には、『となりのトトロ』などの原点といえるようなシーンが点在している。もちろんそんなことを考えなくても、ミミちゃんの元気のよさとパンダ親子のかわいい仕草に目がくぎづけの楽しい作品だ。(安川正吾)
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ロンドンに住むアメリカ人女性アリス(ヘザー・グラハム)は、出勤の途中で不思議な男アダム(ジョセフ・ファインズ)と出会い、その日のうちにして激しく愛し合う。やがてふたりは愛欲に溺れた果てに結婚へと行き着くが、そのとき「アダムはレイプ魔である」との手紙が届く…。
中国映画界の巨匠チェン・カイコー監督がハリウッドに進出して撮り上げたエロティック・サスペンス大作。「自国製作作品では表現できない性描写を描きたかった」とはカイコー監督の弁だが、それゆえに従来の彼の作品に顕著だった内面的情念の発露は薄く、スカーフなどのアイテムを巧みに用いたスタイリッシュなラブ・シーンそのものの方が印象に残る作品になっている。オール・ヌードで大胆SEXシーンの数々に挑むH・グラハムの美しさたるや! もちろんファンは必見。(的田也寸志)
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1997年にアメリカで放送開始され、日本でもNHKでの放送やビデオリリースで人気となったTVドラマシリーズの第4シーズンを収録したDVD-BOXセット。
かつての恋人が同僚として働く法律事務所に勤める若手女性弁護士アリーの活躍を描くラブコメディー。いろんな男に目移りしながらも彼のことが忘れられなかったアリーだったが、その元恋人ビリーが急逝。おかげで気持ちの整理がついたのか、前シーズン最終話ではようやくブライアンと落ちつくかのように思えた。が、一筋縄ではいかないのがこの作品の魅力である。新シーズンではいきなりブライアンとの関係が暗礁に乗り上げ、かわって新たな男、ラリーが浮上し、彼との関係を軸に物語が展開していく。(田中 元)
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函館に住む少女ひかる(宮崎あおい)のお尻に、ある朝突然シッポが生えていた。はじめ悩んでいた彼女だが、地元の記者(萩原聖人)にシッポ姿のスクープ写真を撮られたことから、シッポをつけて歩く“パコダテ人”が函館中で大流行してしまうのだが…。
『SWING MAN』の前田哲監督が、同作で印象的な存在感を披露した宮崎あおいを主演に描く青春ファンタスティック・コメディー映画。ドラマの後半、シッポ人間を差別・隔離しようとする体制や民衆側の描写で若干テイストが陰鬱に変わるあたりは残念だが、全体的にはポップで可愛らしい作りを信条としており、『EUREKA』『害虫』とは一転した宮崎あおいの明るい個性を醸しだすアイドル映画として、気持ちよく成立している。函館の町並みを魅力的に捉えた浜田毅のカメラも秀逸。(的田也寸志)
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財閥の御曹司として何不自由なく生きるジェミンには、ヨンジュという婚約者がいるが、ヨンジュは初恋の人イヌクを未だ忘れられない。ジャカルタで暮らすイヌクを訪ねたヨンジュだが、ジェミンも付いてきて、3人でバリ島を旅することに。そこで現地ガイドとして出会ったスジョンが、ジェミンの運命を大きく狂わせていく……。ドラマの題名や、バリの美しい風景をバックに美男美女が集うスチールを見れば、南国を舞台にしたお気楽な恋愛モノかとも思うがさにあらず。互いへの愛と嫉妬、希望と猜疑心が複雑に絡み合う、見応えある人間ドラマだ。
自己中心的で傲慢なジェミンは全く感情移入のできないキャラクター。だが、そのジェミンがスジョンへの想いに身を焦がして自分を破滅へと導いていく様は、ある種のカタルシスを感じさせ、その愛の行く末を確かめたくなる。そんな男の荒々しさと弱さをキュートに演じきったチョ・インソンの存在感が白眉。スジョンを演じたハ・ジウォンの、等身大なファム・ファタールぶりも印象に残る。(安川正吾)
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マペットの生みの親、故ジム・ヘンソンの息子ブライアンによる監督作品『マペットのクリスマス・キャロル』は、チャールズ・ディケンズの小説にもとづく映画である。ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』は時代を越えて最も知られたクリスマス・ストーリーで、映画化の回数もことのほか多い。この作品でケチな老人スクルージを演じるのはマイケル・ケインだ。長年スクルージに悩まされながらも常に希望を捨てずにいる使用人ボブ・クラチット役は、カエルのカーミットが担当する。クラチット夫人に扮するのはブタのミス・ピギー。そのほか主要な役どころもマペットが演じており(ゴンゾが原作者ディケンズとして登場するなど、意外な配役もある)、かの陰気な原作が明るく賑やかな映画に仕上がっている。というより、とりあえず冒頭のシーンだけは明るい。はちゃめちゃなユーモアはすぐに、楽しい思い出として去っていく。そして物悲しい雰囲気のなか、過去・現在・未来のクリスマスの精霊が現れ、スクルージを彼自身の孤独で無意味な人生の旅へといざなう。マイケル・ケインのスクルージは素晴らしい。あらためて人生の意味について悟る老人を、実に見事に演じきった。また、本作品のためジム・ヘンソン工房によって特別にデザインされた3人の精霊も秀逸で、勘所をうまく押さえてある。型破りなユーモアと陰のある物語との取り合わせがちぐはぐで、原作の強烈な持ち味が薄まったとはいえ、子どもにも分かりやすく作り変えられており、親子で一緒に楽しめるファミリー向けの秀作となっている。(Sean Axmaker, Amazon.com)
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2001年放送の韓国ドラマ。頑固者で口うるさいけれど家族思いのパパ(ジュ・ヒョン)とママ(パク・ウォンスク)、優等生の長女ハナ(パク・ソルミ)、落ち着いた長男ウリ(キム・ジェウォン)、パパと衝突しながら音楽活動をしている末っ子のキョレ(イ・ヒョンギュン)、そして家族を暖かく見守るおばあちゃん(サ・ミジャ)。彼ら家族が織り成す悲喜こもごもの出来事を通して、現代社会では失われつつある家族の絆を堂々と描いたファミリードラマ。それぞれが気持ちを素直に表現できないために互いにぶつかりあいながらも、心の奥では家族皆を心配しあっている様子が情緒たっぷりに描かれ胸を打つ。個人主義の時代だからこそ見て欲しい、優しい気持ちになれる作品。(田中 元)
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ミュージック・ビデオ界の奇才、中野裕之の第1回作品はなんと時代劇だ。主役に吹越 満、敵役に布袋寅泰と異色の配役、縦の構図を多用して誇張されたモノクロの映像とテンポのいい殺陣で、これまでにないポップでスピード感あふれるチャンバラ映画となった。特にニヒルな剣豪風祭を演じる布袋は、ミュージシャン布袋とはまったく違う表情を出しており、この作品によって俳優開眼したともいえる。
ストーリーは、藩の宝刀を盗んで逃げた剣豪を、藩士が追うが、人を斬らないことをモットーとする冴えない中年浪人が手助けをするというものだ。時代劇という古い形式も、切り口によっては決して古びていないことを示している快作である。加えて中年浪人の娘役、緒川たまきのはつらつとした演技もいい。(堤 昌司)
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時は1985年の北海道のレコード店。高校生の彰子(仲間由紀恵)は尾崎豊のアルバム『十七歳の地図』を店員の松岡(伊藤英明)から貸してもらうが、それを返す間もなく、松岡は上京していった。そして2年後、高校最後の夏休みを利用して東京へおもむいた彰子は、今では消息の知れない松岡を探すのだが…。
2001年が没後10年にあたる伝説のシンガー尾崎豊をキーワードに、まだ携帯電話もメールも本格的に存在しえなかった80年代の、もどかしくもピュアな恋愛がつづられていく。自主映画界で名を馳せた佐藤信介監督の劇場用メジャー映画第1弾だが、実に透明感あふれる映像美のなかから、若者たちの想いが心地よく観る者の胸に染みとおっていく青春映画の佳作。尾崎の「OH MY LITTLE GIRL」などの名曲も、効果的に使われている。(的田也寸志)
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今なお日本各地で活躍を続けている高校生刑事・泪(黒川芽以)、舞(堀北真希)、零(夏帆)の姉妹。しかし彼女たちにある日何者かが銭形家に挑戦状を叩きつけてきたおかげで、姉妹は3つの難問をクリアしなければいけない状況に陥っていく。女子高校生がケータイを武器に刑事として活躍する人気TVシリーズの劇場用映画。シリーズ未見の観客には小ネタの数々が理解できず不満も残るだろうが、そもそもがシリーズのファンへのプレゼントといった主旨が強く感じられる作品であり、そうなると怒るのも野暮。ここはひとつ10代の可愛い女の子たちの活躍をただただ純粋に楽しみたい。堀北真希のダンスシーンなど最高に可愛く映えている名シーンも多数であった。ただしシリーズ・ファンにとって唯一の不満は、初代の宮崎あおいが不在なことだろうか。(増當竜也)
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親子二世代で楽しめる、ウルトラマン・シリーズ40周年記念作品。監督・特技監督はウルトラマン映画ではおまじみの小中和哉。TVシリーズ「ウルトラ マンメビウス」とのリンクも織り込みつつ、スケールの大きな物語を楽しく見せてくれる。
本作のトピックは、ハヤタ、モロボシ・ダン、郷秀樹、北斗星司といった歴代変身前ヒーローの復活と共演であり、宿敵ヤプール&悪の異星人4人組を倒すべく変身する、変わらぬ彼らの勇姿にファンは感涙必至。とはいえストーリーが多重構造になっていて、あたかもビデオゲームをやっているような直線的な展開と、単調な語り口はいただけない。今ひとつ演出上の工夫が欲しかった…などと苦言を呈したくなるものの、スクリーンいっぱいに並んだウルトラ兄弟の姿には、やはり惚れ惚れ。そんな体内の“ウルトラ血中濃 度”の上昇を実感してしまうディープなファンは、ザラブ星人が発する声にも注目、いや注耳。(斉藤守彦)
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イギリスきってのギャググループ、モンティ・パイソンがTVシリーズ終了後に本格的に映画進出した作品。以前にもTV版傑作選である『アンド・ナウ』があるが、本格的な劇場版は本作が1作目。
その第1作はイギリスの誇りともいえるアーサー王と円卓の騎士の聖杯探求譚を徹頭徹尾からかった大変不謹慎な作品。アーサーも騎士も、その他脇のキャラクターたちもみなバカ丸出し。
それとは裏腹に、美術考証が妙に正しいのもまたおかしい。そして彼らの旅と平行して起こる歴史学者殺人事件とともに劇映画史上、おそらく最もアヴァンギャルドなラストを迎える、他に類をみない傑作だ。
本DVDでは、日本ではながらく幻となっていた日本語吹替版をはじめとする特典が大量に詰め込まれており、マニアやファンならずとも手元に置いておきたい永久保存版だ。(田中 元)
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H・G・ウェルズが1898年に発表した小説を、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化。世界各地で異常気象が発生するなか、港湾労働者のレイが住むアメリカ東部の街でも奇怪な雲が立ちこめ、稲光が落ちると、地底から巨大ロボットのような物体が現れる。異星人の襲来だと知ったレイは、別れた妻から預かったふたりの子どもを守りながら、必死に逃走。しかし、異星人のパワーは予想以上で、街はどんどん破壊されていく…。
オープニングから静かに恐怖が高まり、いざ異星人の攻撃が始まると、畳みかけるような迫力映像の連続。この前半には息をのむ。60mものトライポッド(異星人が操る兵器)がビルやフェリーをいとも簡単に破壊し、人間を一瞬に消し去る光線を発射するのだが、このあたりのパニック映像には、スピルバーグの真骨頂が発揮される。中盤からは、生け捕りにされた人間の悲惨な運命や、ついに姿を現す異星人など、スリリングな場面も配置。これらを2時間以内にまとめた手腕もさすがだ。トム・クルーズ演じるレイと子どもたちの愛のドラマも前面に押し出されているが、あまり印象に残らないのは、映像のパワーゆえだろう。(斉藤博昭)
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IQが人並みほどもないにもかかわらず、母親の献身的な愛情と、そして運命がもたらす不可思議な力によって、時代の英雄として歴史をかけめぐっていく青年フォレスト・ガンプの生きざまを描いた、ロバート・ゼメキス監督による大河ヒューマン映画の傑作。戦後アメリカの風俗映画としてとらえても秀逸で、1950年代から80年代にかけてのヒットナンバーに彩られながら、アメリカがその期間に体験したさまざまな事柄が、たとえばガンプが本物のケネディ大統領と握手するなど、巧みな視覚効果によって描かれていく。
1994年度(第67回)のアカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚色、視覚効果、編集の6部門を受賞。これが2度目のオスカーとなった主演トム・ハンクスによる『ビッグ』さながらの大人子ども的演技も絶妙だが、母親役サリー・フィールドの名演も忘れがたい余韻を残してくれる。この母あればこそ、ガンプのさまざまな奇跡も可能となり、いつしか運命も彼に味方するようになったのだ。(的田也寸志)
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おしゃれなアニメシリーズ『スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2』は、Vol.1の最後でグリーバス将軍がジェダイ騎士団を脅かした話の続きから始まる。共和国と分離主義勢力の戦いは激しさを増し、やむにやまれずアナキン・スカイウォーカーがジェダイに昇格するが、氷の惑星ネルヴァンへの旅を最後の通過儀礼として経験しなければならなくなる。分離主義勢力がコルサントに圧倒的な襲撃をはじめるとアクションは最も激しくなり、ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥーとヨーダが街を守るためにその技量を明らかにする。だがこれは本当のゴールから見れば脇道にすぎない。グリーバスの狙いは元老院最高議長パルパティンの誘拐なのだ。このアニメシリーズでもっとも劇的な場面は、シャーク・ティや他のジェダイがドロイドの攻撃をかわそうとするところだ。本作は2005年5月にカートゥーン・ネットワークで放送され、Vol.1よりもややボリュームがあり、3分間ではなく12分間のエピソードが5話(21話から25話まで)ある。Vol.1ではほとんどがアクションだったが、Vol.2で繰り広げられるエピソードは『エピソードIII/シスの復讐』のオープニングにつながっている。C-3PO(今回も声はアンソニー・ダニエルズ)が新たにゴールドの外見を披露し、パドメがシナモンロールのような巻き髪を見せびらかし、なぜグリーバス将軍が呼吸困難なのかなど、ちょっとした楽しい話も見られる。『スター・ウォーズ』の普通のファンはアニメ版ではない一連のシリーズで満足していればいいだろう。『スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2』は熱狂的なファン必見の作品である。(Amazon.com, David Horiuchi)
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2人の息子と共にNYのイーストハーレムに越してきた、バイオリニストのロベルタ。小学校で子どもたちにバイオリンを教え始めて評判となったが、教育予算カットのため、教室は閉鎖に追い込まれて…。
どんな逆境にも決して負けない、シングルマザーのロベルタのバイタリティに圧倒される。音楽を通して「やればできる」という可能性を子どもたちに伝えていく彼女が、カーネギーホールで、教え子と一緒に念願のコンサートを実現させるシーンは、とても感動的だ。
本作は、アカデミー賞ドキュメンタリー部門候補にもなった実話『スモール・ワンダーズ』を、『スクリーム』などのホラーの帝王、ウェス・クレイヴンが映画化したものだ。ロベルタを演じるのは、名優メリル・ストリープ。またアイザック・スターン、ジョシュア・ベルなど、有名ヴァイオリニストも特別出演している。(斎藤 香)
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第2次世界大戦の運命を決定づけた連合軍のフランス・ノルマンディ上陸作戦の全貌を完全再現し、超俯瞰的パノラマ構成で描いた、文字通りの戦争映画スペクタクル超大作。
監督はケン・アナキンなど4名。キャストもジョン・ウェインをはじめとする48大スターを配しているが、一方で名もなく死んでいく兵士たちの描写もおろそかにしないことで、観方によっては類い稀なる反戦映画としても見事に屹立。
製作のダリル・F・ザナックは、この戦いに20世紀の祭祀姓を持たせることで、戦勝国の人間も敗戦国の人間も等しく映画の虜となる画期的な戦争映画をモノにし、その名を映画史に残した。アカデミー賞では撮影、特殊効果賞を受賞。ポール・アンカ作曲、ミッチ・ミラー合唱団の歌う主題歌は今や映画音楽のスタンダードである。(的田也寸志)
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尊ぶべき「スーパーマン」の神話を21世紀にふさわしく現代化したのが、ワーナー・ブラザース・ネットワークによる、想像力に満ちた魅力的なTVシリーズ「Smallville」だ。ファンは、その高視聴率ぶりを、第1シーズンを完全収録した6枚組みのセットで祝うことができる。登場人物の経歴や数多くのエピソードを探ることができ、削除シーンなどの特典も楽しめる豪華版だ。
ティーンエージャーのスーパーマンという「Smallville」の設定は、スーパーマンが最初に登場したコミックで数ページ語られている(1938年の「Action Comics」)だけだが、プロデューサーのアルフレッド・ゴウとマイルス・ミラーは、若きクラーク・ケント(トム・ウェリング)を、高貴なスーパーマンの卵としてではなく、ありふれた、ただし驚異的な力と熱視力という並外れた超自然的な力を持つティーンエージャーとして描いている(クラークはまだ空を高く、高く飛ぶことはない)。クラークは、仲間と同等でいたい、また超人的な能力について理解したいという願いをもっていて、シリーズの主な視聴者である25歳未満の若者たちにとっても非常に現実的で親しみやすい、地に足のついた人物として描かれている。また、クラークの憧れの女の子、ラナ・ラング(クリステン・クルーク)との魅力的なロマンスも同様だ。しかし、「Smallville」はよりコミック的な領域でも輝きを見せる。姿を変える殺人鬼をはじめとする奇怪な登場人物(その多くは、子どもだったクラークを地球に連れてきたのと同じ強力な大気のシャワーによって出現する。このシリーズのユニークな設定のひとつだ)と戦って打ち負かす力をクラークは養わなくてはならない。ゴウとミラーは、他のすぐれたキャスト(年若くしてすでに頭のはげたレックス・ルーサーを演じるマイケル・ローゼンボーム、ケント夫妻を演じるアネット・オトゥールとジョン・シュナイダーなど)とともに、SFをティーンの成長物語と組み合わせて娯楽性の高い番組にするという離れ業をやってのけた。(Paul Gaita, Amazon.com)
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カリスマ的な人気を誇るコミックを、原作ファンの期待を裏切らない、ぴったりのキャスティングで映画化。描かれるのは原作の5巻までの物語で、ナナと奈々の出会いと再会、それぞれの東京での新生活と、複雑な恋のドラマが展開する。2人が共同生活する「707号室」のインテリアや、ナナが愛用するヴィヴィアン・ウエストウッドのファッションなど、原作の世界が無理なく映像に溶け込んでいるのが成功の理由だろう。
ライブシーンで歌唱力をいかんなく発揮する中島美嘉。恋に夢中になり過ぎる、ある意味、女の“嫌な”部分も演じる宮崎あおい。彼女たちの名演技は、いつしか観る者を、2人の友情に共感させていく。一見、恋愛には冷めているナナが、じつは過去の愛から逃れられないなど、正反対に見える主人公2人それぞれに、人間の多面性が振り分けられており、このあたりは原作のうまさ。一見、流行の先端を行っているようで、本質は普遍的な友情の物語なので、世代を超え、誰もが感動してしまうのだ。原作者の矢沢あいが作詞し、HYDEが作曲した主題歌は、いつまでも耳に残る。(斉藤博昭)
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TVでウルトラマンを見ていたパパ(布川敏和)と少年が、紙飛行機に乗ってドラマの中に入ってしまい、初代ウルトラマンからウルトラマンコスモスまでの歴代ウルトラマンの戦いを目撃・応援する。
「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」から平成シリーズの映画「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンティガ・ダイナ&ガイア」までの名場面が次々に登場。怪獣と闘うウルトラマンを親子が助けるあたりは、旧作の映像と新撮映像が無理なくコンポジットしており、昨今の技術の進化に驚かされる。また「ティガ&ダイナ」劇中、クイーンモネラの体内で力尽きるダイナを復活させんと「光よーっ!!」と叫ぶ親子。そのフレーズこそが、「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」2作品のテーマに関わる重要なキーワードなのである。(斉藤守彦)
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前作の二代目ジェームズ・ボンドが不評だったため、再び初代ボンドことショーン・コネリーの登板となったシリーズ第7作。ダイヤ国際密輸組織に潜入したボンドは、連絡員ティファニー(ジル・セント・ジョン)に接近し、プロフェルド(チャールズ・グレイ)率いる犯罪組織スペクターが、ダイヤを使った人工衛星でワシントンDCの爆破を計画していることを知る。
ラスベガスを舞台に繰り広げられる豪華絢爛なテイストは、まさにダイヤさながら。今回は20世紀の大富豪ハワード・ヒューズが製作に協力しており、そんな彼を彷彿させる億万長者ウィラード・ホワイト(ジミー・ディーン)も登場する。監督は、これがシリーズ2度目の登板となったガイ・ハミルトン。主題歌も、これまたシリーズ2度目のシャーリー・バッシー。(的田也寸志)
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今は亡きテキサスのブルースマン、スティーヴィー・レイ・ヴォーンほどフェンダー・ストラトキャスターに精通したギタリストは滅多に見つからない。この得難いデジタル・ビデオ・ディスクには、ヴォーンの、そして彼の素晴らしいバンド、ダブル・トラブルの雄姿が集められている。PBSの名物コンサート番組「Austin City Limits」の映像を元にした内容だ。番組の長い歴史の中で、もっとも人気を博したプログラムとなったこのコンサートは、1983年と1989年に収録された。どちらの記録も、アーティストとして驚くべき成長ぶりを見せたヴォーンの貴重なポートレイトとなっている。これらのパフォーマンスは、ヴォーンがダブル・トラブルと活動を共にした輝かしい時代の初期と末期を飾るもの。番組プロデューサーのテリー・リコーナの言葉を借りれば、それぞれ“自信ゼロ”の時代と“魔法そのもの”の時代にあたるわけで、そのコントラストは鮮烈だが、どちらを見ても達人のワザを認めることができる。収録曲は「Pride and Joy」、「Voodoo Chile」、「Cold Shot」、「Riviera Paradise」など。
この高音質DVDには、ヴォーンの死後に発表されたミュージック・ビデオ「Little Wing」も収録。ダブル・トラブルのクリップの他、1920年代から1990年代半ばに活躍したブルースの偉人たちの映像をフィーチャーしている。本作『Stevie Ray Vaughan: Live from Austin, Texas』は、熱烈なブルース・ファンならずとも必携の1枚だ。(Jeff Shannon, Amazon.com)
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