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DVD アーカイブ

2006年11月11日

Love Like Pop add.

Love Like Pop add. 2004年に行われたツアー「LOVE LIKE POP vol.8」のなかから、日本武道館と大阪城ホールで行われた追加公演の映像を中心にまとめられたライブDVD。20台を超えるカメラがaikoの動きを完璧に追い、臨場感あふれる映像を実現。さらに“aikoの歌声をしっかり楽しんでもらう”という意図を感じるサウンドもめちゃくちゃ高品質。実際のステージを追体験できる、クオリティの高い作品だ。
言うまでもないことだが、この作品の魅力は彼女自身の歌。アカペラに近い状態でスタートする「彼の落書き」が響いた瞬間、オーディエンスは一気に彼女の世界に引きずり込まれる。アコースティック・ジャズのテイストを取り入れ、切ないバラードをつないだメドレー。「be master of life」に代表されるハイテンション・ロック・チューン、そして、ストリングスをフィーチャーしてドラマティックに歌い上げられる「かばん」「天の川」。彼女のラブソングが持つ普遍性を鮮やかに伝えるDVDだと思う。(森 朋之)

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さらば愛しのやくざ

さらば愛しのやくざ 1980年ジョン・レノンの殺された日の夜、大学生の達也(柳葉敏郎)とヤクザの悟郎(陣内孝則)は新宿裏町のバーで偶然に出会い、奇妙な友情が生まれるが、やがて悟郎は服役。そして10年の月日が流れ、達也は出所した悟郎と再会するが…。
ヤクザの生きざまにこだわりながら創作活動を続ける俊英・和泉聖治監督が、自身の青春への想いを見事映像にぶつけることに成功した傑作。名曲『スタンド・バイ・ミー』が効果的に流れる中、若者たちのせつない友情と、2人にからむ女(相楽晴子)とのみずみずしい関係などが、ほろ苦い情感をもって、まるで奇跡のように巧みに描かれていく。脚本・野沢尚の代表作としても記憶されるべき1編。単にヤクザ映画と呼ぶよりも、やはりヤクザ世界を背景にした青春映画といった方がフィットする出来栄えだ。(的田也寸志)

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おねがい☆ティーチャー 4th Mail

おねがい☆ティーチャー 4th Mail WOWOWにて放送され、人気を博したSF恋愛アニメーション作品の第4巻。
「停滞」と呼ばれる病にかかり、実年齢は18歳なのに外見は15歳のままの少年、草薙桂と、彼の通う高校に赴任してきた国語教師にして、実は銀河連盟に所属し辺境惑星の駐在監視員でもある風見みずほとの、それぞれの秘密を共有するがために始まる恋愛模様を描く。彼らをとりまく人々とのドラマはもちろん、舞台となる日本の田舎の風景が丹念に描かれ、ストーリー、ビジュアルともに楽しめる作品となっている。(田中 元)

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おねがい☆ティーチャー 3rd Mail

おねがい☆ティーチャー 3rd Mail WOWOWにて放送され、人気を博したSF恋愛アニメーション作品の第3巻。
「停滞」と呼ばれる病にかかり、実年齢は18歳なのに外見は15歳のままの少年、草薙桂と、彼の通う高校に赴任してきた国語教師にして、実は銀河連盟に所属し辺境惑星の駐在監視員でもある風見みずほとの、それぞれの秘密を共有するがために始まる恋愛模様を描く。彼らをとりまく人々とのドラマはもちろん、舞台となる日本の田舎の風景が丹念に描かれ、ストーリー、ビジュアルともに楽しめる作品となっている。(田中 元)

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デスペラード(SUPERBIT)

デスペラード(SUPERBIT) 映画監督ロバート・ロドリゲスは、まるでセルジオ・レオーネとサム・ペキンパとクエンティン・タンティーノをいっしょくたにしたような超ヴァイオレンス、皆殺し映画を作った。本作『デスペラード』でロドリゲスは、以前使った型破りな役柄にさらにひとひねり味を加え、思う存分に動かしまくった。彼らは、軽いユーモアも忘れずに、勇敢に荒野を闊歩し、ハリウッド特製の発火装置から派手に繰り出される弾丸や火玉を見事な速さで何度もかわしていく。ロドリゲス監督がインディーズ時代に衝撃の低予算(なんと$7000!)で作り上げた『エル・マリアッチ』を、今度は予算をかけて自らリメイクした前作の続編ともいえる本作では、影のある謎のさすらい人、エル・マリアッチをアントニオ・バンデラスが演じている。冒頭でエル・マリアッチの紹介を兼ねて酒場で彼の伝説を話すスティーヴ・ブシェミは、あいまいな物言いのおしゃべりな狂言回し役を見事に演じている。チーチ・マリン演じるバーテンダー役は、つまようじを粋に使いこなし異彩を放っている。ヒロインの美女を演じるサルマ・ハエックは、伝統的に映画の中で用いられて来た「美女登場シーン」の手法にのっとって本格的なスローモーションで華々しく登場する。見終わって心に何かが残るというタイプの映画ではない。しかし、文句なしに楽しめる痛快な作品だ。(Jim Emerson, Amazon.com)

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スパイダーマン 2 [SUPERBIT(TM)]

スパイダーマン 2 [SUPERBIT(TM)] アメコミのヒーローから、ハリウッドのヒーローとなった感のあるスパイダーマン。この続編では、主人公ピーターが私生活のトラブルから、スパイダーマンとしての能力も落ち、その使命を止めようと決意する。しかし、怪人ドック・オクの出現で、彼は再びマスクを被ることに…。
ビルの谷間でのスイングや、4本の人工アームを使ったドック・オクとのバトルで、アクションは前作より格段に進化。とくにブレーキが効かなくなった列車上での死闘は、そのスピード感に息をのむばかりだ。ドック・オクのアームが人々を襲うシーンなどに、B級ホラー的なカットを挿入するのもサム・ライミ監督らしい。愛するMJが上司の息子と婚約し、親友ハリーから恨まれ…と、ピーターの青春ドラマが共感たっぷりに描かれるのが本シリーズ最大の魅力で、トビー・マグワイアは内面に悩みを抱えたヒーローの演技にさらに磨きをかけている。マスクの下の素顔が人目にさらされ、第3作の物語を予感させるラストなど、とにかく無駄なシーンが一切ない、エンタテインメントの見本のような続編になった。(斉藤博昭)

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レナードの朝 [SUPERBIT(TM)]

レナードの朝 [SUPERBIT(TM)] 実話をもとに、ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズという大物同士の共演で描く感動作『レナードの朝』。精神病院に赴任した医師セイヤーは、体を自由に動かせない患者たちにボールを受け止める反射神経があることを発見。さらに、30年間も半昏睡状態で病院暮らしを余儀なくされていたレナードに新薬を投与することで、彼を奇跡的に目ざめさせるのだが…。
『ビッグ』『プリティ・リーグ』といったコメディタッチのヒューマンドラマが得意なペニー・マーシャルが、人間の尊厳についての問いかけを患者と医師の交流を通して美しく描いている。ロバート・デ・ニーロの壮絶な熱演に目がいくが、受けに回ったロビン・ウィリアムズの抑えた演技も実に素晴らしい。ペネロープ・アン・ミラー演じる父の見舞いに病院を訪れる女性とレナードとの食堂でダンスシーンは、忘れがたい名場面だ。そこに流れるピアノの調べがあまりにもせつなく、思わず胸をしめつけられる。(麻生結一)

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ER 緊急救命室 VII ― セブンス・シーズン セット 2

ER 緊急救命室 VII ― セブンス・シーズン セット 2 全米で高い人気を誇るTVドラマ「ER緊急救命室」の第7シーズンを収録したDVD-BOX。
今シーズンは、第6シーズンの終盤で薬物依存症になってしまったカーターが、リハビリを終えるところから始まる。ERに戻れたものの完全復帰への道は険しく、カーターは焦りを感じずにはいられない。さらに、ベントンがロマノとの対立から仕事を失うハメになったかと思えば、グリーンは脳腫瘍に侵されていることが判明し…と、相変わらずの波乱万丈な展開。アビー、ルカ、ジン・メイなど第6シーズンからレギュラーとなった登場人物たちにも大きくスポットが当たり、中でもアビーは、キャロルなき今シーズン随一のヒロインと言える目立ちぶりだ。また、堅物のウィーバーがレズビアンの同僚に誘われて心を揺らすというエピソードも、アメリカ社会の一側面をしっかり切り取っていて興味深い。
そううつ病を患う、アビーの母親マギーに扮するサリー・フィールド(十八番の起伏の激しい演技がハマっている)や、家族を失った悲しみから立ち直れないルカの心を癒す司祭を演じるジェームズ・クロムウェルなど、恒例となった名優たちのゲスト出演も見逃せない。
とにかく一瞬たりとも気を抜けない、密度の高いドラマだ。心して楽しんでいただきたい。(安川正吾)

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アンネ・フランク

アンネ・フランク 本作『アンネ・フランク』は、タイトルから期待されるものをズバリと描き出している。それはつまり、途方もなく感動的なアンネ・フランクの物語の全貌だ。アンネといえば日記だが、今回の作品は、この十代のユダヤ人少女が日記に書かなかったことにも目を向けている。ナチスがオランダに駐留するあいだ、家族やその友人とともに、アムステルダムにある父親のオフィスの屋根裏部屋に隠れ住んだアンネ。彼女が丹念に書きつづった日記は、1950年代に父親の手で出版され、世界的ベストセラーとなった。過去に何度もTV化・映画化されている物語だが、ABCで放送された今回のバージョンは、アンネが書き残した以上の事実を扱っているのが特徴。アンネが日記と出会う前のフランク家の様子や、日記が途切れた後のアウシュヴィッツおよびビルケナウにおける収容所生活も目にすることができる。ハナ・テイラー・ゴードンはアンネ役として申し分なし。知的かと思えば夢見がちだったり、創造性豊かだったり、甘やかされていたり、生意気だったりという多面的な少女像に、生命を吹き込んでいる。ナチス占領下のオランダに暮らすユダヤ人という点を除けば、ほかの少女と何ら変わりはない。本作でゴードン以上の輝きを見せるのは、アンネの父親オットー・フランクを演じるベン・キングズレーただひとりだ。その静かな演技は、驚くほど力強い。彼が家族の死を見つめる場面では、いやおうなしに悲嘆が伝わってくる。この勇気ある作品には、いくぶん正視に堪えない部分がある。強制収容所のシーンなど、実に残酷だ。しかし、アンネの生涯が見事に映像化されており、多くの人々の間で共有し、語り合い、記憶すべき作品となっている。(Jenny Brown, Amazon.com)

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綴り字のシーズン

綴り字のシーズン 宗教学者の父と、科学者の母、学業優秀な長男アーロンと妹のイライザの4人家族は傍目には理想的な家族だった。しかし、イライザが天才的なスペリングの才能を発揮するようになってから、父親はイライザの才能に着目し、彼女以外の家族が目に入らなくなった。そして、長男はヒンドゥー教に傾倒し、母親は過去のトラウマから精神を病んでいく。家族は崩壊しつつあった…。
文字の持つ神秘に捕らわれた父親に振り回されてしまう家族の崩壊と再生の物語。スピリチュアルなメッセ-ジを持った文字の力を幻想的な映像で見せた本作は、物語を美しく映し出してはいるものの、テ-マは家族。彼らの壊れていく姿は胸が痛くなるほど。家族の中心だった父親が、家族を省みなくなったときに起こる出来事で、家族の絆のもろさを描くと同時に、それを再生できるのは家族しかないと語る。その鍵を握るのは、いちばん幼い娘だというのが胸にグッとくる。出演はリチャ-ド・ギア、ジュリエット・ビノシュほか。(斎藤 香)

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ギフト

ギフト 人の運命を見抜く能力(ギフト)をもつ未亡人アニー。ある日、大富豪の娘が失踪し、アニーは彼女の死骸をその力でいい当てるのだが…。
ホラー映画界の鬼才サム・ライミ監督が、個性派名優ビリー・ボブ・ソーントンが執筆したシナリオを映画化したミステリアスなサスペンス映画の秀作。初期のころには顕著だったショック演出を抑え、幽玄な映像センスで恐怖を構築し、それらが見事な効果となって表れていくライミ監督の新境地。
スタッフワークもキャメラ、音楽など総じて寂しげな雰囲気を醸し出しており、『エリザベス』から一転して、化粧っ気のない生活を送るヒロインの微妙な心理をケイト・ブランシェットが好演。その他、嫌みな悪役をキアヌ・リーブス、彼女にだけ心を開く精神障害者役のジョヴァンニ・リビジーが印象深い演技を披露してくれている。(的田也寸志)

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カサノバ

カサノバ 18世紀、ヴェネチアは、あらゆる女性を虜にする男カサノバの話題で持ちきりだ。修道女の心と体をも奪ってしまう彼は、教会の役人たちに追われる身、ついに捕らわれ死罪を宣告される。総督のとりなしで放免となったカサノバだが、身を守る為に強力な後ろ楯が必要。彼は良家の子女との結婚を企み、見事美しい娘を射止めるが、彼の心は、自立した美しい女性フランチェスカに傾いてしまう…。
プレイボーイの代名詞にもなっている“カサノバ”の映画ゆえ、セクシーで艶っぽい世界を想像するが、本作はディズニー映画。カサノバの色気よりも、陽気でフットワークの軽いチャーミングな部分を強調。教会に追われるスリルや意中の彼女に近づくための手練手管などをコミカルにテンポよく見せていく。カサノバを演じるのはヒース・レジャー。モテ男の軽さをコメディセンスで包み込み、カサノバを嬉々として演じて爽快だ。監督はラッセ・ハルストレム。繊細で文学的な映画を撮ってきた彼が挑むエンターティメント作品だが、スマートで軽快な演出はさすがだ。(斎藤 香)

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ふたりにクギづけ〈特別編〉

ふたりにクギづけ〈特別編〉 本作『ふたりにクギづけ』は、天下のお笑い監督・ファレリー兄弟が心温まるムードで贈る一作。あなたの家のお婆ちゃんも安心して楽しめる、穏やかで善意に満ちたコメディだ。『メリーに首ったけ』の“精液ヘア・ジェル”とはずいぶん違うノリだが、ファレリー兄弟は主人公のボブとウォルト(マット・デイモンとグレッグ・キニア)に心からの愛情を注いでいる。2人は結合双生児で、マーサズ・ヴィンヤード島にあるハンバーガー・レストランのオーナー兼コック(即席料理専門)だ。アマチュア俳優のウォルトは、ハリウッドに行ってプロになろうと決意。そして、運良く人気テレビ番組で大女優シェールと共演することになる(シェールが自分自身の役で登場するが、ハリウッドをチクリと皮肉った作品だけに勇気ある行動と言うべきか)。となれば、ボブはウォルトと行動を共にするしかない。分離手術は危険すぎるからだ。というわけで、本作のじんわりとした笑いは、大部分がこの兄弟の親密な関係から生まれている。とりわけ、ボブがメル友(ウェン・ヤン・シー)に恋心を抱くあたりがそうだ。もちろん、彼女はボブが結合双生児であることをまだ知らない。
ファレリー兄弟は、またしても、差別的と取られかねない題材を進歩的に扱うことに高い手腕を発揮。いくつかの脇役は、肉体的障害を持つ俳優が演じている。いつもながら、ファレリー兄弟のコメディ観には感心させられることしきりだ。一方、もっと伝統的な見どころも用意されている。たとえば、芸能界に憧れる天然ボケ娘役のエヴァ・メンデス(および、そのナイスな胸の谷間)、ウォルトをこき使うマネージャー役のセイモア・カッセル、そしてカメオながら見せ場を奪うメリル・ストリープ(そう、あのメリル・ストリープ!)らの出演だ。『ふたりにクギづけ』はたわいないコメディだが、古き良き時代を思わせる兄弟愛が気持ちよく、悪口を言う気になれない作品なのだ。(Jeff Shannon, Amazon.com)

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波止場 コレクターズ・エディション

波止場 コレクターズ・エディション ボクサーくずれのテリー(マーロン・ブランド)は、兄チャーリー(ロッド・スタイガー)が波止場を仕切るボスのジョニー(リー・J・コッブ)の命令で仲間を殺す現場を目撃。その妹イディ(エヴァ・マリー・セイント)の嘆き悲しむ姿に心動かされ、バリー神父(カール・マルデン)に真相を告白するが、やがてチャーリーも殺害されるに及び、ついに法廷に立つ決意をする…。
名匠エリア・カザン監督がピューリッツァー賞受賞の原作をドキュメンタリー・タッチで映画化した社会派青春ドラマ。大スター、M・ブランドの出世作としても知られ、ここでみせる彼のワイルドな反骨ぶりはその後の姿勢をも示唆しているかのようである。公開年のアカデミー賞で作品・監督・主演男優賞など8部門を受賞している名作。(的田也寸志)

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ヘイズ/HAZE-Original Long Version

ヘイズ/HAZE-Original Long Version これまでフィルム撮影にこだわってきた塚本晋也監督が、2005年に公開されたオムニバス映画『Female/玉虫』に続いて、撮影・編集・上映までのプロセスをすべてデジタルで行った、一種の実験作。
コンクリートの密室に閉じこめられた、塚本監督自身が演じる男が、その息苦しさと暗黒、脳を刺激する轟音、身体を拘束する不自由さに耐えながら出口を目指すといった内容は、すべて監督自身が苦痛を感じる地獄的なシチュエーションを再現したもので、それらを表現するために、小型のデジタル・ビデオカメラを使用。人間を極限的に狭い空間に追いつめながらも、カメラそのものは自由に動き、その地獄模様をリアルに切りとっている。
デジタルで撮影する長所として、事後処理=ポストプロダクションの簡易化が上げられるが、本作でも重要な要素となる“闇”の再現性に塚本監督はこだわり、完全なる漆黒、やや白みの残る闇など、数種類の黒色をシーンによって使い分けており、それぞれのカットで微妙に違う黒の締まり方が、独自の演出から得た成果をさらに強調している。強烈な刺激と恐怖に満ちた衝撃作。(斉藤守彦)

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我が家の楽園

我が家の楽園 1938年度アカデミー賞作品 / 監督賞受賞。アメリカならではの善意のヒューマニズムを描かせたらピカ一の名匠フランク・キャプラ監督が、ジョージ・S・カウフマン&モス・ハートの舞台劇を映画化。
大富豪カービー(エドワード・アーノルド)は軍需工場拡大のため敷地を買収しようとするが、ある一家の反対でなかなかうまくいかない。カービーの息子で副社長のトニー(ジェームズ・スチュアート)は秘書のアリス(ジーン・アーサー)に夢中で、そんなことにはお構いなし。しかもアリスこそはその頑固一家の一員であった!
金持ちと偏屈一家の交流を通して、笑いの中に人生の機微を見え隠れさせていく「キャプラ・タッチ」喜劇の真骨頂。人生とはそうあくせくするものではないということがよくわかる。頑固一家の面々のキャラクター分けも実にユニーク。(的田也寸志)

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マイアミ・バイス シーズン1 コンプリート DVD-BOX

マイアミ・バイス シーズン1 コンプリート DVD-BOX ヤン・ハマー作曲による、パーカッシブで推進力にあふれた「マイアミ・バイスのテーマ」が流れ始めると、いきなり1984年に戻ったような気分に。しかし、この大ヒット・シリーズは、その映画的センスといい、クールな衣装といい、必殺のサウンドトラックといい、懐かしさを超えて迫ってくる。現在見ても充分かっこいいのだ。そうでなければ、こんなボックス・セットがリリースされるはずもない。さて、『マイアミ・バイス』のヒップなノリには音楽が不可欠。サウンドトラックは、それまでにないやり方でストーリーを引っ張り、独特のムードをかもし出していた。というわけで、真っ先に気になるのは、DVD化にあたって使用音楽の著作権問題がクリアされているだろうか、という点だろう。パイロット版では、潜入捜査官のクロケットとタブスが手入れを開始する背景で、ちゃんとフィル・コリンズの「In the Air Tonight」が流れているだろうか? 第5話「切り札(One-Eyed Jack)」では、ボート上のソニーとジーナをエリック・クラプトンの「Wonderful Tonight」が優しく包んでいるだろうか? 本シリーズの標準的水準を示すエピソードと言える第14話「運び屋のブルース(Smuggler's Blues)」からグレン・フライの超名曲を取ったら、一体どうなってしまうのだ? ご安心頂きたい。ラジカセから聞こえるローリング・ストーンズからテレビでエルヴィス・プレスリーが歌う「Rubberneckin'」まで、放送当時に使用された先鋭的なサウンドトラックはDVDでもそのままだ。しかも、5.1chサラウンドの素晴らしい音響にバージョン・アップしている。
『マイアミ・バイス』はドン・ジョンソン、フィリップ・マイケル・トーマス、エドワード・ジェームズ・オルモスといったスターたちを輩出した。中でもオルモスは、寡黙で眼光鋭いキャステロ主任を演じてエミー賞に輝いた。彼が第13話「宿命の闘い! 地獄の三角地帯から来た闇将軍(Golden Triangle)」で格闘技を見せるところには、『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』のヨーダが大暴れするシーンにも似た驚きがある。また、第1シーズンでは、後にスターとなる俳優たちの当時の姿が見られるのもお楽しみだ。パイロット版には『L.A. LAW / 七人の弁護士』以前のジミー・スミッツが、第5話「切り札(One-Eyed Jack)」には『クライム・ストーリー』以前のデニス・ファリーナが、第6話「地対空ミサイル強奪! 武器密輸ルートを追え(No Exit)」には『こちらブルームーン探偵社』以前のブルース・ウィリスが登場する。『マイアミ・バイス』は刑事ドラマの伝統にネオンのような華やかさを取り入れた。そのファッション・センス(パステル・カラーのスーツ着用、ベルトなし、ソックスもなし)と静止画面の見事な使い方は、今もって見る者の心を捕らえる。『マイアミ・バイス』はテレビ・ドラマの流れを変えたのだ。このようなDVDセットがリリースされるのは当然のことと言える。(Donald Liebenson, Amazon.com)

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東京攻略

東京攻略 結婚式の日に消息を絶った日本人の恋人を探しに、香港から東京へとやってきたメイシーは、彼女に同行してきた借金取りや謎の私立探偵に助けられながら、その行方を追うのだが、その背後にはCIAまで巻き込んでの暴力団の陰謀が…。

香港からトニー・レオン、イーキン・チェン、ケリー・チャン、セシリア・チャン、日本からは仲村トオル、阿部寛、遠藤久美子など、ずらりとスターを並べて贈る痛快アクション映画。香港のスタッフが撮影すると、同じ東京ロケでも日本映画とは違い、ここまでやれるのかといった、ド派手なアクション・シーンの数々が見もののひとつ。また全体のテイストが、どことなく80年代の大らかなドタバタ香港アクション映画をほうふつさせてくれるのも、当時のファンとしては懐かしくもうれしいところだ。(的田也寸志)

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錨(いかり)を上げて

錨(いかり)を上げて ジーン・ケリーとフランク・シナトラがコンビを組んだミュージカル・コメディは3作を数えるが、その最初の1本がこれ。水兵たちがハリウッドで甘くとろけるような休暇を過ごし、若くて不器用、内気なシナトラが、気心の知れたケリーから人生のコツを学ぶ物語。2時間超という長すぎる上映時間では、ストーリーに重点が置かれず、さまざまな趣向が凝らされている。物語が感情に訴えるよりも、一級のエンターテインメント要素が前面に押し出されるのだ。
シナトラが口ずさむのは「I Fall in Love Too Easily」や「What Makes the Sunset」。快活なキャスリン・グレイソンは「All of a Sudden My Heart Sings(たかなる心の歌)」を歌う。クラシック界の名ピアニスト、ホセ・イトゥルビによる幕間の演奏は、やや通好みだが聴きどころだ。そして“女性を追いかける”というテーマとまったく関係なく登場する、ジーン・ケリーと、アニメの有名キャラ「トム&ジェリー」のジェリーとのダンス。ディーン・ストックウェルの映画初出演作でもあり、彼は自己中心的なケリーを改心させる孤児を演じている。
監督は、MGMの権力者で、ミュージカルのスペシャリストであるジョージ・シドニー(『ショウボート』『キス・ミー・ケイト』)。巨額の製作費をかけたテクニカラーの本作は、1945年のMGMを代表する大ヒット作となった。(Sean Axmaker, Amazon.com)

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できちゃった結婚 Vol.1

できちゃった結婚 Vol.1 『成田離婚』『お見合い結婚』と結婚にまつわるドラマでスマッシュヒットを飛ばし続けてきた脚本家、吉田紀子による結婚三部作の完結編。ある夏の日に関係を持った隆之介(竹野内豊)とチヨ(広末涼子)は、“できちゃった”がために、お互いのことをよく知らないまま結婚するはめになってしまう。
恋人同士の2人が妊娠を期に結婚を決意する、俗に言う“できちゃった結婚”とはまったく違ったなりゆきの主人公たちが、ゼロからのスタートでどのようにして本当の愛を育んでいくかがみどころ。『成田離婚』や『お見合い結婚』のような巧妙な構成で見せていくタイプのドラマではないが、竹野内豊と広末涼子の年の差カップルの軽妙なやりとりは見物である。(麻生結一)

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あの頃ペニー・レインと― デラックス・ダブル・フィーチャーズ

あの頃ペニー・レインと― デラックス・ダブル・フィーチャーズ 1973年、弱冠15歳にして「ローリング・ストーン」誌の記者に抜擢され、あるロックバンドのツアーの同行記事を書くことになった少年ウィリアム。旅の中で知るミュージシャンたちとの友情、ジャーナリストとしての葛藤、そしてせつない初恋が当時のロックとともにつづられる佳作映画である。

監督・脚本は、トム・クルーズ主演『ザ・エージェント』のヒットで一躍表舞台に踊り出たキャメロン・クロウ。「波乱万丈な人生への穏やかなる賛歌」といった趣の作風は前作から継承しつつ、脚本家時代(ティーン・ムービーの先駆けである『初体験 リッジモンド・ハイ』などを手がけている)で得意とした青春もののみずみずしさも感じさせる、これまでの集大成といえる力の入った作品に仕上がった。それもそのはず、これは映画人であると同時にジャーナリストとしての顔ももつ彼の自伝的な作品なのだ。

基本設定はもちろん、ペニー・レインという少女の存在や、母親が彼の年齢を彼自身に偽っていたなどの細部に至るまで、ほとんどが事実に基づくものだという。それ故だろうか、主役から脇役に至るまで登場人物ひとりひとりが人間臭く、そして誰にも必ずひとつは見せ場があるのがなんとも心憎い。(安川正吾)

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フレンズ III ― サード・シーズン DVDセット vol.1(DISC1-3)

フレンズ III ― サード・シーズン DVDセット vol.1(DISC1-3) 趣味も職業もバラバラだけど、いつも一緒にいる6人の男女。ニューヨークに暮らす個性的で愉快な面々が、友情に恋愛に大奮闘するコメディドラマ。1994年放映開始から全米で高視聴率を獲得するシリーズ3年目のシーズン、前半12話を収録したDVDセット。
下ネタも豊富なハイセンスな会話のやりとりがとにかくおもしろい。また『スター・ウォーズ』のレイア姫コスプレネタや、GIジョーネタなどちょっぴりマニアックな部分も笑いを誘う。映画、TV番組、コミック、俳優など知っていれば更に笑える小ネタが詰まっていて、ツウな人ほど大爆笑してしまうこと間違いなし。
さまざまに揺れ動くそれぞれの恋の行方に、仕事の悩みや、6人全員が出会う前のエピソードも盛り込まれて、ますます目が離せないサードシーズン。シーリーズ恒例の豪華ゲストには、女優イザベラ・ロッセリーニが本人役で登場している。(井上新八)

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悲情城市

悲情城市 1945年8月、太平洋戦争終戦によって、51年におよぶ日本の統治から解放された台湾。しかし、その喜びもつかの間、闇社会の進出や国民党の台頭など大陸との確執などにより、台湾は新たな受難の時代を迎えることになる…。
台湾映画界の名匠ホウ・シャオシェン監督の名を世界的に広めることになった歴史叙事詩映画の秀作。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、金馬奨最優秀監督・主演男優(チェン・ソンヨン)賞、キネマ旬報ベスト・テン第1位など国の内外で数々の受賞に輝いている。ドラマは歴史の波に否応なく巻き込まれていくリン一家の面々を通しながら、時に非常に、時に情感豊かにつづられていく。その中で、耳が聞こえず口も聞けない四男ウンセイ(トニー・レオン)と看護婦ヒロミ(シン・シューウェン)の悲恋が印象的。(的田也寸志)

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トリック(2)

トリック(2) 『金田一少年の事件簿』『ケイゾク』を手がけた演出家、堤幸彦が独自の映像世界を駆使して、一筋縄ではいかないトリックの世界をスリリングかつコミカルに描ききったミステリーの怪作。自称売れっ子奇術師(仲間由紀恵)と堅物物理学者(阿部寛)はひょんなことからでこぼこコンビを結成し、さまざまな超常現象の謎に迫っていく。
テレパシー、消失現象、遠隔透視といった定番トリックが、ひねった切り口で次々に登場。貧乳、巨根のキーワードを軸とした下ネタ満載の掛け合いなど、コミカルなテイストにも冴えを見せる。トリックの背景にひそむ新興宗教、霊感商法、土俗的な因習などの虚構が暴かれていくシリアスなドラマとしても一流で、とりわけ、ドラマの横糸として語られる偉大な奇術師だった奈緒子の父親の死についての謎が、展開に厚みを与えている。(麻生結一)

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コレクター

コレクター ノースキャロライナで姪が失踪したことを知らされ、現場に飛んだワシントンDCの科学捜査専門刑事クロス(モーガン・フリーマン)は、その地ダイハムで現在までに8人の美しい女子学生が誘拐され、うち3人がすでに死体で発見されたことを知る。そんなおり、9人目の被害者として行方不明になっていたケイト(アシュレイ・ジャド)が、犯人のもとから脱出し、警察に保護された。犯人の声を知る彼女を協力者とし、クロスは独自の捜査を続けていくのだが…。
美女を収集することに執着する異常犯罪者(コレクター)による猟奇誘拐殺人事件の謎を描いたサイコ・サスペンス映画。名優M・フリーマンが、犯人を追い詰めていく執念の刑事を熱演している。(的田也寸志)

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Shall we ダンス?

Shall we ダンス? 平凡な中年サラリーマンの杉山(役所広司)は、通勤電車のホームから見かけた社交ダンス教室の美女・舞(草刈民代)に魅せられ、ダンスを習うことに。やがて彼は舞目当てではなく、本気でダンスに取り組むようになり、また舞もひたむきな杉山の姿から、見失っていた自分自身を取り戻すようになるが……。
周防正行監督が、社交ダンスの世界を舞台に描くハートウォーミングな大人のラブコメディー映画。時流からずれた世界をコミカルに、しかし愛情を込めて描く周防監督のテイストは本作によって完全に確立されたとみて思しい。主演ふたりの好演はもちろんのこと、竹中直人ら脇を固める面々の魅力を個性豊かに捉えているのも、この監督ならではの長所である。(的田也寸志)

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博士の愛した数式

博士の愛した数式 小川洋子原作の同名小説を映画化。タイトルどおり数学の「数式」が登場するのだが、できあがった映画は“理系”よりも“文系”の印象。全編に、メランコリックで心地よい空気感が漂っている。交通事故の後遺症で、80分しか記憶が持たない博士の元に、新しい家政婦がやって来る。やがて彼女の息子も訪ねて来るようになり、博士は息子の頭の形から彼をルート(√)と呼び、3人の絆は深まっていく。
物語は、成長して数学教師になったルートが、授業で教えるシーンと並行して進んでいく。「素数」「完全数」といった数学嫌いの人には頭が痛くなる単語も、博士のシンプルな説明で、すんなり耳に入ってくるから不思議。それは大人になったルートの授業でも同じで、演じる吉岡秀隆の真摯な教師ぶりに引き込まれるのだ。博士とルートのドラマには、阪神タイガースなどのネタを効果的に使用。ドラマチックな何かを期待して観ると肩すかしを喰らうが、ほんのりと温かい後味は得られる。それは小泉堯史監督の持ち味でもある。(斉藤博昭)

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チアーズ!

チアーズ! カリフォルニアのランチョ・カルネ・ハイスクールのチア・リーディング・チーム「トロス」は、ここ数年全国選手権大会で優勝を続けていたが、ある日キャプテンのトーランスは、チーム伝統の振り付けが実は大会経験のない「クローヴァーズ」からの盗用であったことを聞かされる。自分たちの実力を正当に評価してもらうべく、慌ててオリジナルの振り付けを作り、クローヴァーズとの勝負に挑むトロスの面々だったが…。
『ヴァージン・スーサイズ』で人気を得たキルスティン・ダンスト主演でおくるさわやか青春映画。劇中、さまざまなヒット曲に乗せて繰り広げられる華麗なチア・リーディングの数々が何といっても魅力的で、スポ根的青春の躍動感がさらに増していくおもしろさがある。(的田也寸志)

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私のあしながおじさん(10)

私のあしながおじさん(10) 1920年代のアメリカ。孤児院で育った少女、ジュディ・アボットは、匿名の後見人“あしながおじさん”の援助でハイスクールに進学できることになる。友情や恋を知り、自らのアイデンティティを探し求めながら成長していく少女を描いた、ウェブスターの有名な原作のアニメ化。1990年放送の「世界名作劇場」第16作目だ。
ジュディはある縁からジャービスという裕福な青年と知り合い、彼の「お金持ち」らしからぬ大らかな性格に好意を抱くようになる。淡い恋心はやがて愛へと変わるが、ジュディは自らの生い立ちをジャービスに告げることが出来ず、ジャービスにもジュディに言えない秘密があった…。2人の思いが交錯する後半は、下手な昼メロ真っ青の盛り上がりを見せ、その“ロマンス度”は「世界名作劇場」シリーズ中ピカイチ。
とは言え、物語はあくまでジュディの「自らの生い立ちへのコンプレックスを克服する過程」に重心を置く。ジュディの自立への焦りも丁寧に描かれ、自分の思春期と重ね合わせる人も多いのではなかろうか。まるで自分が“あしながおじさん”となって、感受性豊かな少女の成長を見守ったかのような、そんな気持ちにさせてくれるみずみずしい青春物語である。(安川正吾)

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刑事ニコ~法の死角~

刑事ニコ~法の死角~ 元CIAの特殊工作員で今はシカゴの鬼刑事としてならしているニコ(スティーヴン・セガール)は、ある麻薬事件を捜査するうちに、中南米をめぐるCIA絡みの謀略にぶちあたっていく…。
日本で合気道を学び(黒帯6段)、日本語も堪能なハリウッド・アクション・スター、スティーヴン・セガールの記念すべき映画初主演作。それまで彼は数々のスターたちのコーチとして活躍し、その腕を見込まれてのデビューでもあった。見どころはもちろん、彼が繰り広げる格闘シーンの数々。向かうところ敵なしというセガール映画アクションの定石は、既にデビュー作から出来上がっていた。監督は後に『逃亡者』などを撮るアンドリュー・デイヴィス。ニコのCIA時代の因縁浅からぬ同僚に、日本映画『復活の日』にも出演している怪優ヘンリー・シルヴァが扮している。(的田也寸志)

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クァンキ

クァンキ 2000年に放送された韓国ドラマ。全18話を収録。様々な表現を学びたくて進学したのに、おちこぼれて講義をさぼり気味の学生たち。彼らに改めて目標と学問の楽しさを思い起こさせるため、キム先生は広告サークルを立ち上げさせる。こうして集まった個性的な仲間たちの、夢へ向かっての熱気あふれる青春模様が、笑いあり恋愛あり感動ありでたっぷりと描かれる。ウォンビン(カン・ミン役)、イ・ドンゴン(イ・ドンウク役)他、韓国ドラマファン必見の豪華キャスト陣にも注目。また、映画やドラマと並ぶ総合表現メディアである「広告」という媒体を通して、モノ作りの面白さや構造が理解できるとともに興味もかきたてられること必至。(田中 元)

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ビートルジュース

ビートルジュース 娘役のウィノナ・ライダーも魅力的な、ティム・バートン監督の才気が如何なく発揮されたホラーコメディ。新居を購入しながら事故死し、幽霊となった若夫婦。引っ越してきた一家を追い出そうと、霊界から人間退治のプロ、バイオ・エクソシストを呼び出すが…。
縦横無尽に暴走する物語を、独特のアニメ的イマジネーションで視覚化。『アルゴ探検隊の大冒険』などで知られる、敬愛する特撮監督レイ・ハリーハウゼンの線を狙った手作り感あふれるクリーチャー造形も絶妙。
アカデミー賞最優秀メイク・アップ賞にも輝いた本作の興行的成功が、次回作『バッドマン』への飛躍を用意した。バートンは89年、本作のTVアニメシリーズの製作総指揮も務めた。(轟夕起夫)

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子ぎつねヘレン

子ぎつねヘレン カメラマンの母親の仕事の都合で北海道にいる獣医のもとに預けられた小学生の太一。彼はある日、母親からはぐれた子ぎつねを発見。子ぎつねにシンパシーを感じて拾ってしまった太一だが、実は子ぎつねは目も耳も鼻も不自由だった。そこで太一はヘレンと名づけて親代わりに育て始めるのだが…。
動物映画の王道的展開を見せる作品。河野監督はこの作品をあくまでも子ども向けとし、メルヘンちっくな要素なども加えながら展開していく。命の大切さはもちろん、家族の大切さなどもダイレクトに見せてくれるため、本当に小さい子でもわかりやすく見れるのがポイントだ。大人は子供感覚に戻って見ていればかなり楽しめるはず。また警戒心が強くて決して人間にはなつかないきつねの、さまざまなしぐさや表情を見事に撮りあげたあたりも素晴らしい。(横森 文)

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X-ファイル シーズン・シックス DVDコレクターズ・ボックス

X-ファイル シーズン・シックス DVDコレクターズ・ボックス 1998年夏公開の映画をうけ、「ビギニング」では第5シーズンの最終回「ジ・エンド」から持ち越した謎の解決はさておき、まずは映画からTVシリーズへスムーズな流れを作ろうという狙いだ(ところで原子力発電所のコントロール室で居眠りする守衛の名前はホーマー。FOX製作のアニメ「ザ・シンプソンズ」に登場するキャラクター、原子力発電所に勤めるドジなパパもホーマーである)。シリーズ山場の合間には本筋から離れたエピソードもいくつか用意されており、魔のバミューダ海域でナチス船にタイムスリップする「トライアングル」、さらなる時間の迷宮に入りこみ、映画「恋はデジャ・ブ」のごとき体験をする「月曜の朝」、ブルース・キャンベルが本領発揮のジャンル、悪魔の赤ん坊事件「愛児」に、モルダーと他人の人格が入れかわってしまう「ドリームランドPart1」「ドリームランドPart2」、などどれも楽しめる。「S.R.819」では本筋に戻り、モルダーが陰謀がらみの上院法案を追う。「ファイト・ザ・フューチャーPart1」「ファイト・ザ・フューチャーPart2」では拉致実験がブラックオイル感染の治療を意図したものであることが明らかに。本シーズンの最終回は「創世記」。人類の起源は火星人なのか?との問いを投げかける。海岸に埋まったUFOを前に立ち尽くすスカリーの姿で幕がおりる。(Paul Tonks, Amazon.com)

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ダーク・エンジェル vol.1

ダーク・エンジェル vol.1 西暦2009年、政府のDNA研究所で生まれ、戦闘マシーンとして特殊軍事教練を受けて育ったジェネティック(遺伝子操作人間)のMAXは、9歳のときに仲間たちとともに研究所を脱走した。そして10年後、彼女は昼間はメッセンジャー、夜は泥棒稼業をこなしながら、かつての自分の仲間を探し続けている。そんな彼女を追う者、助ける者、さまざまな人物が入り乱れながら、スーパー・ヒロインの活躍を描くSF・TVシリーズのパイロット版(第1話)を収録。

ジェームズ・キャメロン監督、構想15年に及んだ末の製作作品で「映画という枠では、このドラマはもはや語り切れない」という決意でのTVシリーズ化とか。アメリカ1930年代大恐慌時代を思わせる美術設定の中、女型007のように立ち回るMAXは、まさにキャメロン映画がずっと描き続けてきた闘うヒロイン像の延長、いや集大成ともいえるかもしれない。演じるジェシカ・アルバは子役からキャリアをスタートさせ、最近では『25年目のキス』出演などで知られる若手女優。本作に関しては、1000人以上の候補者の中から彼女が抜擢された。(的田也寸志)

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鈴木清順監督自選DVD-BOX 壱 <日活から大目玉をくらった作品>

鈴木清順監督自選DVD-BOX 壱 <日活から大目玉をくらった作品> その独特の映像感覚で常に映画の常識を打ち破る快作を発表し続ける異才かつ偉才・鈴木清順監督が、日活時代の膨大な作品群の中から自ら選んだ12作品を2つのBOXに収納。その第1弾は「日活から大目玉をくらった作品」と題された通り、あまりにもの先鋭的映像表現ゆえ、会社の理解を得られず、しかし後に映画ファンの間で再評価が高まった作品を主に収録。鈴木清太郎という本名でクレジットされたデビュー作『港の乾杯 勝利をわが手に』(56)を手始めに、半年ほされる原因となった『8時間の恐怖』(57)、異色中篇『素っ裸の年令』(59)、今や伝説的ともいえるアバンギャルドな色彩美が魅力の『関東無宿』(63)『東京流れ者』(66)、そして日活退社の引き金となった怪、いや快作『殺しの烙印』(67)といったラインナップである。全作品、鈴木監督のオーディオコメンタリーつきというのも嬉しい。(増當竜也)

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機動戦艦ナデシコ Premier complete DVD-BOX

機動戦艦ナデシコ Premier complete DVD-BOX はるか未来、地球は木星トカゲと名づけられた謎の異星人の襲撃を受けて全面戦争に突入していた。地球は機動戦艦ナデシコを発進させるが、この艦のクルー、そろいもそろってどこかヘンで…。ラブコメや70年代アニメなどの要素をごった煮しつつも、基本はハードSFという凝った趣向で送る90年代アニメの金字塔。個性豊かなクルー、往年のアニメやSF映画のパロディ、萌え系の先駆けなど、どこから切っても大いに語れる内容の濃さ。そこからは『新世紀エヴァンゲリオン』のアンチテーゼのようなおたくの肯定といった前向きな姿勢が見え隠れする。TV版の人気を受け、その後日譚として製作された映画版(両者の間を繋ぐストーリーはセガ・サターンのTVゲームとして登場)は、TV版ではサブキャラだった星野ルリをヒロインに、よりハードな趣向で燃えに萌える傑作となっている。OVAの方は、ナデシコ・クルーたちが観る懐かしアニメであり、実はドラマにも深く関わる『ゲキ・ガンガー3』の1編でもある。(増當竜也)

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ジョニー・スエード

ジョニー・スエード マンハッタンのボロアパートに住みながら、ロカビリー歌手を目指す青年ジョニーの前に、ある日突然、空からスエード・シューズが降ってきた。それ以来、彼の周りでさまざまな不思議な出来事が起こりはじめていく…。

ジム・ジャームッシュ監督作品の撮影監督として知られるトム・ディチロが監督した青春映画。その作風は、やはりどこかジャームッシュ作品のとぼけたテイストをほうふつさせるものがある。ブレイク前のブラッド・ピットが、コーンヘッドのように髪を極端にとんがらせながら、キッチュな魅力をふりまき好演している。また、91年度のロカルノ国際映画祭でゴールデンレバード最高作品賞(グランプリ)を受賞しており、その後の彼のキャリアに大いに貢献することにもなった。(的田也寸志)

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オズの魔法使 特別版

オズの魔法使 特別版 愛犬トトと一緒に竜巻に巻き上げられ、魔法の国へと迷い込んでしまった少女ドロシーが、「脳みそのないかかし」「ハートのないブリキのきこり」「勇気のないライオン」らとともに繰り広げる冒険の旅。アカデミー賞作曲・主題歌賞&特別賞を受賞の、映画史上に残るミュージカル・ファンタジー。
現実をモノクロ、魔法の国を総天然色とも呼ぶべき、けんらんたるカラーで描き分けたビクター・フレミング監督の手腕が光るが、それ以上にドロシーを演じたジュディ・ガーランドの愛らしさが、いつまでも心に残る。もはや名曲としか呼びようのない「オーヴァー・ザ・レインボウ」のすばらしさ! その後、オール黒人キャストによる『ウィズ』が製作されたり、『ツイスター』『フェイス/オフ』などでもオマージュが捧げられるなど、いつの世も輝きを失わない名作中の名作。(的田也寸志)

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Mr.インクレディブル (ピクサーころころアート・ボックス 付き)

Mr.インクレディブル (ピクサーころころアート・ボックス 付き) かつてスーパー・ヒーローが活躍していた時代があった。しかし、彼らのパワーは時に破壊をまねくこともしばしで、やがてその活動を禁止された。それから15年、今はしがない保険会社の一社員として働く鬱屈した日々の中、けなげに妻子(彼女らもまたスーパー・ヒーロー)を養うボブのもとにスーパー・ヒーローとしての仕事が密かに舞い込んだ…。
元スーパー・ヒーローの活躍を通して家族のきずなをコミカルに温かく描いた、ディズニー/ピクサーならではのフルCGアニメ。ダイナミックかつユーモラスなアクションシーンの連続が実に楽しく、またその見せ方や乗せ方の上手さは神業的。スーパー家族それぞれの個性も多分に生かされており、特に伸縮自在に身体を動かす妻ヘレンの活躍ぶりは完全に亭主を凌駕しており、まさに「母は強し」を痛感させる素晴らしさ。アイデア、センス、技術、そして演出とすべての要素がエンターテインメントとして見事に機能しえている快作中の快作。必見。(増當竜也)

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博士の異常な愛情 (SUPERBIT)

博士の異常な愛情 (SUPERBIT) 米ソ冷戦下における核戦争の恐怖を、キューブリック監督が徹底的に皮肉ったブラックコメディである。正式な題名は『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』。
アメリカ空軍基地の司令官が突然発狂し、ソ連の戦略核基地攻撃命令を出してしまう。しかし、ソ連側は攻撃を受けると自動的に反撃する、人類滅亡爆弾で応戦。緊迫した状況のなか、ついに両国主脳はホットラインで和解する。だが1機の米軍爆撃機が、それを知らずに任務を遂行してしまう。
『ピンク・パンサー』シリーズのクルーゾー警部でおなじみのイギリスの名優ピーター・セラーズが、米大統領、英国軍大佐、マッドサイエンティストの1人3役を怪演。ストレンジラブ博士のヒトラー総統をパロった大演説シーンは必見だ。(山内拓哉)

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チーム★アメリカ ワールドポリス スペシャル・コレクターズ・エディション

チーム★アメリカ ワールドポリス スペシャル・コレクターズ・エディション 世界平和を守るため、様々なテロリストを相手に戦うチーム・アメリカ。舞台俳優のゲイリーはそんな彼らにスカウトされ、チームに参加することに。一方、北朝鮮では世界征服の野望を持つ者が事件を起こそうと……。
『サンダーバード』を彷彿させるようなマリオネット人形を使って、『サウス・パーク』のトレイ・パーカーとマット・ストーンが作り出したブラック・ネタ満載のシニカル・コメディ。世界平和の口実のもとにエッフェル塔だろうが何だろうが平気でブチ壊すチーム・アメリカの面々も強烈だし(お前らがテロかとツッコミたい)、北朝鮮のアノ人が突然「アイム・ロンリー~♪」と歌い出すシーンなどは椅子から転げ落ちそうになるほど笑った。エログロだし、政治的な意味でもかなり危険だし、18歳未満禁止も納得。本当に公開して平気!?(横森文)

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Live By Request

Live By Request ケーブル・テレビ局のA&Eチャンネルでオン・エアされた『Bee Gees: Live by Request』がビデオになって登場。不満を感じる部分もあるが、熱気あふれるライヴだ。ギブ兄弟は2001年5月リリースのアルバム『This Is Where I Came In』の収録曲をいくつか披露できて大満足かもしれないが、ショーの中核となる仕掛けが退屈なのは困りもの。電話を通じて3人がリクエストを受けるという趣向なのだが、興奮したファンたちがとりとめのない思い出話を始めて、貴重な時間をムダにしてしまう。そんな状況でも、さすがはポップ界の伝説的グループ、充実した洗練度の高い演奏で「I Started a Joke」、「Jive Talkin'」、「How Deep Is Your Love」を聴かせる。それ以外のビージーズの名曲は、投げやりなメドレーの中に、短縮された状態で登場。見るからに上気したファンは確かに気分を盛り上げてくれるが、あくまでもビージーズひと筋な(そして、きわめて寛大な)ファンのためのショーと言えそうだ。(Tom Keogh, Amazon.com)

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ラマになった王様

ラマになった王様 意地悪でごう慢な王様クスコは、魔女イズマの恨みをかってラマの姿に変えられてしまう。城を追われたクスコと、人のいい農夫パチャによる珍道中の物語。
とにかく楽しませてくれる逸品だ。ディズニー・アニメの中ではスケールの大きさこそないものの、ノリで勝負とばかりに、はじけたキャラたちが次々とギャグを繰り出す痛快コメディとなっている。たとえば、クスコとパチャのかけ合いや、魔女イズマと家来クロンクの悪役コンビはじつによい味を出している。特にクロンクのボケっぷりは爆笑必至だ。
本作は、わかりやすいキャラクター設定に、わかりやすいギャグが満載な気持ちのよい作品。ごう慢だった王様が何よりも大切な「友情」に気づくというテーマも作品に無理なくとけ込んでいる。作品がシンプルなだけに子ども向きかと思いきや、案外このテイストは、大人の方がハマってしまうのではないだろうか?(井上新八)

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罠 THE TRAP ― 私立探偵 濱マイク シリーズ 第三弾

罠 THE TRAP ― 私立探偵 濱マイク シリーズ 第三弾 林海象監督&永瀬正敏・主演による「私立探偵濱マイク」シリーズの第3弾かつ映画版の最終作。マイクの住む横浜・黄金町で次々と美女が殺される事件が勃発する。被害者はいずれも花柄のワンピースを着せられていた。やがて遺留品からマイクの指紋が検出され、彼が犯人ではないかと疑われ始める…。
前2作とはガラリと趣を変えて、猟奇殺人をモチーフとしたサイコ・スリラー仕立てとなっており、特に後半は衝撃的内容が連続して描写されていくのが特徴だが、シリーズ全体のトーンとしてのスタイリッシュな感触は決して失われていない。ヒロインとして山口智子や夏川結衣が登場するなど、これまた前2作にはない華やかなテイストも加えられている。(的田也寸志)

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ホールドアップダウン 初回限定版

ホールドアップダウン 初回限定版 サンタクロースの扮装で銀行を襲撃した木俣と佐川。ふたりは盗んだお金を、ストリートミュージシャンの佐村から盗んだ小銭を使ってコインロッカーに隠すが、ロッカーの鍵は、ふたりを追いかけた沢村の手に渡ってしまう。その彼を木場と星野というふたりの刑事が車ではねた! その後、川に流される沢村を見つけたのは、自殺しようとしていたトラック運転手の平松。彼は流れてくる沢村の姿がキリストにソックリだったため、神様と思い込む。一方、木俣と佐川は逮捕されるが、取調室に来たのは木場と星野だった…。
デビュー作『弾丸ランナー』から、SABU監督の主人公はひたすら走ってきた。それは主人公がアイドルグループ、V6になっても同じ。『ハードラックヒーロー』でも組んだV6ゆえ、彼らの魅力を監督は百も承知! それぞれの個性をいかしつつ、SABUワールドの色を損ねずに、ユーモアと疾走感に溢れたアクションコメディを作り上げた手腕はお見事。ひとつの強盗事件に複雑にからみあう6人もそれぞれ熱演。古田新太、香椎由宇、森本レオ、伊藤歩など、わきをしめる役者陣も豪華で、すみずみまで楽しめる。(斎藤 香)

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アイドル黄金伝説 細川ふみえ

アイドル黄金伝説 細川ふみえ 20世紀のグラビアアイドルを集大成するシリーズの1本、細川ふみえ盤だ。
90年のミスマガジングランプリに選ばれたのをきっかけに、芸能界入りした、細川ふみえ。以後写真集や雑誌グラビアはもちろん、その天然ボケ気味のキャラクターで数々のバラエティやCMでも人気を博したセクシーグラビアアイドルだ。本作は、彼女の数々の映像をまとめたイメージビデオ作品である。
水着で浜辺の波にたわむれる姿やプールで泳ぐ姿、リゾート気分でくつろぐといったお約束の場面はもちろんのこと、特技であるけん玉の妙技も自らのコメントつきで見せてくれる。また、自己紹介の場面ではそのけん玉を始めたきっかけから、交通事故を起こしてしまったクリスマスの悪夢、好きな男性のタイプまでを語る。(田中 元)

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Live By Request

Live By Request 本作『Blondie: Live by Request』は、2004年5月7日にマンハッタンのジョン・ジェイ・カレッジで行われ、A&Eチャンネルで放映されたパフォーマンスを収録している。ニューヨーク・シティの誇るパンク・ポップ・スター、ブロンディの面々は、年齢を重ねて円熟味を増しながらも、今なお情熱に取りつかれている(必ずしもそれを制御しきれていないけれど)。だからこそ、「Dreaming」、「Rapture」、「Heart of Glass」などの名曲で驚くべきパフォーマンスを展開できるのだ。今回の2004年度版ブロンディには、デボラ・ハリー、クリス・ステイン、クレム・バークというオリジナル・メンバー3人が参加。加えて、ポール・カーボナラ(ギター)、ケヴィン・トッピング(キーボード)、リー・フォックス(ベース)が見事なサポートぶりを見せる。ここに収録された全17トラックはいずれもブロンディの代表曲だが、「Atomic」が外されているのは気になるところ。2003年のアルバム『Curse of Blondie』から4曲(うち1曲はジョーイ・ラモーンへの感動的なトリビュート・チューン)を持ってきたあたり、安全運転に終わるまいとする意気込みがうかがえて好ましい。ハリーは相変わらず華やかな存在で、狭まりつつある声域を新鮮なフレージングと無尽蔵のエネルギーでカバー。リード・ギタリストのステインは時おり手元が怪しくなるようだが、ドラマーのバークは以前にも増してタイトな演奏を聴かせ、楽曲にディスコ的青臭さやパンク的熱情を加味している。ただし、観賞の際は手元にリモコンを置いておこう。電話リクエストのくだりや退屈なMCは、すぐに飽きが来てしまうから。  DVDのサウンドは、音質的には問題ないが、ダイナミクスが貧弱すぎる。しかし、ミキシングが上出来なので、サラウンド(ドルビーまたはDTS)で再生すればそれなりに楽しめるだろう。より聴きやすいのはDTSのほうだ。(Michael Mikesell, Amazon.com)

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桜蘭高校ホスト部 Vol.6

桜蘭高校ホスト部 Vol.6 馨と光、そして環のセクシーな目覚めシーンで始まる夏休み・軽井沢編となるDVD Vol.6。この軽井沢編では、感動的なストーリーが描かれる。なんとハルヒの心を目指す3人の前に、強力なライバルが現れるのだ。中学時代の友人の荒井君をめぐり、動揺しまくるホスト部のメンバー。つい光は、荒井君に感情をぶつけてしまう。すねる光のために馨は、ハルヒとのデートをセッティングする。しかし、デート中に荒井君と再会したことで、光はハルヒを置いて、雷雨の中に逃げ出してしまう。だが、馨と環に叱りつけられ、自分の心の狭さを知る光…。もう一編は夏休みの最後の日の話。ハルヒは鏡夜と一日を過ごす。鏡夜をやり込めるハルヒの姿に成長を感じて、胸がジーン。(志田英邦)

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ふぞろいの林檎たち2 DVD-BOX 5巻セット

ふぞろいの林檎たち2 DVD-BOX 5巻セット 1983年TBS系の金曜ドラマ枠で放映され、人気を呼んだ名作ドラマ『ふぞろいの林檎たち』の第2シリーズ(85年放送)。主人公たちは、大学や専門学校を卒業して実社会へ出て、様々な悩みを抱えながらも成長してゆく。脚本は前シリーズに続き、山田太一。サザンオールスターズの楽曲も前シリーズ同様、印象的に使われている。
仲手川(中井貴一)は運送会社で、しつこい上司にうんざりする日々。岩田(時任三郎と西寺実(柳沢慎吾)は同じ会社に勤めるが、腕のいい営業マンとなった岩田は、上場の会社に引き抜かれていく。看護婦の仕事に喜びが見出せない晴枝(石原真理子)は、ホステスに転身、仲手川との仲も進展していく。岩田と長く付き合ってきた陽子(手塚理美)は、互いに結婚に踏み切れずにいる。前シーズンの大学生モラトリアム時代を経て、社会に出た“林檎たち”は、また新しい人間関係の中で必死にもがいていく。会社での上下関係、親の死、転職、恋愛。社会にでて、人生を歩みだした彼らの不安な心模様を見事に描いていく。(茂木直美)

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発狂する唇

発狂する唇 女子中学生の首が切り落とされる連続事件が発生。しかし容疑者の倉橋美智夫は行方をくらましていた。美智夫の無実を願う妹・里美は兄の捜索と真犯人探しを霊能者の間宮悦子に依頼する。
おどろおどろしいタイトルバック、死刑になった父親、怪しげな祈祷師、犯される母親、突如TVの中から出てきて主人公たちに話しかけるニュースキャスター、同じく唐突に現れて里美を助ける、怪しさいっぱいの阿部寛扮するFBI捜査官と相棒ルーシー、そしてアナルを犯される里美…脈絡のない猟奇描写が、まるで観客の想像力に挑戦するかのように映画の中で連鎖して行く。この映画の正しい楽しみ方は、三輪ひとみの端正な顔立ちが苦悶に乱れる様をイヒヒとサディスティックに眺める。それにつきる。(斉藤守彦)

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死ぬまでにしたい10のこと

死ぬまでにしたい10のこと 23歳という若さで、がんで余命2か月と宣告されたアン。彼女はやり残したことをノートに10コ、書き留める。オシャレのこと、ふたりの娘のこと、そして夫以外の男と付き合ってみること…。リストを作ったときから、アンの平凡だった人生がイキイキと動きだした。
死を目前にしながらも、その事実を誰にも明かさず、リストを作って実行していくことで、死の恐怖を回避し、幸せで甘い幕切れを求めるアン。自分の不運な運命を知っても、決して動揺せずに、残り少ない人生を最上のものにしようとするヒロインの強さが感動的。この役をほぼスッピンの自然体で演じたのはサラ・ポーリー。彼女が好演があったからこそ、アンという女性の短い人生は美しくスクリーンに息づいたといっても過言ではない。難を言えば、愛人になる男性(マーク・ラファロ)が魅力薄だったこと。夫役のスコット・スピードマンの方が華があり、逆のキャスティングだったら、感動も倍増したかも。とはいえ、死に向かっていく女性の人生を実に丁寧につづったイザベル・コヘット監督(&脚本)の手腕は見事。ペドロ・アルモドバルが彼女の才能に魅了され、製作を買って出たのも納得の映画である。(斎藤 香)

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2006年11月12日

ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション

ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション 美しいワイオミング州の山々。ふたりのカウボーイが羊を放牧している。ワイルドで牧歌的な風景に奏でられるのは、彼らの愛の物語。男同士の関係を描きながら、これほどまでに万人を感動させる映画は、過去になかったかもしれない。イニスとジャックは、ブロークバック・マウンテンで燃え上がった愛を、その後、失うことはなかった。ともに妻を迎え、子どもを授かっても…。
物語は1963年に始まり、舞台は保守的な中西部なので、当然、厳しい現実が待っている。そして、妻たちの悲しみもある。アン・リー監督は、それらすべてを過不足なく描き、主人公ふたりの愛を際立たせていく。何より、演技がすばらしい。イニス役のヒース・レジャーは、素顔の本人とは別の、絞り出すような低音の声で男くささを前面に出しつつ、内に燃えたぎるジャックへの愛を表現する。ふたりの再会シーンでは、衝撃的なまでに激しい愛がぶつかり合うのだ。
誰かを真剣に愛し、その愛を長い間、心に育んだ経験のある人なら、本作の愛に打ちのめされるはず。静かだが、あまりにも切ないラストシーンは目に焼き付いて離れない。(斉藤博昭)

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プレデター アルティメット・エディション

プレデター アルティメット・エディション 軍の命令でジャングルに派遣されたシェイファー(アーノルド・シュワルツェネッガー)らコマンド部隊。やがて敵ゲリラを全滅させた彼らに、突如として肉食エイリアン“プレデター”が襲いかかってきた!
シュワとプレデター(ちなみに、そのスーツの中に入っていたのはジャン・クロード・ヴァン・ダム)の行き詰まる対決を描いたSFサヴァイヴァル・アクション映画。奥行きを感じさせる画面構成で迫り、特に前半部のコマンド・アクション描写に冴えを見せた監督のジョン・マクティアナンは、本作の成功で『ダイ・ハード』を手掛けることになる。また、プレデターが都市に現れる続編『プレデター2』も後に製作された。泥と硝煙にまみれた男だらけの世界の中、紅一点で『ボーダー』『サルバドル』のメキシコ美女エルピディア・カリロが出演しているのが嬉しい。(的田也寸志)

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スリーピー・ホロウ

スリーピー・ホロウ この原作『スリーピー・ホロウの伝説』は、学校の教科書にも載っているという有名な話である。200年前のニューヨークの村で、首なし騎士が村人の首を切りとって持ち去るという連続猟奇殺人事件が続出し、捜査官ジョニー・デップがその捜査に乗り出す。
おどろおどろしい題材を扱いながらも、そこはさすがティム・バートン監督である。彼独特のユーモアのさじ加減が絶妙に効いていて、テンポのよい見ごたえのある娯楽作に仕上がっている。名コンビであるジョニー・デップのキャラクターも、いつもながらユニークで楽しい。捜査官ながらかなり気が弱くてナィーブな3枚目の人物で、普通のヒーローとは一味違う主人公だ。映像的にも、グレーを基調としたカラーが美しい。首なし騎士が樹木のなかから登場する迫力あるシーンなど、驚きの映像が満載だ。(星乃つづり)

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トルク

トルク 理論上では時速400kmの走行も可能という世界最速のマシンもフィーチャーされた、バイク・アクション映画。誰にも負けないスピードと、ライディングのテクニックを持つ主人公のフォードは、ドラッグ売買の疑惑をかけられて姿を隠していたが、住み慣れた街に戻ってくる。しかし、敵対するバイカーギャングの一員が殺され、フォードは再び、身に覚えのない罪で命を狙われることになる。
ミュージックビデオ出身のジョセフ・カーン監督が、随所に先鋭的な映像を挿入。VFXも使って表現される、時速320kmで走行するライダーの視界がユニークだ。走る列車の屋根にマシンごと飛び乗るなど、スーパー・アクションはもちろんだが、「Y2K」「アプリリア / RSVミレ」といったマニア垂涎のマシンが多数登場し、そのデザインを眺めているだけでも楽しい。罪を晴らそうとするフォードの壮絶な戦いぶりに加え、女同士のマシン対決も見もの。この手の作品はストーリー云々より、肩の力を抜いてアクションを楽しみ、観終わった後のスッキリ感を味わえればいいのではないか。(斉藤博昭)

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コンスタンティン 特別版 (初回限定版)

コンスタンティン 特別版 (初回限定版) アメコミ「ヘルブレイザー」を原作に、キアヌ・リーブスが、『マトリックス』に続いて救世主的なヒーローを演じる、ホラーテイストのアクション。この世には、悪魔や天使が宿った人間が生息しており、私立探偵のジョン・コンスタンティンは、彼らを見分けることができる。死後、自分が地獄へ送られる運命にあると知った彼は、悪魔を倒すことで、天国に行こうと目論むのだった。そんなジョンのもとに、双子の姉妹を亡くした刑事アンジェラが現れ…。
人間にとりついた悪魔や、ジョンが入り込む地獄の風景など、鮮烈なビジュアルを次々と見せるのは、ミュージック・ビデオ出身のフランシス・ローレンス監督。水を通して地獄へ移動する方法や、天使の造形、マニアックなテイストにあふれた小道具など、映像の隅々に趣向が凝らされ、観る者を飽きさせない。末期ガンながら酒もタバコも止めようとせず、死に魅せられたような主人公のキャラに、キアヌはハマリ役だ。安易にヒロインと恋に落ちることもなく、つねにどこか斜に構えたジョンは、最近のアクション映画には珍しいヒーロー像で、その分、カッコいい!(斉藤博昭)

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猟奇的な彼女

猟奇的な彼女 大学生キョヌは、電車内で酔っぱらいの美女を介抱する。翌日、その彼女に呼び出されたキョヌだが、お礼を言われるどころか彼女の横暴な言動や態度にびっくり。しかし、名前も明かさない彼女の心になにか悩みがあると気づいた彼は、言われるがままに付き合おうと決心する。
韓国で、インターネットの掲示板に載ったエピソードを基に映画化されたというユニークな一作。レストランのメニューを指示されるなんてのは序の口で、気に入らなければ殴る、川に突き落とすなど「彼女」の行動は極端だが、正義漢の一面もあり、見ていて妙にすがすがしい。2人の恋の行方が笑いを誘いながら、後半は意外な感動ストーリーへなだれこむのも本作の魅力。主演2人もチャーミングで、男、女、それぞれの立場に隠された恋愛願望が引き出され、胸にズキッとくる。(斉藤博昭)

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フォー・ウェディング

フォー・ウェディング 4回の結婚式と、1回の葬式を通して、イギリス人男性・チャールズとアメリカ人女性・ウィリーの想いが右往左往するロマンチック・コメディ。イギリス映画ながら、全米ボックスオフィスでも異例の1位を獲得した。
主人公ふたりの恋の行方を軸としながらも、本作のおもしろさは、周囲の人物に築かれる目新しい人間関係だろう。外見は二枚目なので多くの女性とつきあうも、結婚に踏み切れないチャールズは、同じように恋人を探す女友だちと同居。しかし、ふたりに恋愛関係はない。彼を取り巻く友人たちのなかで、唯一、うまく関係が続いているのが、男同士のゲイ・カップルというのも皮肉だ。映画を観ているうちに、なんとなく、常識に縛られた「関係」から抜け出し、自分に正直な選択をするべきだと思えてくる。
それまで『モーリス』などで英国の貴公子的な役が多かったヒュー・グラントは、本作を機に、優柔不断の男を等身大で演じることが持ち味となった。その原点という意味でも必見。(斉藤博昭)

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道 サーカスの芸人世界に憧れるフェリーニが、大道芸人のわびしい浮浪生活を描いた名作。頭の弱いジェルソミーナは、夫ザンパノの女と酒、暴力三昧の生活で自信を失い、何度も彼のもとから逃げようとする。そんな時、ある青年に出会う。ジェルソミーナは彼によって勇気づけられ、夫と生きていくことを決心する。しかし、ザンパノが青年を殺してしまったことから、事態は変わっていく…。
美しい心をもつジェルソミーナは何度も夫を信じ、その度に裏切られる。大道芸人の笑顔という仮面の下の悲しみを表情豊かに、フェリーニの生涯の妻ジュリエット・マシーナが演じている。本作は最も感動的なフェリーニ作品として知られ、ベネチア映画祭ではサンマルコ獅子賞に輝いた。アカデミー外国語映画賞受賞作。(齋藤リエ)

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哥(うた)

哥(うた) 丹波篠山の旧家、森山家の書生見習い、淳(篠田三郎)は、家を護ることを母から言い聞かされ、寸分の狂いもなく忠実に働き続けている。森山家では、長男・康(岸田森)の淡白さに妻の夏子(八並映子)は不満を隠せない。住み込みの書生・和田(田村亮)はお手伝いの藤野(桜井浩子)との情愛にふけっており、その光景を目撃した夏子は興奮し、淳を誘惑していく……。
旧家の伝統を護ろうとする青年と、加速度的に崩壊の一途をたどっていく旧家のただれた人間関係を通し、日本人の精神風土を鋭くえぐる実相寺昭雄監督作品。『無常』『曼陀羅』に続くエロス三部作の完結編的要素を備えたものだが、シネスコのモノクローム映像で捉えられた古い家屋の中で欲望を満たそうとする男女の姿は、まるで伝統の重圧からエスケープしようとしているかのようだ。また、伝統を護ろうとする青年もどこか奇異な存在として映えるのも、倒錯感に拍車をかけている。(的田也寸志)

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愛しのローズマリー〈特別編〉

愛しのローズマリー〈特別編〉 父親の影響で超面食いのハルは、自己精神治療師に催眠術をかけられ、彼の目には巨漢の女性が美女に見えるようになる。そんなときに彼はローズマリーに出会ってひとめぼれ。彼の目にはセクシー美女だが、実はローズマリー、体重136キロの巨漢だった!
アブナイギャクがおはこのファレリー映画、今回もご多分に漏れずだが、テーマは「人間は見た目じゃない」。外見も人間性のひとつだと思うが、この映画はそれだけでいいの?と、観客にも疑問を投げかけてくる。主人公は外見ばかりを重視する現代人をデフォルメしたキャラクターなのだ。個性派のジャック・ブラックはハルにドンピシャのハマリ役。そしてグゥイネス・パルトロウが、ハルの目に映るセクシーなローズマリーと真の姿のローズマリーを熱演。ファットスーツで136キロになったグゥイネスは必見だ。(斎藤 香)

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PROMISE <無極>

PROMISE <無極> 幼いころ、貧しさから抜け出せるのなら、真実の愛を放棄すると神に約束した少女と神から俊足を与えられた奴隷の青年がいた。そして無敗の将軍は、一筋の涙でおのれは破滅すると神に告げられる。その3人が出会ったとき、神との約束を揺るがす力が動きだした…。 『さらば我が愛/覇王別姫』のチェン・カイコー監督によるオリエンタルアクション。真田広之(日本)、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー(香港)、チャン・ドンゴン(韓国)などアジアのスターを結集させて、壮大な映像とドラマティックなストーリーで練り上げたゴージャスな大作だ。泥臭いアクションとロマンティックなシーン、対極にあるシーンがお互いをうまく引き立てている。役者たちも熱演だが、中国の伝説をスクリーンというキャンパスに力強く描ききった監督の力業が圧巻。有無をも言わさぬ迫力に満ちた作品だ。(斎藤 香)

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ミステリー・メン

ミステリー・メン スーパーヒーローの世界にも階級制度があったらビックリ? スーパーマンやバットマン、スパイダーマンといった大物がひしめくなか、脇を固めているのはどんな連中? スターにもなれず、世界の裏方だけを務めているヤツらって?
『ミステリー・メン』の原作は、ダークホース・コミックスで断続的にヒットを飛ばしてきたシリーズもののヒーロー・コミック。まさに隠れたヒーローがなんとか大注目されようと苦戦し、ひたすら頑張る作品だ。悪党に一矢報いるため、そしてチャンピオン・シティで名を上げるため、ミスター・フューリアス(ベン・スティラー)とショベル・マン(ウィリアム・H・メイシー)、ブルー・ラジャ(ハンク・アザリア)という3人のB級ヒーローは戦いを続ける。だが、3人にとって道は険しい。見かけ倒しのキャプテン・アメイジング(グレッグ・キニアが、とにかくスゴい演技を見せている)は、お寒いアイデアをあれこれとひねり出し、陰陽パワーお墨付きの商品を売りさばいていた。いつも怒り狂ってばかりのミスター・フューリアスにしても、なぜか緑色の服を着ているブルー・ラジャにしても、本人たちに言わせれば「すべてタイミングの問題」だった。しかしキャプテン・アメイジングが大悪人カサノヴァ・フランケンシュタイン(ジェフリー・ラッシュ)にさらわれてしまい、とうとうB級ヒーローが大ブレイク。いまこそ、寄せ集めの英雄たちがチャンピオン・シティを救うときだ。
驚くほど芸達者にコメディーを演じる俳優陣と、微に入り細にわたるおバカっぷりも功を奏し、『ミステリー・メン』はクライマックスへ向けてじたばた、あたふたとヨロメキながら進んでいく。ところどころに気の利いたパロディが光る一方、ひどく稚拙なところもあって、本作品は文字通り、王道から外れて分岐点に座り込んでしまったような映画だ。それでもなお、痛烈にスカした勘違い野郎ミスター・フューリアスと、新入り正義の味方“ボーラー”(ジャニーン・ガロファロー)が冴えており、どのシーンも抱腹絶倒の嵐。ボーラーの秘密兵器は、死んだ父親の頭を入れたボーリングの球というのだから……。ふたりのやりとりに、凶暴でおかしな化学者や、そっけなくもイイ壊れ加減のショベル・マン、愛嬌たっぷりのブルー・ラジャ(この役でハンク・アザリアは、ついにコメディアンとしての才能を発揮する機会を得た)が加わり、滅茶苦茶にトボけた暴走が始まる(ただしガソリンは半分しか入っていないのだが)! とてつもなく豪華なキャストは最高級車に匹敵する。このほか、マヌケな正義の味方には、武器設計者(トム・ウェイツ)や、お約束のかわい子ちゃんウェイトレス(クレア・フォラーニ)、世界最強のおならが武器のスーパーヒーロー“スプリーン”(ポール・ルーベンス)も加わっている。(Mark Englehart, Amazon.com)

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マイティジャック Vol.1

マイティジャック Vol.1 「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を世に放った円谷プロが昭和43年、新たなジャンルに挑戦すべく製作した、SF特撮アクションTVシリーズ。
当時の円谷プロのスタッフが、いかにこのシリーズに賭けていたか。特撮ものとしては初めての1時間枠での放映。二谷英明ら映画俳優をレギュラー・キャストとして起用。そして当時破格とも言える1000万円の製作費。成田亨デザインによる巨大戦艦MJ号をはじめとするメカニック類の精巧なミニチュアやセット。円谷プロ作品の屋台骨を支えてきた金城哲夫、関沢新一、若規文三といった脚本家陣、円谷英二監修のもと特撮を担当した大木淳、佐川和夫ら精鋭たちの参加等々…。残念ながらそうした意気込みにも関わらず、「マイティジャック」は第14話からは30分枠の「戦え!マイティジャック」と路線変更を余儀なくされるのだが、そのクォリティの高い映像、富田勲による勇壮な音楽、大人の鑑賞にも堪える作品郡は高く評価され、21世紀となった現代においても熱烈なファンが存在し、著名監督の中にも「マイティジャック」のリメイクを熱望する声が少なくない。
万能戦艦マイティ号が冨田勲の音楽に乗ってドックから出撃する、タイトルバックにおけるその勇姿に、特撮少年たちは驚嘆と感涙を禁じ得なかった。怪獣、巨大ヒーロー、怪奇現象などに続いて、メカ特撮の映像表現の可能性を追求した円谷プロのチャレンジングな姿勢は、現在も引き継がれている。(斉藤守彦)

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ドラゴンドライブ(4)

ドラゴンドライブ(4) 「月刊少年ジャンプ」に連載された佐倉ケンイチによる漫画作品を原作に、2002年より放送開始のSFバトルアクションアニメーション。
何をやっても長続きしない中途半端な中学生、大空レイジ。彼はある日幼なじみの雪野麻衣子に連れられて、駄菓子屋「竜宮城」へとやってくる。そこで出会ったヴァーチャルリアリティゲーム「ドラゴンドライブ」。自分のパートナーとして与えられたキャラクター「チビドラゴン」との出会いがレイジを変えていく。
ゲームを通して前向きになっていく少年のドラマかと思いきや、途中から地球の運命ともうひとつの地球「裏球」の運命をも背負わされる異世界ファンタジーに変貌、謎めいた物語天界とゲームバトルの連続で、観るものを飽きさせない。(田中 元)

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エマニエル夫人《無修正版》

エマニエル夫人《無修正版》 1974年に日本公開され、ポルノ映画でありながら多くの女性客を集めて社会現象となったフランス映画。ピエール・バシュレの囁くような主題歌、籐の椅子に座った全裸のシルヴィア・クリステルのポスターは、あまりに有名。
20歳の若妻エマニエルは、夫の赴任先であるタイで様々な性体験に身を委ねる。性の哲学者とも言うべきマリオ老人と出会ったエマニエルは、さらなるアバンチュールを重ね、やがて成熟した大人の女性へと変貌していく…。
冒頭とラスト、エマニエルは鏡台に向かって化粧をする。冒頭のそれは、まだ幼い、少年のようなエマニエルの無邪気な表情を捉えているのに対し、ラストでのエマニエルはあたかも娼婦のような出で立ちで、濃い目のルージュを唇にひく。ひとりの女性の精神的旅立ちを描いたこのシーンから放出される、毅然とした迫力に、男はただただ圧倒されるしかないのだろうか。(斉藤守彦)

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みごろ ! たべごろ ! 笑いごろ !! たべごろ ! BOX (初回限定版)

みごろ ! たべごろ ! 笑いごろ !! たべごろ ! BOX (初回限定版) 1976年から放映され、最近ではパチンコにもなった伝説的ヴァラエティ番組をDVD化。伊東四郎と小松政男の名コンビにキャンディーズが加わって繰り広げる「悪ガキ一家と鬼かあちゃん」はナンセンス・ギャグの至高ともいえるもので、そのおもしろさは今観ても変わらず。ここから小松の名曲(?)「しらけ鳥音頭」が生まれた。子どもたちに人気だったのはデンセンマン音頭。また若き日の西田敏行のコメディアンぶりを堪能できる「敏行の昔(ふるい)はなし」は個人的にオススメ。総体的に当時人気だったドリフターズの『8時だヨ全員集合!』的な笑いとは一線を画し、学校などで子供たちが『8時』派と『みごろ』派に分かれて議論しあっていたのも、今となってはよき思い出。DVDは画質など難もあるが、あまりのおかしさにそんなこともすぐに気にならなくなるのは必至。本当におもしろいものに時代性は関係ないことを改めて痛感させられる名作である(増當竜也)

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白い犬とワルツを

白い犬とワルツを 樹木医の“私”(仲代達矢)は、ある日突然妻(藤村志保)を亡くし、悲しみにくれていたところに、突然白い犬がまるで彼を心配しているかのように現れる。白い犬を妻の化身だと信じる彼は、かつての妻との約束を果たすため、ある冒険を試みる…。
日本出版界の事件とも称されたテリー・ケイの同名ベストセラー小説を翻案映画化。原作とは異なり、犬を妻の化身と断定せず、もしかして主人公の思い込みだけではないかとも観る者に思わせるのがいい。在日韓国人問題を忍ばせているあたりも、脚本・森崎東の個性ならではだろう。監督にはこれがデビューの月野木隆があたっているが、着実な演出ぶりに好感が持てる。名優・仲代の飄々とした演技も味わい深い。(的田也寸志)

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白夜 DVD-BOX

白夜 DVD-BOX 1998年放送の韓国ドラマ。全20話を完全収録している。1968年、青瓦台襲撃事件で父を失ったギョンビン(イ・ビョンホン)とテッヒョン(チェ・ミンス)。長じてギョンビンは韓国中央情報局(KCIA)の秘密情報部員に、テッヒョンは北朝鮮情報局の特殊工作員となり、因縁の対決を繰り広げていくこととなる。歴史に翻弄される彼ら二人のスパイ戦を中心に、韓国と北朝鮮の現代史が語られる、テレビドラマとしては破格のスケールを持った骨太な作品。実際の当時の映像も随所に挟み込まれ、全編に渡って緊迫感が持続するため、体力に自信があるのあるときの鑑賞をオススメ。韓国ドラマ好きを自認する人なら、韓国という国の背景を学ぶためにも必見の作品といっていいだろう。(田中 元)

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Frasier: Complete Fourth Season (4pc) (Full Dig)

Frasier: Complete Fourth Season (4pc) (Full Dig) 「フレイジャー」第4シーズンはほとんどが恋愛にまつわるエピソードである。ナイルズ(デビッド・ハイド・ピアース)は妻マリスと別居中なので、独身の兄フレイジャー(ケルシー・グラマー)と同じく、フリーの身。だから兄弟が魅力的な女性2人組(リサ・ダールと、のちに「ふたりは友達? ウィル&グレイス」のレギュラーとなるメーガン・ムラリー)と山小屋に行くのは結構なことだが、ナイルズはうっとうしい妻やダフネ(ジェーン・リーブス)への愛着を完全には捨て去れない。ダフネへの熱い思いは初回で突然爆発する。ダフネの夫のふりをしなければならなくなったナイルズの思いは、ダフネが泊めてほしいとアパートにやってきたとき頂点に達するのだ。兄弟はいつも元警官の父親(ジョン・マホーニー)と言い争っていて、彼の新しいガールフレンドのこともバカにしている。彼女の名はシェリー(マーシャ・メイスン)。にぎやかで、バンジョーをかき鳴らして派手に演奏しまくるバーデンダーのシェリーは第4シリーズの最後までレギュラーとして登場することになる。フレイジャーの元の妻リリス(べべ・ニューワース)の登場はこれまでのシリーズでも恒例になっているが、本シリーズではフレイジャーと協力して息子のフレデリックを名門プレップスクールに入学させようとするエピソードで登場する。そしてタイトルのフレイジャーはどうなるのか? ラジオ番組のプロデューサー、ロズ(ペリ・ギルピン)のデートをからかっているフレイジャーだが、彼自身はさびしい独り身で、ゲストのリンダ・ハミルトンと空港で忘れられない出会いを果たす。第4シリーズの最終回になることを暗示させる筋書きである。本シリーズで4度連続してエミー賞コメディ部門の作品賞を受賞した。以前のシーズンとは異なり、今回のDVDセットには特典映像はついていない。(David Horiuchi, Amazon.com)

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夏の香り DVD-BOX 1

夏の香り DVD-BOX 1 『冬のソナタ』のユン・ソクホ監督による、「四季シリーズ」第3弾。脚本にはキム・ウニとユン・ウンギョン、サウンド・プロデューサーにRyuなど、「冬ソナ」でおなじみのスタッフも起用している。主演は『秋の童話』のソン・スンホン、映画『ラブストーリー』のソン・イェジンという美男美女コンビ。
今作のテーマは「運命的な愛」。何かに導かれるように偶然出会って心を通わせた2人の男女、ミヌとヘウォン。やがて仕事で再会することになるが、ヘウォンには長年の恋人チョンジェがおり、その妹でヘウォンの親友チョンアはミヌに想いを寄せていた。ミヌとヘウォンの秘めた想いは高まっていくが、ヘウォンがかつて受けた心臓移植に端を発する意外な因縁が、2人の関係に影を落とす…。
起伏あるストーリーと、情感たっぷりの映像のバランスの絶妙ぶりはさすがユン監督。2人の恋の行方に目が離せなくなること請け合いだ。茶畑の小径での再会、夜のグラウンドでの密会など、筆舌に尽くしがたい美しさをたたえたシーンがいくつも印象に残る。(安川正吾)

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実写映画 テニスの王子様 プレミアム・エディション

実写映画 テニスの王子様 プレミアム・エディション テニスの名門校・青春学園中等部に編入してきた天才テニス少年・越前リョーマ(本郷奏多)。そのクールな態度は実力とユニークな個性を併せ持つテニス部の面々の反感を買うが、圧倒的プレイで補欠レギュラー入りするが、その後手塚と対戦して負けてしまう。やがて青学は関東大会で宿敵・氷帝学園と対戦するが…!
アニメ化もなされた大ヒットコミックを原作に、テニスを通して少年たちの成長を描く青春スポ根映画。テニス・シーンはデジタル・フロンティア社によるVFXで表現されているが、原作のテイストを実写に置き換えると『少林サッカー』のごとき荒唐無稽なおもしろさが醸し出されることがよくわかる。また試合そのものから、少年たちの熱血が気持ちよく伝わるのがいい。個人の闘いであるテニスが実はチーム・プレイであることも理解できる。ただし、そもそも原作からしてそうなのだが、主人公以外は誰も中学生に見えない!? 監督は『Jam Films S』で「すべり台」を担当したアベユーイチ。(増當竜也)

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フィツカラルド

フィツカラルド 19世紀末のペルー。カルーソのオペラを聞きたいがばかりに、アマゾン川の上流にオペラハウスを建設しようとするフィツカラルド。彼の指示のもと、巨大な白い蒸気船が川を上り、山を越えようとする。
ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督の代表作『フィツカラルド』という映画を一言で言ってしまえば、妄想に取り憑かれたオペラ好きの自称実業家が、巨大な船で山を越える映画である。クラウス・キンスキー演じる妄想一代男フィツカラルドの姿は、現実に船が山を越えるシーンを撮影するため、デジタル技術もCGもなかった時代に、重量320トンの本当の船で実際に山を越えたヘルツォークの姿とオーバーラップする。
本作品は、その視覚的スペクタクル性、大作感において、まさしく壮大希有という言葉がふさわしい。この監督にしてこのキャラ有。なお娼館を切り盛りし、フィツカラルドを支える女性にベテランのクラウディア・カルディナーレが扮している。(斉藤守彦)

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Airwolf: Season One (2pc) (Full Sub Dol)

Airwolf: Season One (2pc) (Full Sub Dol) 極秘機関が登場するクールなスパイ・ドラマ、たとえば『24』や『エイリアス』には、ひとつだけ欠けているものがある。それは、“核弾頭シュライク・ミサイル”を搭載した超重装甲のヘリコプターだ。本作『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』では、ザ・ファームと呼ばれるナゾの国家安全保障機関が“マッハ1以上のスピードで飛べる有用なヘリコプター”を開発するが、設計者である邪悪な科学者(映画『欲望』、『バーバレラ』のデヴィッド・へミングス)に盗まれてしまう。困り果てたザ・ファームは、ストリングフェロー・ホーク(ジャン・マイケル・ヴィンセント)に協力を要請。ホークは、情に厚く、芸術を愛し、チェロをたしなみ、ワシを観察し、罪の意識を背負った敏腕パイロットだ。ベトナム戦争で行方不明になった兄を捜してくれるなら協力してもいい、と答えるホーク。彼は当然のように任務に成功するが、ザ・ファームが約束を果たすまで、問題の戦闘ヘリ“エアーウルフ”を預かることにする。ただし、政府によるエアーウルフ奪還計画の情報と引き換えに、今後も秘密任務を引き受けることを承諾するのだった。
この実に念入りな設定は、今見ても古臭さを感じさせない。戦闘シーンでは編集のまずさが気になるが、脚本は――ロバート・ラドラムやトム・クランシーによる古典的テクノ・スリラー小説の影響が強すぎるものの――スリル満点で楽しめる。ヴィンセントはビデオ・スルー作品の常連俳優になってしまった感があるが(『Hidden Obsession』、『Indecent Behavior』、『アニマルインスティンクト 不倫願望ジョアンヌ』といったご立派なタイトルの作品に出演)、ここではセクシーで魅力的なパイロットだ。その長い手足と屈強そうな肉体を見たケヴィン・コスナーは、ヴィンセントを運動選手と思い込んだという。彼の相棒が熱血漢アーネスト・ボーグナイン(映画『マーティ』、『ワイルドバンチ』)とくれば、『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』が同路線の『ブルーサンダー』よりも長寿番組となったのは当然だったと言うべきだろう。大部分のエピソードは、外国の組織がエアーウルフを盗んでソ連やリビアに売ろうとするという筋書き。ディテールが緻密なので、無敵の戦闘ヘリという荒唐無稽な設定をすんなりと受け入れることができる。ゲスト・スターとして、シャナン・ドハーティー(『ビバリーヒルズ高校白書』)、デヴィッド・キャラダイン(映画『キル・ビル』)が出演。ヘミングスがレギュラーにならなかったのは残念な限り。彼の演じるサディスティックで好色な裏切り者は、2時間のパイロット版エピソードを見ごたえあるものにしていた。(Bret Fetzer, Amazon.com)

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デュエリスト-決闘者-

デュエリスト-決闘者- 帝政ナポレオン軍に属していたデュベール中尉(キース・キャラダイン)は、ふとしたことからフェロー中尉(ハーヴェイ・カイテル)と決闘する羽目になり、これに勝利するも、その後しつこくフェローにつきまとわれ、決闘を申し込まれ続けていく…。
『エイリアン』『グラディエーター』などの巨匠リドリー・スコット監督の記念すべきデビュー作。騎士道精神が失われていく中、その妄執にとらわれていく男たちの確執と闘いが、類い稀なる映像美に彩られつつ徹底的に描かれている。そこには後の彼の映画に共通する要素が多分に盛り込まれており、その意味でもリドリー映画のファンのみならず、必ず一度は観ておくべき秀作といえよう。主演ふたりの気品高き怪演も素晴らしい。カンヌ国際映画祭では新人監督賞を受賞。(的田也寸志)

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寵愛

寵愛 ヌードモデルをしているという女と、浜辺の家で一緒に暮らしている男。しかし彼女は、時折携帯電話が鳴るとすぐにどこかへ消えてしまい、しばらくするとまたフラリと舞い戻ってくる。ほかに男がいることがわかっていながら、彼は彼女への想いを捨て切ることができないでいたが…。
まるでヨーロッパ映画を観るかのような繊細で透明感あふれる映像美で、謎めいた女への愛と嫉妬の炎を燃やす男の愛憎を描いたラブ・ストーリー。ハードなエロティック・シーンも満載だが、そのすべてが白日夢のごとき浮遊感覚の趣であり、下世話ないやらしさは皆無。また、女の素性を明らかにしないことで男の狂える想いがよりリアルなものになっていくあたりの描写も上手い。静謐な美しさに満ちあふれた秀作である。(的田也寸志)

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マイ・ビッグ・ファット・ウェディング

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング ギリシャ系アメリカ人のトゥーラ(ニア・ヴァルダロス)は、ギリシャの習わしにかたくなに従う両親や親族らに囲まれ、婚期を逃していたが、ようやく理想の相手イアン(ジョン・コーベット)をゲット。しかし、このカップルを待ち受けていたものは、ギリシャ人特有のビッグ・ファット(=大仰)な結婚式であった…!?
自身の経験を基にしたニア・ヴァルダロスのひとり芝居を映画化した異文化ラブ・コメディの快作。当人たちにとっては当たり前、しかし他者から見るとちょっとヘンなしきたりの数々を見下すのではなく、慈愛をもってユーモラスに描いているところが良い。ただ、ギリシャ人と結婚すると酒量も出費も増えそうではある。全米大ヒットにより、本作の後日譚を描いたTVシリーズも作られている。(的田也寸志)

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妹の恋人

妹の恋人 神経を病み、自分の殻に閉じこもったままのジューンの前に現れたのは、バスター・キートンに憧れる不思議な青年サム。兄のベニー以外とはうまくコミュニケーションとれなかった彼女が、このユニークな青年には心を開いていく…。
はたから見れば風変わりなカップルだが、運命のようにひかれあるふたりのウブな恋がじつにキュート。ちょっと変わった白馬の王子様を演じたジョニー・デップがハマリ役で、キートン風のファッションに加え、彼女をジッと見つめるときの潤んだ瞳が魅力的! ナイーブなヒロインを演じたメアリー・スチュワート・マスターソンも好演。兄のベニーを演じるのはアイダン・クイン、ほかジュリアン・ムーア、オリバー・プラットなど脇を演技派がしめている。(斎藤 香)

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オズの魔法使い

オズの魔法使い 愛犬トトと一緒に竜巻に巻き上げられ、魔法の国へと迷い込んでしまった少女ドロシーが、「脳みそのないかかし」「ハートのないブリキのきこり」「勇気のないライオン」らとともに繰り広げる冒険の旅。アカデミー賞作曲・主題歌賞&特別賞を受賞の、映画史上に残るミュージカル・ファンタジー。
現実をモノクロ、魔法の国を総天然色とも呼ぶべき、けんらんたるカラーで描き分けたビクター・フレミング監督の手腕が光るが、それ以上にドロシーを演じたジュディ・ガーランドの愛らしさが、いつまでも心に残る。もはや名曲としか呼びようのない「オーヴァー・ザ・レインボウ」のすばらしさ! その後、オール黒人キャストによる『ウィズ』が製作されたり、『ツイスター』『フェイス/オフ』などでもオマージュが捧げられるなど、いつの世も輝きを失わない名作中の名作。(的田也寸志)

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ピノキオ

ピノキオ ディズニー映画の傑作。1940年の公開からずっと、その輝きが色あせることはない。ストーリーに流れるテーマは、人間の最も基本的な感情を呼び起こす。コッローディの原作を元にした『ピノキオ』は、人間の男の子になることを夢見る、木で出来た人形の物語。この物語の持つ神秘的で、少し怖いようなドキドキする魅力は、長い歴史を持つディズニー映画といえども、ほかの映画にはなかなか見つからないかのスティーヴン・スピルバーグ監督が『未知との遭遇』の中で何度もこの物語を引用していることからも分かるようにm、子ども時代にこの映画から得た印象は、大人になってもずっと残るものなのだろう。そして、何と言っても主題歌「星に願いを」の美しさに心打たれることは間違いない。(Tom Keogh, Amazon.com)

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嘆きの天使(トールケース)

嘆きの天使(トールケース) ハンブルクの高校教師ラート(エミール・ヤニングス)は、ふとしたことからキャバレーの踊り子ローラ(マレーネ・ディートリッヒ)と知り合い、やがてその美貌の虜となり、ついに教職を捨てて彼女と結婚するのだが…。
名匠ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督が戦前ドイツに招かれて撮ったヒロイン映画の名作で、原作はトーマス・マンの兄ハインリッヒ・マンの『ウィンラート教授』。世間知らずの青年が女の魔性ゆえに理性を失ってゆくさまが実に冷徹につづられているが、それにはやはり名女優ディートリッヒの魅力に負うところが大きい。そして彼女の歌う「Fall in LoveAgain」のすばらしさ! この後スタンバーグ監督はディートリッヒを連れてハリウッドへ戻り、数々のコンビ作を世に送り出すことになる。(的田也寸志)

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未来少年コナン 3

未来少年コナン 3 アレグサンダー・ケイの小説『残された人々』をベースに1978年にNHKで放送された、宮崎駿が初の演出を手がけたアニメーション。人類が滅亡の危機を乗り越え20年。少年コナンが太陽エネルギーのカギを握る少女ラナと出会い、彼女をねらうインダストリアを敵に回して活躍するSF冒険活劇の傑作。

第3巻では第7話「追跡」から第10話「ラオ博士」までの4話を収録。インダストリアをバラクーダ号で逃げ出したダイス船長一行とラナとジムシー。彼らを追うモンスリーの飛行艇に隠れてコナンも脱出。ダイス、ジムシーらは捕まるがコナンとラナは逃げのび、ついにラナの祖父で太陽エネルギーの権威・ラオ博士と出会う。次々と現れる見せ場に圧倒されるが、中でも第8話「逃亡」の海中での人工呼吸はアニメ史上に残る屈指のキスシーン。(田中 元)

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魔法戦隊マジレンジャー VS デカレンジャー

魔法戦隊マジレンジャー VS デカレンジャー マジレンジャーこと小津家の兄弟たちは10年に1度の記念日を祝おうとしたところ、そこに事件発生。小津兄弟はデカレンジャーの面々と協力して敵の殲滅にあたるも失敗。マジブルーは誘拐され、それを追ったデカイエローも姿を消してしまう…。
オリジナルビデオのスーパー戦隊VSシリーズ第12作。これと毎年夏の劇場版が、同シリーズのビッグ・イヴェントとしてファンにはたまらない贈り物となって久しいが、毎回新旧2戦隊の競演によるバトルは、ヒーローの数が2倍になる分楽しさも迫力も数倍となる。また今回は女性陣のコスプレ入れ替えサービス・シーンや、対する男性陣の女装サービスもあったりと、実に盛り沢山の内容になっており、終わってしまうのが惜しいほどにおもしろい。それにしても善悪の区別が曖昧になり、妙にこねくりまわした特撮、アニメ作品が増殖している昨今、明確にヒーローの恰好良さを打ち出す同シリーズは実に貴重な存在である。(増當竜也)

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いこか・もどろか

いこか・もどろか 暴力団の金を使いこんで脅迫された証券マン翔平(明石屋さんま)は、某企業の隠し金のカバンを奪うが、会社の金を使い込んだOL小夜子(大竹しのぶ)に横取りされ、それが縁でふたりの奇妙な珍道中が始まった!?
当時人気を集めたTVドラマ『男女7人夏物語』の監督(生野慈朗)&脚本(鎌田敏夫)&キャストで贈るラブ・コメディの快作。いわゆるTVからの移行的作品とは一線を画し、コミカルな駆け引きと叙情とが巧みにミックスされ、まさにジェットコースター・ムービー(公開時の宣伝文句)としてドラマが勢いよく転がり落ちていく。なお、主演ふたりは本作公開直後に結婚したものの、後に離婚した。(的田也寸志)

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パンダコパンダ&パンダコパンダ雨ふりサーカス

パンダコパンダ&パンダコパンダ雨ふりサーカス パンダブームにわく1972年に公開された「パンダコンダ」シリーズは、宮崎駿(脚本)と高畑勲(演出)という「黄金コンビ」が手がけた劇場用短編アニメ。
おばあちゃんと2人暮しのミミちゃんだったが、おばあちゃんが遠くに出かけることになり、ミミちゃんはひとりお留守番。そこに言葉を話すパンダの親子がやってくる。ずっとパパと弟がほしかったミミちゃんはこの予期せぬ客に大喜び。家族として暮らし始めるのだが、動物園の人が探しに来たことから大騒動に…というのが、第1作『パンダコパンダ』。
第2作『雨ふりサーカス』は、第1作で大団円を迎えて一緒に暮らすことになったミミちゃんとパンダ親子の家に、サーカスから逃げ出してきたトラちゃんが闖入(ちんにゅう)することから幕を開ける冒険談といった趣き。
アニメ映画黎明期らしいのんびりとしたストーリー運びながら、見せ場はきっちり作られており、その後の宮崎・高畑の作品に通じる完成度の高さを垣間見ることができる佳作。なかでも第1作には、『となりのトトロ』などの原点といえるようなシーンが点在している。もちろんそんなことを考えなくても、ミミちゃんの元気のよさとパンダ親子のかわいい仕草に目がくぎづけの楽しい作品だ。(安川正吾)

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キリング・ミー・ソフトリー

キリング・ミー・ソフトリー ロンドンに住むアメリカ人女性アリス(ヘザー・グラハム)は、出勤の途中で不思議な男アダム(ジョセフ・ファインズ)と出会い、その日のうちにして激しく愛し合う。やがてふたりは愛欲に溺れた果てに結婚へと行き着くが、そのとき「アダムはレイプ魔である」との手紙が届く…。
中国映画界の巨匠チェン・カイコー監督がハリウッドに進出して撮り上げたエロティック・サスペンス大作。「自国製作作品では表現できない性描写を描きたかった」とはカイコー監督の弁だが、それゆえに従来の彼の作品に顕著だった内面的情念の発露は薄く、スカーフなどのアイテムを巧みに用いたスタイリッシュなラブ・シーンそのものの方が印象に残る作品になっている。オール・ヌードで大胆SEXシーンの数々に挑むH・グラハムの美しさたるや! もちろんファンは必見。(的田也寸志)

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ビートキッズ

ビートキッズ 大阪の現役高校生バンドとして人気を得たHUNGRY DAYSの面々を主演に据えた音楽青春映画で、監督は俳優でもある塩屋俊。岸和田で生まれ育った高校生のエージ(守口貴大)はリズム感を見込まれて強制的にブラスバンド部に入部させられ、そこで天才音楽少女ナナオ(相武紗季)と出会う。やがて彼女の応援でエージはロックバンド“ビートキッズ”を結成するが…。
前半はボーイッシュなヒロイン相武紗季の存在感が抜群で、特にドラムマーチング・コンテストのシーンなど大いに盛り上がる。しかし彼女が不在となる後半はまったく別の映画を観ているかのような違和感があり、どこかチグハグとした印象を受けてしまうのが難点。若い出演者たちをはじめ脇に回った豊川悦司などベテラン勢もそれぞれ好演しているだけに、構成の欠点が惜しまれるところだ。(増當竜也)

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ああ結婚

ああ結婚 ナポリのスラム街で生まれ育ち、戦時中は娼婦をしていたフィルメーナ(ソフィア・ローレン)はドメニコ(マルチェロ・マストロヤンニ)と知り合い、やがて内縁の関係に。しかしドメニコはどうしても結婚だけは承知しようとしなかった。やがて20年の歳月が経ち、フィルメーナが急病で入院したと知らされたドメニコは…。
『昨日・今日・明日』『ひまわり』など名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督とS・ローレン、M・マストロヤンニの名物トリオでお届けする快作コメディ。3者の息の合った演出と笑いの数々は、まさに名人芸といっても過言ではないほどで、またそこに大らかな女性讃歌がうかがえるあたりはさすがイタリア映画、さすがデ・シーカ映画である。アルマンド・トラヴァヨーリの音楽も抜群にしゃれている。劇場公開時のタイトルは『あゝ結婚』。(増當竜也)

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アリーmy Love 4thシーズン DVD-BOX

アリーmy Love 4thシーズン DVD-BOX 1997年にアメリカで放送開始され、日本でもNHKでの放送やビデオリリースで人気となったTVドラマシリーズの第4シーズンを収録したDVD-BOXセット。
かつての恋人が同僚として働く法律事務所に勤める若手女性弁護士アリーの活躍を描くラブコメディー。いろんな男に目移りしながらも彼のことが忘れられなかったアリーだったが、その元恋人ビリーが急逝。おかげで気持ちの整理がついたのか、前シーズン最終話ではようやくブライアンと落ちつくかのように思えた。が、一筋縄ではいかないのがこの作品の魅力である。新シーズンではいきなりブライアンとの関係が暗礁に乗り上げ、かわって新たな男、ラリーが浮上し、彼との関係を軸に物語が展開していく。(田中 元)

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パコダテ人 ~スペシャル・エディション~

パコダテ人 ~スペシャル・エディション~ 函館に住む少女ひかる(宮崎あおい)のお尻に、ある朝突然シッポが生えていた。はじめ悩んでいた彼女だが、地元の記者(萩原聖人)にシッポ姿のスクープ写真を撮られたことから、シッポをつけて歩く“パコダテ人”が函館中で大流行してしまうのだが…。
『SWING MAN』の前田哲監督が、同作で印象的な存在感を披露した宮崎あおいを主演に描く青春ファンタスティック・コメディー映画。ドラマの後半、シッポ人間を差別・隔離しようとする体制や民衆側の描写で若干テイストが陰鬱に変わるあたりは残念だが、全体的にはポップで可愛らしい作りを信条としており、『EUREKA』『害虫』とは一転した宮崎あおいの明るい個性を醸しだすアイドル映画として、気持ちよく成立している。函館の町並みを魅力的に捉えた浜田毅のカメラも秀逸。(的田也寸志)

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バリでの出来事 DVD-BOX

バリでの出来事 DVD-BOX 財閥の御曹司として何不自由なく生きるジェミンには、ヨンジュという婚約者がいるが、ヨンジュは初恋の人イヌクを未だ忘れられない。ジャカルタで暮らすイヌクを訪ねたヨンジュだが、ジェミンも付いてきて、3人でバリ島を旅することに。そこで現地ガイドとして出会ったスジョンが、ジェミンの運命を大きく狂わせていく……。ドラマの題名や、バリの美しい風景をバックに美男美女が集うスチールを見れば、南国を舞台にしたお気楽な恋愛モノかとも思うがさにあらず。互いへの愛と嫉妬、希望と猜疑心が複雑に絡み合う、見応えある人間ドラマだ。
自己中心的で傲慢なジェミンは全く感情移入のできないキャラクター。だが、そのジェミンがスジョンへの想いに身を焦がして自分を破滅へと導いていく様は、ある種のカタルシスを感じさせ、その愛の行く末を確かめたくなる。そんな男の荒々しさと弱さをキュートに演じきったチョ・インソンの存在感が白眉。スジョンを演じたハ・ジウォンの、等身大なファム・ファタールぶりも印象に残る。(安川正吾)

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続・少林寺三十六房

続・少林寺三十六房 本国、アジアはもちろん、ヨーロッパでも大人気を得た前作から3年後、同じスタッフ、主演で製作された続編。これまで劇場公開もソフト化もされなかった幻の作品がついに登場。
悪徳染物工場の雇い主の暴力と搾取に悩む職人たちを助けるはめになったものの、こてんぱんにやられた自称・托鉢僧の周仁傑(リュー・チャーフィー)。強くなりたい一心で少林寺にもぐりこむが、すんなり修行を受けられるわけもなく、竹棚作りを命じられるうちに独自の拳法を編み出していく―。
続編の宿命として(?)三十六房での修行シーンがさらに奇抜な方向にエスカレート。前作ではストイックだった主人公もコミカルなキャラクターに変身! 香港の街の工事中のビルでよくみかける竹でできた建築用足場が重要な大道具として登場するあたりに、大監督ラウ・カーリョンの斬新さが際立つ。女性クンフー・スターのベティ・ワイ(現クララ・ワイ)も工場で働く娘役で出演。(望月美寿)

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約三十の嘘 特別版

約三十の嘘 特別版 大阪駅構内に集まった詐欺師5人が、寝台特急に乗り込んだ。京都駅からはボインという愛称の今井も合流。綿密な打合せ後、彼らの「仕事」は成功をおさめたが、帰りの列車の中で、大金の入ったスーツケースが紛失してしまった・・。
詐欺師の物語だけど、いわゆる騙しのコンゲーム映画だと思ってみると、これがちょっと違う。なくなったスーツケースという問題を抱えながらも、浮き上がってくるのは、6人の人間関係・・というか恋愛関係。そこにあるのは、人を好きになる気持ちと、その人を助けたいという思い。解かれていくのは紛失したスーツケースの行方ではなく、恋愛関係の謎なのです。列車の中だけで話が進行していく密室劇ながら、椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、八嶋智人、田辺誠一などの役者たちがしっかりキャラを立たせた好演。そのおかげで最後までぐいぐいと引き込まれること必至。「とらばいゆ」の大谷健太郎が演出。スタイリッシュな列車内など、色調や映像もシャープでヴィジュアルも見ごたえある、洒落た群像劇だ。(斎藤香)

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少林寺三十六房

少林寺三十六房 クエンティン・タランティーノが「クンフー映画史上3本に入る偉大な作品」と熱愛する傑作活劇。1982年の日本劇場公開以来、一度もビデオ化されなかったファン待望の逸品。
清の時代、悪の将軍(『キングボクサー大逆転』)の手下に、家族と仲間を殺された劉裕徳は命からがら嵩山少林寺にたどりつく。復しゅうを誓う彼は三十五の修行房での厳しい修行に耐えぬき、下山するが…。
17世紀に実在した英雄、僧名・三徳の若き日を、クンフー映画界の人間国宝、ラウ・カーリョン監督が映画化。主演のリュー・チャーフィーは監督の義理の弟であり、本作で人気沸騰。2003年にはタランティーノの熱望を受け、ゴードン・リューの名で『キル・ビル』にも出演した。みどころは、なんといっても神秘的かつ奇想天外な修行シーンの数々。水上の丸太を渡ったり、しなる竹の先につけた鉄の塊で鐘を叩いたり。体育会系バラエティ番組における障害物レースの元祖ともいえる。(望月美寿)

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マペットのクリスマス・キャロル

マペットのクリスマス・キャロル マペットの生みの親、故ジム・ヘンソンの息子ブライアンによる監督作品『マペットのクリスマス・キャロル』は、チャールズ・ディケンズの小説にもとづく映画である。ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』は時代を越えて最も知られたクリスマス・ストーリーで、映画化の回数もことのほか多い。この作品でケチな老人スクルージを演じるのはマイケル・ケインだ。長年スクルージに悩まされながらも常に希望を捨てずにいる使用人ボブ・クラチット役は、カエルのカーミットが担当する。クラチット夫人に扮するのはブタのミス・ピギー。そのほか主要な役どころもマペットが演じており(ゴンゾが原作者ディケンズとして登場するなど、意外な配役もある)、かの陰気な原作が明るく賑やかな映画に仕上がっている。というより、とりあえず冒頭のシーンだけは明るい。はちゃめちゃなユーモアはすぐに、楽しい思い出として去っていく。そして物悲しい雰囲気のなか、過去・現在・未来のクリスマスの精霊が現れ、スクルージを彼自身の孤独で無意味な人生の旅へといざなう。マイケル・ケインのスクルージは素晴らしい。あらためて人生の意味について悟る老人を、実に見事に演じきった。また、本作品のためジム・ヘンソン工房によって特別にデザインされた3人の精霊も秀逸で、勘所をうまく押さえてある。型破りなユーモアと陰のある物語との取り合わせがちぐはぐで、原作の強烈な持ち味が薄まったとはいえ、子どもにも分かりやすく作り変えられており、親子で一緒に楽しめるファミリー向けの秀作となっている。(Sean Axmaker, Amazon.com)

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巴里のアメリカ人

巴里のアメリカ人 MGMで数々のミュージカル映画の名作を作りだした巨匠ヴィンセント・ミネリ監督の作品。51年度のアカデミー作品賞、脚本賞、衣装デザイン賞、音楽賞などに輝いた不朽の名作。ガーシュインの曲がモチーフに使われている。巴里で暮らす売れない画家のアメリカ人ジェリーと、宝石店で働くリズは愛し合っていたが、お互い簡単には一緒になれない秘密があった。主演はジーン・ケリーとレスリー・キャロン。
この映画の魅力は何といってもジーン・ケリーの明るい魅力が画面いっぱいに満ちていることだろう。歌やダンスのすばらしさももちろんのこと、彼を見ているだけで元気がわいてくる。ラストにジーン・ケリーとレスリー・キャロンがルノワールやロートレックの絵の世界に入り込み、踊るダンスシーンの豪華と完璧さは圧巻の一言。(星乃つづり)

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天使にラブソングを2

天使にラブソングを2 かつて殺人事件に巻き込まれたことから修道院と関わりを持ちつつも、今は再びショービス世界に舞い戻っていた歌手のデロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)は、シスターたちの要請によって、不良学生の巣窟でもある高校へと派遣された。やがて彼女は悪がきたちの音楽的才能を認めてコーラス・グループを結成させ、音楽活動を開始する。
前作の好評を受けて製作された、主演ウーピー・ゴールドバーグの魅力全開のパワフルな「歌う尼さん」ソウルフル音楽コメディ映画第2弾。冴え渡るコーラスの響きなど、音楽的素晴らしさが前面に繰り広げられているのも前作同様だが、今回はさらにその音色によって悪がきたちが善導されていくのが、いかにもアメリカ映画らしい明るさに満ちあふれているのがいい。(的田也寸志)

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わが家 スペシャルDVD-BOX

わが家 スペシャルDVD-BOX 2001年放送の韓国ドラマ。頑固者で口うるさいけれど家族思いのパパ(ジュ・ヒョン)とママ(パク・ウォンスク)、優等生の長女ハナ(パク・ソルミ)、落ち着いた長男ウリ(キム・ジェウォン)、パパと衝突しながら音楽活動をしている末っ子のキョレ(イ・ヒョンギュン)、そして家族を暖かく見守るおばあちゃん(サ・ミジャ)。彼ら家族が織り成す悲喜こもごもの出来事を通して、現代社会では失われつつある家族の絆を堂々と描いたファミリードラマ。それぞれが気持ちを素直に表現できないために互いにぶつかりあいながらも、心の奥では家族皆を心配しあっている様子が情緒たっぷりに描かれ胸を打つ。個人主義の時代だからこそ見て欲しい、優しい気持ちになれる作品。(田中 元)

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鉄火場の風

鉄火場の風 日活ムードアクションの1作とは言うものの、ストーリーの基本構造は、どこか東映の任侠映画チックな石原裕次郎主演作。裕次郎扮する主人公は網走刑務所を出所し、自分の無実を証明するために躍起になるが、周囲の人物たちは、皆何かにおびえるように証言を拒み続ける・・。
牛原陽一監督のタッチは、よく言えば人物描写が丁寧。悪く言えば、起伏に乏しいシーンが続いて単調。その虚構性にこそロマンがあったムードアクションだが、華やかさやカッコよさよりもリアリティを求めた結果、前半と後半のバランスがよろしくない、中途半端な印象が残る作品に仕上がってしまった。
裕次郎をとりまく舎弟分にトニー=赤木圭一郎、いかさま賭博師にエースのジョー=宍戸錠と、この後日活アクション映画を背負う若き日のスターたちが顔を出しているあたりはなかなかの見もので、特にデヴュー間もない赤木は後の活躍を予感させる存在感を見せる。(斉藤守彦)

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ミクロキッズ3

ミクロキッズ3 第1作『ミクロキッズ』で子どもたちをミクロ化し、第2作『ジャイアントベイビー』では赤ん坊を巨大化させるなど、人類にとって意義あるはずの発明を次々と生み出しているにもかかわらず、なぜか結果として周囲を大パニックに陥らせてばかりいる天才(!?)科学者サリンスキー博士(リック・モラニス)を主人公とした、ファミリーSFシリーズの代表格たる『ミクロキッズ』シリーズの第3作。
今回は、ついに博士夫妻が友人夫婦まで巻き込んでミクロ化! 当然今回彼らにとって最大の脅威となるのは、もはや巨人にしか見えない彼らの悪がき、いや子どもたちなのであった。さすがに設定が第1作と真逆になっていることで新味には乏しく、またおじさんおばさんたちのミクロ冒険となるとどこか滑稽で野暮ったくもあるものの(小さくなっても、どこか所帯じみているのが妙におかしい)シリーズならではの安定感で気さくに見られるのが強みではある。何よりもサリンスキー博士が今回もおとぼけずっこけ全開なのが、モラニス・ファンにはうれしいところだ。監督はディーン・カンディ。(的田也寸志)

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フォー・ルームス

フォー・ルームス クエンティン・タランティーノほかアメリカの若手監督4人が、ホテルの部屋で起こる奇想天外なできごとを描いた短編オムニバスコメディーである。作品全体の製作総指揮、および第4話の監督、脚本、主演をタランティーノが担当。大物俳優が意外な役で登場しており、いろいろ楽しめる作品だ。
第1話「お客様は魔女」は、女流監督アリソン・アンダースによる作品。『レザボア・ドッグス』のなかで、タランティーノのネタにされたマドンナが出演。第2話「間違えられた男」は、『イン・ザ・スープ』の新星、アレクサンドル・ロックウェルが監督。『フラッシュダンス』のジェニファー・ビールスが出演。第3話「かわいい無法者」は、『デスペラード』のロバート・ロドリゲスが監督。主演のアントニオ・バンデラスは、脚本のおもしろさで出演を決めた。第4話は「ハリウッドから来た男」。
各エピソードは監督のアルファベット順だが、タランティーノがトリを務めている。ブルース・ウィリスも登場し、一世一代の大バクチをハイテンションで描く。(山内拓哉)

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故郷

故郷 瀬戸内海の小島で砕石運搬船の仕事を家族ぐるみで営む夫婦(井川比佐志、倍賞千恵子)がいた。しかし高度経済成長の波が押し寄せて、やがて自営ではやっていけなくなった家族は、ついに島を離れる決心をする……。
名匠・山田洋次監督が『家族』に続いて現代日本と家族の関係性を描いたヒューマン映画の名作。『家族』が旅立ってからの物語なら、こちらは旅立つまでの物語であり、その意味でも対になっている作品といえるだろう。また、高度経済成長のひずみを描いた点でも両作は共通しているが、こちらは瀬戸内海の自然を美しく描き得ることで、工業化社会との対比にもなりえている。加藤登紀子の歌う主題歌も美しくはかない余韻を残してくれている。(増當竜也)

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シュレック

シュレック 森の中に独り棲む怪物シュレック(声/マイク・マイヤーズ)は、おしゃべりロバのドンキー(声/エディ・マーフィ)とともに、ひょんなことからファークアーク卿(声/ジョン・リスゴー)の妻となるべきフィアナ姫(声/キャメロン・ディアス)をドラゴンから救出するための旅に出た。ありとあらゆるおとぎばなしのエッセンスを抽出、パロディ化しながら繰り広げられていく3D・CG長編アニメ映画。
一見アナーキーなユーモアに満ちあふれているが、それでいて意外に教条的かつ道徳的な面も多々あり。その意味では、現代の子どもたちに語り聞かせる新作おとぎばなしとしても機能しており、大人から子どもまで安心して楽しめる作品に仕上がっている。声優たちそれぞれの達者な声芸も聞きどころ。第74回アカデミー賞にて新設された、長編アニメーション映画賞を受賞。(的田也寸志)

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みんなのいえ

みんなのいえ 人気脚本家、三谷幸喜の監督&脚本によるホームコメディ。脚本家の飯島夫妻(田中直樹&八木亜希子)が、新居を建てることになった。ところが和室にこだわる棟梁(田中邦衛)と、モダンな家にしたいインテリアデザイナー(唐沢寿明)は、ことごとく対立。夫妻はオロオロしてしまう…。
三谷の実体験をもとにしたストーリーを、大きく脚色して映画化。ゆえに新居が建つまでの苦労話が、等身大の物語となって、見る者の心に飛び込んでくる。笑いを意識しすぎて暴走しているシーンもあるが、頑固職人や優柔不断な夫など、単純明快なキャラはわかりやすく、誰もが楽しめる作品といえるだろう。役者では、もち味を活かした唐沢と田中が秀逸。(斎藤 香)

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SF SAMURAI FICTION

SF SAMURAI FICTION ミュージック・ビデオ界の奇才、中野裕之の第1回作品はなんと時代劇だ。主役に吹越 満、敵役に布袋寅泰と異色の配役、縦の構図を多用して誇張されたモノクロの映像とテンポのいい殺陣で、これまでにないポップでスピード感あふれるチャンバラ映画となった。特にニヒルな剣豪風祭を演じる布袋は、ミュージシャン布袋とはまったく違う表情を出しており、この作品によって俳優開眼したともいえる。
ストーリーは、藩の宝刀を盗んで逃げた剣豪を、藩士が追うが、人を斬らないことをモットーとする冴えない中年浪人が手助けをするというものだ。時代劇という古い形式も、切り口によっては決して古びていないことを示している快作である。加えて中年浪人の娘役、緒川たまきのはつらつとした演技もいい。(堤 昌司)

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LOVE SONG コレクターズ・エディション

LOVE SONG コレクターズ・エディション 時は1985年の北海道のレコード店。高校生の彰子(仲間由紀恵)は尾崎豊のアルバム『十七歳の地図』を店員の松岡(伊藤英明)から貸してもらうが、それを返す間もなく、松岡は上京していった。そして2年後、高校最後の夏休みを利用して東京へおもむいた彰子は、今では消息の知れない松岡を探すのだが…。

2001年が没後10年にあたる伝説のシンガー尾崎豊をキーワードに、まだ携帯電話もメールも本格的に存在しえなかった80年代の、もどかしくもピュアな恋愛がつづられていく。自主映画界で名を馳せた佐藤信介監督の劇場用メジャー映画第1弾だが、実に透明感あふれる映像美のなかから、若者たちの想いが心地よく観る者の胸に染みとおっていく青春映画の佳作。尾崎の「OH MY LITTLE GIRL」などの名曲も、効果的に使われている。(的田也寸志)

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ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション 今なお日本各地で活躍を続けている高校生刑事・泪(黒川芽以)、舞(堀北真希)、零(夏帆)の姉妹。しかし彼女たちにある日何者かが銭形家に挑戦状を叩きつけてきたおかげで、姉妹は3つの難問をクリアしなければいけない状況に陥っていく。女子高校生がケータイを武器に刑事として活躍する人気TVシリーズの劇場用映画。シリーズ未見の観客には小ネタの数々が理解できず不満も残るだろうが、そもそもがシリーズのファンへのプレゼントといった主旨が強く感じられる作品であり、そうなると怒るのも野暮。ここはひとつ10代の可愛い女の子たちの活躍をただただ純粋に楽しみたい。堀北真希のダンスシーンなど最高に可愛く映えている名シーンも多数であった。ただしシリーズ・ファンにとって唯一の不満は、初代の宮崎あおいが不在なことだろうか。(増當竜也)

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ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟

ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 親子二世代で楽しめる、ウルトラマン・シリーズ40周年記念作品。監督・特技監督はウルトラマン映画ではおまじみの小中和哉。TVシリーズ「ウルトラ マンメビウス」とのリンクも織り込みつつ、スケールの大きな物語を楽しく見せてくれる。
本作のトピックは、ハヤタ、モロボシ・ダン、郷秀樹、北斗星司といった歴代変身前ヒーローの復活と共演であり、宿敵ヤプール&悪の異星人4人組を倒すべく変身する、変わらぬ彼らの勇姿にファンは感涙必至。とはいえストーリーが多重構造になっていて、あたかもビデオゲームをやっているような直線的な展開と、単調な語り口はいただけない。今ひとつ演出上の工夫が欲しかった…などと苦言を呈したくなるものの、スクリーンいっぱいに並んだウルトラ兄弟の姿には、やはり惚れ惚れ。そんな体内の“ウルトラ血中濃 度”の上昇を実感してしまうディープなファンは、ザラブ星人が発する声にも注目、いや注耳。(斉藤守彦)

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モンキーボーン

モンキーボーン ブレンダン・フレイザーは『モンキーボーン』で最高にハンサムなアニメーターを演じている。ステュ(フレイザー)は、抑圧された性的欲求から、モンキーボーンという名のアニメ・キャラクターを生み出した。自作のアニメーションシリーズをケーブルTV局に売ったばかりで、おもちゃをはじめとしたありとあらゆる商品の提案を山のように浴びせられていた。そんな時、恋人のジュリー(ブリジット・フォンダ)と共に車で事故に遭い、ステュは昏睡状態に陥ってしまう。だが、昏睡とは思った以上にとても複雑なものだった。ステュは気づくと、昏睡状態にあるほかの人々と、その人たちの妄想でできた虚構が入り交じった“ダークタウン”にいた。当然のことながら、モンキーボーンもそこにおり、たちまちステュといがみ合い始める。妹がかつてステュと立てた誓いに従って、生命維持装置をはずす準備をしていると知った時、ステュは悪夢の神であるヒプノスと取引をし、死の神、デス(ウーピー・ゴールドバーグが演じているため、あるいは“死の女神”と言うべきか)から復帰パスを盗むのを手伝うことになった。話が分かりにくいかな? だが、そこから先はどんどん凝っていく一方だ。『モンキーボーン』はやや雑然としているが、決して退屈ではなく、時おり驚くほどダイナミックな活気を燃え立たせる。フレイザーは素晴らしく、共演者たちも素晴らしい。ジャンカルロ・エスポジート(『ドゥ・ザ・ライト・シング』)、ローズ・マッゴーワン(『スクリーム』)、デヴィッド・フォーリー(『ブレイン・キャンディ』)、「サタデーナイトライブ」のクリス・カッテンが演じる、首の折れた体操選手は…いや、説明するには少し複雑だ。興奮するようなアイデアとインスピレーションあふれる瞬間がぎっちり詰まった、最高の映像を寄せ集めた作品である。(Bret Fetzer, Amazon.com)

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ホット・ショット

ホット・ショット 『フライング・ハイ』などで知られるコメディ映画の雄ジム・エイブラハムが監督した、ハチャメチャ・パロディ。
下敷きにあるのは、もろ『トップガン』で、20年前に鹿と間違えられてハンターに撃ち殺された(!?)パイロットの息子トッパー(チャーリー・シーン)が、海軍飛行隊に迎え入れられて猛特訓を受けるというストーリーも一応はあるが、それはまったく意味をなすものではなく、ただただ能天気な一発芸コント的脱力ギャグの嵐。腹をたてても仕方がないので、こうなるともはや笑うしかない。
引用されている作品は『ダンス・ウィズ・ウルブス』『ロッキー』『愛と青春の旅だち』など20数作品。どこでどういう風に使われているかは、自身の眼で確かめるべし。(的田也寸志)

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ポストマン・ブルース

ポストマン・ブルース 第1作の『弾丸ランナー』に続いて、俳優出身のサブ監督が放つ第2作。郵便局員の沢木(堤 真一)は、ヤクザとなった友人に「何かドキドキすることないのか?」と言われて、郵便局のルーティーンワークに埋もれる自分に疑問を抱くようになる。
彼は郵便物を抜き取り、自分のアパートでそれを開封するようになる。その中で彼が見つけたのは、不治の病の少女(遠山景織子)の手紙だった。郵便配達員と少女の交流に、彼を追う警察とヤクザ、殺し屋が絡んでの大追走劇が始まる。殺し屋役の大杉 漣がいい味を出している。さわやかなラブストーリーからスパイ映画のパロディ、そして自転車での追跡劇と盛りだくさんのストーリーを勢いでまとめあげている。(堤 昌司)

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モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル

モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル イギリスきってのギャググループ、モンティ・パイソンがTVシリーズ終了後に本格的に映画進出した作品。以前にもTV版傑作選である『アンド・ナウ』があるが、本格的な劇場版は本作が1作目。
その第1作はイギリスの誇りともいえるアーサー王と円卓の騎士の聖杯探求譚を徹頭徹尾からかった大変不謹慎な作品。アーサーも騎士も、その他脇のキャラクターたちもみなバカ丸出し。
それとは裏腹に、美術考証が妙に正しいのもまたおかしい。そして彼らの旅と平行して起こる歴史学者殺人事件とともに劇映画史上、おそらく最もアヴァンギャルドなラストを迎える、他に類をみない傑作だ。
本DVDでは、日本ではながらく幻となっていた日本語吹替版をはじめとする特典が大量に詰め込まれており、マニアやファンならずとも手元に置いておきたい永久保存版だ。(田中 元)

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ゴースト・オブ・マーズ

ゴースト・オブ・マーズ 『ゴースト・オブ・マーズ』は、ジョン・カーペンター監督の最高傑作ではないかもしれない。しかし、長い映画人生を歩むカーペンター監督の、ルーツにこだわった作品だと言える。血しぶき飛ぶ映像、ロックンロールの過激なサウンド、ナターシャ・ヘンストリッジのセックス・アピール…。どこをどう取っても100%カーペンター映画だ。『ゴースト・オブ・マーズ』は、「要塞警察」を彷彿とさせるSFホラー。時は2176年、人類は火星に植民地を築いていた。女性支配の(その理由は明らかにされていない)火星では、中心地クライスに裁判所が置かれている。火星警察のバラード警部補(ヘンストリッジ)は、鉱山の町に収容されている火星一の犯罪者ジェームズ・"デゾレーション"・ウィリアムズ(アイス・キューブ)を護送する任務を負っていた。仲間とともに鉱山の町へ向かったバラードを待っていたものは、先住民族の霊がのり移った人間たち。憑依(ひょうい)されると、人間は好戦的な兵士へと変容する。その姿は、ロック界の異端児マリリン・マンソンや映画『ヘル・レイザー』に登場する魔道士セノバイト軍団のようだ。ストーリーは決してよく練られたものとは言えない。警察と犯罪者が協力し、邪悪な敵と戦うよくある展開。新種の兵器は、最新の特殊効果を使っているとは言えないし、笑ってしまうような会話もある。おそろしい殺りくに巻き込まれる共演者には、パム・グリアー、ジョアンナ・キャシディ、ロバート・キャラダイン、クレア・デュバルなど、そうそうたる顔が並ぶ。シンセ・メタルのカーペンター・サウンドに乗せた無制限ヴァイオレンス。ハイライトはそれほど多くないが、途方もなくカーペンター作品。ファンにはたまらない作品と言えるだろう。(Jeff Shannon, Amazon.com)

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宇宙戦争 エマージェンシーBOX (5000セット限定生産)

宇宙戦争 エマージェンシーBOX (5000セット限定生産) H・G・ウェルズが1898年に発表した小説を、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化。世界各地で異常気象が発生するなか、港湾労働者のレイが住むアメリカ東部の街でも奇怪な雲が立ちこめ、稲光が落ちると、地底から巨大ロボットのような物体が現れる。異星人の襲来だと知ったレイは、別れた妻から預かったふたりの子どもを守りながら、必死に逃走。しかし、異星人のパワーは予想以上で、街はどんどん破壊されていく…。
オープニングから静かに恐怖が高まり、いざ異星人の攻撃が始まると、畳みかけるような迫力映像の連続。この前半には息をのむ。60mものトライポッド(異星人が操る兵器)がビルやフェリーをいとも簡単に破壊し、人間を一瞬に消し去る光線を発射するのだが、このあたりのパニック映像には、スピルバーグの真骨頂が発揮される。中盤からは、生け捕りにされた人間の悲惨な運命や、ついに姿を現す異星人など、スリリングな場面も配置。これらを2時間以内にまとめた手腕もさすがだ。トム・クルーズ演じるレイと子どもたちの愛のドラマも前面に押し出されているが、あまり印象に残らないのは、映像のパワーゆえだろう。(斉藤博昭)

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二百三高地

二百三高地 日露戦争最大の激戦となった二〇三高地の戦いをモチーフに、そこに関わった軍人や兵士、そして民間人とあらゆる階層の激しくも苛酷な人間模様を、舛田利雄監督が堂々3時間の流れの中で一気に描ききっていく戦争映画超大作。
高地の突撃を繰り返しながらも戦死者が続出するだけでまったく成果を上げられず、非難を浴びる乃木希典大将(仲代達矢)と、なぜか彼を交替させようとしない明治天皇(三船敏郎)。そして親友の乃木を見かねて現れた児玉源太郎大将は「味方の弾が味方に当たっても構わない」と豪語する。そんな中、兵士たちは疲弊し、次々と斃れてゆき、かつてロシアとその国の文学を愛していた教師(あおい輝彦)の心には、ただ敵に対する憎しみだけが募っていき、ついにその想いは乃木に対してぶつけられていく。
勝とうが負けようが、残されるものはただ兵士たちの無為の死のみという戦場の現実を露にした傑作。さだまさしの歌う主題歌『防人の詩』も大ヒットした。(的田也寸志)

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フォレスト・ガンプ 一期一会 ― スペシャル・コレクターズ・エディション

フォレスト・ガンプ 一期一会 ― スペシャル・コレクターズ・エディション IQが人並みほどもないにもかかわらず、母親の献身的な愛情と、そして運命がもたらす不可思議な力によって、時代の英雄として歴史をかけめぐっていく青年フォレスト・ガンプの生きざまを描いた、ロバート・ゼメキス監督による大河ヒューマン映画の傑作。戦後アメリカの風俗映画としてとらえても秀逸で、1950年代から80年代にかけてのヒットナンバーに彩られながら、アメリカがその期間に体験したさまざまな事柄が、たとえばガンプが本物のケネディ大統領と握手するなど、巧みな視覚効果によって描かれていく。

1994年度(第67回)のアカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚色、視覚効果、編集の6部門を受賞。これが2度目のオスカーとなった主演トム・ハンクスによる『ビッグ』さながらの大人子ども的演技も絶妙だが、母親役サリー・フィールドの名演も忘れがたい余韻を残してくれる。この母あればこそ、ガンプのさまざまな奇跡も可能となり、いつしか運命も彼に味方するようになったのだ。(的田也寸志)

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姉は女教師 デラックス版

姉は女教師 デラックス版 母親が亡くなった幼い日に、一線を越えてしまった姉と弟。以来、弟には高校教師の姉しか“女”の対象として見ることができなくなってしまっていた。そんな危うい緊張のなか、弟はやがて暴力的になっていき、姉は自らのバランスを崩していく…。
日活ロマン・ポルノで監督デビューし、優れた作品を発表し続け、今もオマージュを捧げ続ける中原俊監督が「当時、会社が求めていたロマン・ポルノって、実はこんなテイストだったのでは?」という想いから演出したエロス作品。
SMやレズなど濃厚なエロティック・シーンが連打されるなか、家族の関係性の変容までもが描かれていく秀作。伊丹十三監督作品などでも知られる主演・朝岡美嶺が魅せる、大胆かつ繊細な官能美もすばらしい。(的田也寸志)

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スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2

スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2 おしゃれなアニメシリーズ『スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2』は、Vol.1の最後でグリーバス将軍がジェダイ騎士団を脅かした話の続きから始まる。共和国と分離主義勢力の戦いは激しさを増し、やむにやまれずアナキン・スカイウォーカーがジェダイに昇格するが、氷の惑星ネルヴァンへの旅を最後の通過儀礼として経験しなければならなくなる。分離主義勢力がコルサントに圧倒的な襲撃をはじめるとアクションは最も激しくなり、ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥーとヨーダが街を守るためにその技量を明らかにする。だがこれは本当のゴールから見れば脇道にすぎない。グリーバスの狙いは元老院最高議長パルパティンの誘拐なのだ。このアニメシリーズでもっとも劇的な場面は、シャーク・ティや他のジェダイがドロイドの攻撃をかわそうとするところだ。本作は2005年5月にカートゥーン・ネットワークで放送され、Vol.1よりもややボリュームがあり、3分間ではなく12分間のエピソードが5話(21話から25話まで)ある。Vol.1ではほとんどがアクションだったが、Vol.2で繰り広げられるエピソードは『エピソードIII/シスの復讐』のオープニングにつながっている。C-3PO(今回も声はアンソニー・ダニエルズ)が新たにゴールドの外見を披露し、パドメがシナモンロールのような巻き髪を見せびらかし、なぜグリーバス将軍が呼吸困難なのかなど、ちょっとした楽しい話も見られる。『スター・ウォーズ』の普通のファンはアニメ版ではない一連のシリーズで満足していればいいだろう。『スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2』は熱狂的なファン必見の作品である。(Amazon.com, David Horiuchi)

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隠し砦の三悪人

隠し砦の三悪人 戦乱の世の中、隣国の山名家と戦い敗れた秋月家の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)は、世継ぎの雪姫(上原美佐)を擁して隠し砦にこもり、軍用金とともに同盟国・早川領への脱出を試みる。
黒澤明監督作品中でも、ハリウッドの時代大作を凌駕するスケールの大きさが誇らしいビッグ・エンタテインメント時代劇大作の優れもの。馬で逃走する敵を主人公が追いかけ、背中から真一文字にぶった斬るといったダイナミックな殺陣の数々は、その後のハリウッド映画アクションものでさまざまな形で流用されている。また、主人公らにまとわりつくふたりの農民(千秋実&藤原鎌足)も、後のアメリカ映画 『スター・ウォーズ』のロボット・コンビのモデルにもなった。いよいよ早川領への脱出シーンの際に、そこで主人公の味方となる旧敵(藤田進)が叫ぶ「裏切り御免!」は映画史上に残る名台詞。映像の1秒1コマに至るまで、ぴったり合わせた佐藤勝スペクタクル音楽の素晴らしさも特筆ものである。(的田也寸志)

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マーキュリー・ライジング

マーキュリー・ライジング 巨費を投じて開発した暗号システムに、自閉症の少年が侵入してしまった。国家安全保障局はこの失態を隠すため、一家を皆殺しにしようとする。だが偶然難を逃れた少年は、FBIエージェントと出会った。
ナンバーワン・アクションスターとして他の追随を許さないブルース・ウィリスが、一匹狼のFBIエージェントに扮したサスペンスである。好漢アレック・ボールドウィンが、2人を追う冷血な大佐を演じる。監督は『シー・オブ・ラブ』などの俊英、ハロルド・ベッカー。ハイテクを駆使した当局の追跡と、それをかく乱するローテクのゲリラ戦術。さらに高速道路を封鎖してロケを敢行したカーチェイス、本物そっくりの国家安全保障局のセットなど、映画的な見どころにあふれている。(アルジオン北村)

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初恋のきた道

初恋のきた道 中国映画界の巨匠チャン・イーモウ監督が『あの子を探して』に続き、素朴な感動のテイストをもって描いたラブ・ストーリー。父の死で帰省した青年が、母と父のなれそめを追想していく。若き日の母=18歳の少女デイ(チャン・ツィイー)は、村にやってきた小学校教師チャンユーに一目ぼれ。以後、彼女はせっせと彼のために弁当を作り続けていくが…。
チャン・ツィイーの初々しくも健気な美少女ぶりが観客の陶酔と涙を誘う。その一方で、老いた母の現代のシーンをモノクロームで捉えた描写の数々が実に秀逸。村の伝統に沿って葬儀を行おうとする母のかたくなな姿と、お弁当を作る少女の健気な姿が一致したとき、この作品の感動の涙は本物になる。デビュー以降、人間の欲望や陰湿な面などを好んで描いてきたイーモウ監督の心境の変化をもうかがわせる、素晴らしき人間讃歌の秀作である。(的田也寸志)

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ミュージック・オブ・ハート DTS特別版

ミュージック・オブ・ハート DTS特別版 2人の息子と共にNYのイーストハーレムに越してきた、バイオリニストのロベルタ。小学校で子どもたちにバイオリンを教え始めて評判となったが、教育予算カットのため、教室は閉鎖に追い込まれて…。
どんな逆境にも決して負けない、シングルマザーのロベルタのバイタリティに圧倒される。音楽を通して「やればできる」という可能性を子どもたちに伝えていく彼女が、カーネギーホールで、教え子と一緒に念願のコンサートを実現させるシーンは、とても感動的だ。
本作は、アカデミー賞ドキュメンタリー部門候補にもなった実話『スモール・ワンダーズ』を、『スクリーム』などのホラーの帝王、ウェス・クレイヴンが映画化したものだ。ロベルタを演じるのは、名優メリル・ストリープ。またアイザック・スターン、ジョシュア・ベルなど、有名ヴァイオリニストも特別出演している。(斎藤 香)

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史上最大の作戦 アルティメット・エディション

史上最大の作戦 アルティメット・エディション 第2次世界大戦の運命を決定づけた連合軍のフランス・ノルマンディ上陸作戦の全貌を完全再現し、超俯瞰的パノラマ構成で描いた、文字通りの戦争映画スペクタクル超大作。
監督はケン・アナキンなど4名。キャストもジョン・ウェインをはじめとする48大スターを配しているが、一方で名もなく死んでいく兵士たちの描写もおろそかにしないことで、観方によっては類い稀なる反戦映画としても見事に屹立。
製作のダリル・F・ザナックは、この戦いに20世紀の祭祀姓を持たせることで、戦勝国の人間も敗戦国の人間も等しく映画の虜となる画期的な戦争映画をモノにし、その名を映画史に残した。アカデミー賞では撮影、特殊効果賞を受賞。ポール・アンカ作曲、ミッチ・ミラー合唱団の歌う主題歌は今や映画音楽のスタンダードである。(的田也寸志)

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SMALLVILLE ヤング・スーパーマン <ファースト・シーズン> DVD コレクターズ・ボックス2

SMALLVILLE ヤング・スーパーマン <ファースト・シーズン> DVD コレクターズ・ボックス2

尊ぶべき「スーパーマン」の神話を21世紀にふさわしく現代化したのが、ワーナー・ブラザース・ネットワークによる、想像力に満ちた魅力的なTVシリーズ「Smallville」だ。ファンは、その高視聴率ぶりを、第1シーズンを完全収録した6枚組みのセットで祝うことができる。登場人物の経歴や数多くのエピソードを探ることができ、削除シーンなどの特典も楽しめる豪華版だ。

ティーンエージャーのスーパーマンという「Smallville」の設定は、スーパーマンが最初に登場したコミックで数ページ語られている(1938年の「Action Comics」)だけだが、プロデューサーのアルフレッド・ゴウとマイルス・ミラーは、若きクラーク・ケント(トム・ウェリング)を、高貴なスーパーマンの卵としてではなく、ありふれた、ただし驚異的な力と熱視力という並外れた超自然的な力を持つティーンエージャーとして描いている(クラークはまだ空を高く、高く飛ぶことはない)。クラークは、仲間と同等でいたい、また超人的な能力について理解したいという願いをもっていて、シリーズの主な視聴者である25歳未満の若者たちにとっても非常に現実的で親しみやすい、地に足のついた人物として描かれている。また、クラークの憧れの女の子、ラナ・ラング(クリステン・クルーク)との魅力的なロマンスも同様だ。しかし、「Smallville」はよりコミック的な領域でも輝きを見せる。姿を変える殺人鬼をはじめとする奇怪な登場人物(その多くは、子どもだったクラークを地球に連れてきたのと同じ強力な大気のシャワーによって出現する。このシリーズのユニークな設定のひとつだ)と戦って打ち負かす力をクラークは養わなくてはならない。ゴウとミラーは、他のすぐれたキャスト(年若くしてすでに頭のはげたレックス・ルーサーを演じるマイケル・ローゼンボーム、ケント夫妻を演じるアネット・オトゥールとジョン・シュナイダーなど)とともに、SFをティーンの成長物語と組み合わせて娯楽性の高い番組にするという離れ業をやってのけた。(Paul Gaita, Amazon.com)



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NANA -ナナ- スペシャル・エディション

NANA -ナナ- スペシャル・エディション カリスマ的な人気を誇るコミックを、原作ファンの期待を裏切らない、ぴったりのキャスティングで映画化。描かれるのは原作の5巻までの物語で、ナナと奈々の出会いと再会、それぞれの東京での新生活と、複雑な恋のドラマが展開する。2人が共同生活する「707号室」のインテリアや、ナナが愛用するヴィヴィアン・ウエストウッドのファッションなど、原作の世界が無理なく映像に溶け込んでいるのが成功の理由だろう。
ライブシーンで歌唱力をいかんなく発揮する中島美嘉。恋に夢中になり過ぎる、ある意味、女の“嫌な”部分も演じる宮崎あおい。彼女たちの名演技は、いつしか観る者を、2人の友情に共感させていく。一見、恋愛には冷めているナナが、じつは過去の愛から逃れられないなど、正反対に見える主人公2人それぞれに、人間の多面性が振り分けられており、このあたりは原作のうまさ。一見、流行の先端を行っているようで、本質は普遍的な友情の物語なので、世代を超え、誰もが感動してしまうのだ。原作者の矢沢あいが作詞し、HYDEが作曲した主題歌は、いつまでも耳に残る。(斉藤博昭)

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新世紀劇場版ウルトラマン伝説

新世紀劇場版ウルトラマン伝説 TVでウルトラマンを見ていたパパ(布川敏和)と少年が、紙飛行機に乗ってドラマの中に入ってしまい、初代ウルトラマンからウルトラマンコスモスまでの歴代ウルトラマンの戦いを目撃・応援する。
「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」から平成シリーズの映画「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンティガ・ダイナ&ガイア」までの名場面が次々に登場。怪獣と闘うウルトラマンを親子が助けるあたりは、旧作の映像と新撮映像が無理なくコンポジットしており、昨今の技術の進化に驚かされる。また「ティガ&ダイナ」劇中、クイーンモネラの体内で力尽きるダイナを復活させんと「光よーっ!!」と叫ぶ親子。そのフレーズこそが、「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」2作品のテーマに関わる重要なキーワードなのである。(斉藤守彦)

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ドット・ジ・アイ

ドット・ジ・アイ レストランで独身最後のパーティを楽しむカルメンは、たまたまその場に居合わせた男性、キットとキスをすることになる。一度のキスで永遠の愛を確信してしまうふたり。カルメンは、婚約者への愛が冷め始めた自分に気づくのだが、その裏には、ある陰謀が仕組まれていた…。純愛ストーリーが危険なミステリーへと発展し、さらに二転三転の様相を見せる新感覚のドラマ。
メキシコ出身で世界的スターとなったガエル・ガルシア・ベルナルが主演。ヒロインに対し、ピュアで一途な想いを抱きつつも、どこかミステリアスな雰囲気をかもし出すキット役に、彼の繊細な魅力がマッチしている。時折挿入されるビデオカメラの映像やヒロインの過去など怪しげな要素が混じり合い、観ている途中、さまざまな予想が頭をかけめぐる。後半の急展開には呆気にとられつつ、結末が訪れたときは、改めて映画の前半から見直したくなるだろう。「映像の視点」がカギとなり、巧妙な罠が仕掛けられている。(斉藤博昭)

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007/ダイヤモンドは永遠に 特別編

007/ダイヤモンドは永遠に 特別編 前作の二代目ジェームズ・ボンドが不評だったため、再び初代ボンドことショーン・コネリーの登板となったシリーズ第7作。ダイヤ国際密輸組織に潜入したボンドは、連絡員ティファニー(ジル・セント・ジョン)に接近し、プロフェルド(チャールズ・グレイ)率いる犯罪組織スペクターが、ダイヤを使った人工衛星でワシントンDCの爆破を計画していることを知る。
ラスベガスを舞台に繰り広げられる豪華絢爛なテイストは、まさにダイヤさながら。今回は20世紀の大富豪ハワード・ヒューズが製作に協力しており、そんな彼を彷彿させる億万長者ウィラード・ホワイト(ジミー・ディーン)も登場する。監督は、これがシリーズ2度目の登板となったガイ・ハミルトン。主題歌も、これまたシリーズ2度目のシャーリー・バッシー。(的田也寸志)

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フランティック

フランティック 学会出席のため、妻と共にパリを訪れたアメリカ人医師リチャード。しかし突然妻が失踪し、言葉もわからぬ異国で彼は自ら捜索に乗り出していく。そもそもパリに生まれながらも、父がポーランド人、母がユダヤ人であったことからナチスドイツの迫害を受けたのを皮切りに、絶えず国がらみの数奇な運命をたどってきた鬼才ロマン・ポランスキー監督が、一貫して異邦人の視点でパリを描ききったクールなサスペンス映画。

状況設定などに多少の無理も感じられるが、主演ハリソン・フォードの異国における悪戦苦闘ぶりが実にリアルで、それらの欠点を補ってあまりある、映画ならではの魅力を発散した秀作としての印象を強く残してくれている。音楽はイタリアの巨匠エンニオ・モリコーネ。彼もまた徹底して異邦人の立場でパリジャン・ミュージックを構築しており、これまた実にお見事。(的田也寸志)

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Live From Austin Texas

Live From Austin Texas 今は亡きテキサスのブルースマン、スティーヴィー・レイ・ヴォーンほどフェンダー・ストラトキャスターに精通したギタリストは滅多に見つからない。この得難いデジタル・ビデオ・ディスクには、ヴォーンの、そして彼の素晴らしいバンド、ダブル・トラブルの雄姿が集められている。PBSの名物コンサート番組「Austin City Limits」の映像を元にした内容だ。番組の長い歴史の中で、もっとも人気を博したプログラムとなったこのコンサートは、1983年と1989年に収録された。どちらの記録も、アーティストとして驚くべき成長ぶりを見せたヴォーンの貴重なポートレイトとなっている。これらのパフォーマンスは、ヴォーンがダブル・トラブルと活動を共にした輝かしい時代の初期と末期を飾るもの。番組プロデューサーのテリー・リコーナの言葉を借りれば、それぞれ“自信ゼロ”の時代と“魔法そのもの”の時代にあたるわけで、そのコントラストは鮮烈だが、どちらを見ても達人のワザを認めることができる。収録曲は「Pride and Joy」、「Voodoo Chile」、「Cold Shot」、「Riviera Paradise」など。
この高音質DVDには、ヴォーンの死後に発表されたミュージック・ビデオ「Little Wing」も収録。ダブル・トラブルのクリップの他、1920年代から1990年代半ばに活躍したブルースの偉人たちの映像をフィーチャーしている。本作『Stevie Ray Vaughan: Live from Austin, Texas』は、熱烈なブルース・ファンならずとも必携の1枚だ。(Jeff Shannon, Amazon.com)

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スジナシ

スジナシ 台本ナシ、ぶっつけ本番の即興ドラマをTVで放送する。たとえ思いついても、誰しもが思いとどまりそうなこの企画に挑んだのは、バラエティ、ドラマ、映画などで活躍を続ける笑福亭鶴瓶。中部日本放送(CBC)の深夜枠番組として1998年スタートし、2004年現在も放送が続いている「スジナシ」から、傑作3本を収録したDVDだ。
大竹しのぶ、勝村政信、段田安則という実力派俳優たちと鶴瓶が、事前の打ち合わせもない限られた状況の中で即興ドラマを演じ、その後VTRを見ながらお互いのそのときの心情などをコメントする。上げ底的な見せ方を一切しない演出が、出演者の演技者としての技量はもちろん、時に演技を越えた本音までも垣間見せる、意欲的な企画。コント的なわかりやすい笑いではないが、決して見過ごすことのできない面白さがあるのは、出演者の“本気”の賜物だろう。(安川正吾)

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欲望

欲望 日本映画としてはめずらしく、男と女の性を真正面からとらえ、官能的な映像に結実させた1編。小池真理子の原作のテーマを損なうことなく、見事に映画化された。中学時代から正巳に好意を持っていた類子だが、正巳は親友の阿佐緒に想いを寄せていた。その後、図書館司書となった類子は、妻子ある男との肉体関係に溺れていたときに阿佐緒と再会。親子ほど年の離れた精神科医と結婚を決めた阿佐緒のパーティに招かれた類子は、そこ