
ジョシュ・デイヴィスがデビュー作『Endtroducing』をリリースして以来、数え切れないほどの模倣者がそのスタイルにあやかろうとして、ダンス・シーンやヒップホップ界に大混乱をまき起こした。けれどもDJシャドウことデイヴィスは、ブラッカリシャス、U.N.K.L.E.、カット・ケミストなどとのさまざまなコラボレーションや、「High Noon」「Pre-Emptive Strike」といった極上の12インチ・シングルで我が道を進んだ。
そして今、デビュー作からまる6年を経て、前作とまったく異なるアプローチにもかかわらず、あらゆる点で前作に負けず劣らず鮮烈なこの2作目を引っ下げて戻ってきた。このプロデューサーは、またしてもサンプリングを限界まで押し進めている。が、今作では近頃のダンス・ミュージックではめったにお目にかかれない、これまで以上に奥深くて貪欲で、荒々しいスピリットを持ちこんでいる。アルバム全体を通じて、80年代のすばらしいヴァイブレーション(特に「Monosylabik」「You Can't Go Home Again」といったトラック)とBボーイ・カルチャーへの予想どおりの進出(轟音を轟かせる重厚な「Treach Battle Break」とファンキーな「Mashin' on the Motorway」を聴けばわかる)を見せつけてくれる。本作はまちがいなくシャドウのサウンドを聴かせるが、『Endtroducing』の続編とは言えない。けれども想像力豊かな聴き応えのある2作目であり、ユーモアと深い知識と音楽的な理解にあふれている。(Paul Sullivan, Amazon.com)
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本作は、待ちに待ったエルヴィス・コステロとバート・バカラックのフルアルバムでのコラボレーションだ。そして期待どおり、バカラックが60年代に生んだ名曲の折り紙つきのアルバムになっている。ディオンヌ・ワーウィックを始めとするアーティストとのコラボレーションによる当時のバカラックの名曲には、圧倒的なメロディー、伝統的でポップな楽器編成、絶妙でいてときには悲痛な歌詞があった。本作では、3分間にも満たない短さの珠玉の曲から、長めの芸術的な歌までの全12曲で、コステロとバカラックはその才能を思う存分楽しんでいる。この即席の名曲コレクションは、コステロの90年代の作品のなかでも群を抜く出来だ。(Rickey Wright, Amazon.com)
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黒服の男と呼ばれるジョニー・キャッシュが「Bridge Over Troubled Water」(邦題「明日に架ける橋」)、「Danny Boy」(邦題「ダニー・ボーイ」)、「The First Time Ever I Saw Your Face」(邦題「愛は面影の中に」)をカバーするなんて、いくら幅広く何でも手がける人物といえども、おかしいのではないかと最初は思った。だが、ナイン・インチ・ネイルズの「Hurt」(邦題「ハート」)、スティングの「I Hung My Head」(邦題「アイ・ハング・マイ・ヘッド」)、デペッシュ・モードの「Personal Jesus」(邦題「パーソナル・ジーザス」)等と共にキャッシュのオリジナルも生かされ、『American IV: The Man Comes Around』は、当時70歳のシンガーソングライターのキャリアを反映した最も自伝的なアルバムのひとつになっているかもしれない。ほとんどの曲が、病に苦しむポピュラーミュージックの巨匠に人生を回顧させ、そして間近に何が来ているのかを考させるべく選ばれているように感じられる。最初の曲はキャッシュのオリジナル「The Man Comes Around」で、アルマゲドンの恐ろしいイメージに満ちている。そして、リック・ルービンのプロデュースによるアルバムは、静かな力と哀愁を深め、パフォーマンスも内容も簡潔なアレンジと断固とした正直さを中心に作り上げられている。死、破壊、痛切な別れ、永遠の愛への遺言、あがないへの希望的敬意など、暗く取りつかれたような瞑想を、キャッシュは15曲を通して進めていく。疲れ果てた美を感じさせる、度々かすれて荒れるバリトン・バスで、それぞれの言葉を深く意味して歌っているようだ。ビートルズの「In My Life」(邦題「イン・マイ・ライフ」)を聴く頃には、ほとんど泣きたくなってしまうだろう。さあ、泣きたまえ。キャッシュにしても泣きそうに聞こえるではないか。これこそ忘れがたい作品に違いない。なお2003年特別版は、「Hurt」のビデオクリップを収録したボーナスDVDつき。(Alanna Nash, Amazon.com)
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ファンの間でも「これがベスト!」との意見が多いセカンドアルバムである。
本作では、クラシックや現代音楽への造詣も深いジョン・ケイルのアヴァンギャルドな音楽志向が激しく爆発した。それぞれのプレイヤーがエゴをむき出しにした不協和音が、正面からぶつかり合いながら、制御不能のインプロヴィセイションへと突入していく。ロック史上でも類を見ない前衛的サウンドは、まさに「白い閃光、白い熱」だ。70年代後半から発生してくるアメリカンパンク、ハードコアへの影響は計り知れない。(森 朋之)
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80年代後期バンドブームの中で、パンクの持つクレイジーなサウンド・スタイルをお茶の間レベルまで浸透させたザ・ブルーハーツ。本作は、後期の代表作1990年の
からラスト・シングルまでの全シングルとカップリング曲が収録されている。彼らの魅力は、覚えやすいメロディーもさることながら、やはり共感できる題材と感動する言い回しで構成された歌詞である。円熟味を帯びたその魅力と、彼らの最後の輝きが凝縮されたシングルコレクションである。(多田ライコウ)
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おなじみの人気盤だが、今回は単なる再発ではなく、2枚組全22曲入りのデラックス版だ。1枚目にはこれまで同様の8曲が収録されていて、14曲入りの2枚目は未発表演奏が中心。
DISC2<1>はジョニー・ハートマンとの共演盤に入っていた曲だが、ここに聴かれるのはそれに先立つ録音で、マッコイ・タイナーとのデュオ演奏。全部で5トラック収録されている「グリーンスリーヴス」は、シングル盤で発売されたトラック以外はすべて未発表演奏。「イッツ・イージー・トゥ・リメンバー」は1枚目に入っているのが本テイクで、2枚目に入っている7トラックはすべて別テイク。それらの別テイクでコルトレーンはテンポやリズムを変え、さまざまなアプローチを試みている。これを聴くと、いかにコルトレーンが試行錯誤していたかが分かって興味深い。
ルディ・ヴァン・ゲルダーによる最新のリマスタリングによって、音質面も飛躍的に改善された。というわけで、持ってない人はもちろん、すでにこのアルバムを持っている人も看過できない作品だ。(市川正二)
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アルバム未収録のシングルカップリング曲を、リミックス・ヴァージョンを除き、ほぼ全曲収めたL'Arc-en-Cielのベストアルバム。初武道館ライヴのアンコールをはじめ、1995年から1997年までのライヴには欠かせなかったせつなくも壮大なアップナンバー<1>(2ndシングル「Vivid Colors」収録)、愛する人にすべてを捧げても満たされないやるせなさを叫ぶ<2>(3rdシングル「夏の憂鬱 [time to say good-bye] 」収録)、きらめくメロディと伸びやかなヴォーカルが華やかな<5>(6thシングル「Lies and Truth」収録)など、シングル曲以上にメロディアスで透明感あふれるナンバーからは、ルックスの華やかさだけではなく、優れたソングライティング能力を持つロックバンドとしての確固たる地位が感じられる。(武村貴世子)
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エミルー・ハリスは1979年の本作でみずからのカントリーのルーツにこれまで以上に強くこだわり、ハンク・ウィリアムズ、ロレッタ・リン、ルーヴィン・ブラザーズのおなじみの曲に取り組んでいる。けれども本作の何よりの収穫は、ウィリー・ネルソンのにぎやかな「Sister's Coming Home」(タニヤ・タッカーとのデュエット)、ダラス・フレイジャーの哀切なバラード「Beneath Still Waters」(この曲でハリスは全米チャートのトップに立った)、ジーン・リッチーの感動的なフォーク・ソング「Sorrow in the Wind」といった知られざる珠玉のナンバーだ。「Even Cowgirls Get the Blues」にはドリー・パートンとリンダ・ロンシュタットが加わり、フラット&スクラッグスの名曲「Rough and Rocky」ではリンカーン・デイヴィスがアコーディオンで盛り上げている。
本作は、ハリスのクラシック・カントリー・ロック時代が幕を下ろすことを予感させるアルバムでもある。1980年の傑作『Roses in the Snow』では完全なアコースティックになり、その後プロデューサーであり夫だったブライアン・アハーンと別れ、新たな方向へ目を向けることになる。(Marc Greilsamer, Amazon.co.uk)
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一大ブームを巻き起こしたゲームの世界を、『マトリックス』『タイタニック』を手掛けたクリエーター達の手によって映画化した『ファイナルファンタジー』のサウンドトラック。
スコアは『バットマン・フォーエバー』や『インタビュー・ウィズ・バンパイア』などで、注目度ナンバーワンのエリオット・ゴールデンサルが担当。緊張感のあるストリングスと緊迫したブラスの響きが、映像に効果的なアクセントを与えている。また、挿入歌としてカナダの歌姫ララ・ファビアンの<17>、エンディングソングとしてL'Arc~en~Cielの<18>が収録されている。(多田ライコウ)
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90年代が終わって数年もすれば、あの10年はピアニスト兼ボーカリスト、ダイアナ・クラールが登場した時代として記憶されるはずだ。やたらに楽しげで華々しいが、歌心に欠けるシンガーは山ほどいる。だが、そんな中から抜け出てきた魅力あるアーティストのひとりがカナダのブリテイッシュ・コロンビア州出身のクラールだ。ナット・キング・コール・トリオ印のスタイルを引っさげ、師匠である西海岸の名ピアニスト故ジミー・ロウルズに祝福され、クラールは歌詞に愛情を込めグルーヴに気を配り、歌をその歌がもともと意図されていた通りにさりげなく歌う。本作で彼女を囲んでいるのはおなじみの仲間たち。同郷のギターのラッセル・マローン、ベースのジョン・クレイトン、ドラムのルイス・ナッシュとジェフ・ハミルトン、ヴァイブラフォンの(以前ビル・エヴァンスと組んでいた)ラリー・バンカー。そして、そんな彼らをジョニー・マンデルの洗練されたストリングスのアレンジが支える。クラールと仲間たちは、アーヴィング・バーリンの古くさい「Let's Face the Music and Dance」とシナトラの代表曲「I've Got You Under My Skin」をボサ・ノヴァに乗せ、はるか南のブラジルに運んでいる。マローンの生き生きとしたギターはクラールの心のこもった「When I Look in Your Eyes」を引き立て、ハミルトンのドラムはマイケル・フランクスのナンバー「Popsicle Toes」を踊らせる。さらに「Devil May Care」「East of the Sun (and West of the Moon)」「The Best Thing for You」、ストライドピアノ風の「I Can't Give You Anything but Love」では余分な音を抑えてグルーブさせている。また「I'll String Along with You」「Pick Yourself Up」「Do It Again」でのマンデルのまとを得たストリングスは主役の座を奪うほどだ。このように、本作のナンバーすべてが、カナダから贈られたこの素晴らしい才媛のクールな炎を照らし輝かせている。(Eugene Holley Jr., Amazon.co.uk)
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小西康陽(ピチカート・ファイブ)らによりセレクトされた、バート・バカラック60~70年代の傑作を集めたコンピレーション。転調や変拍子などを多用し、大胆かつ斬新なメロディはとてもキャッチーで、いま聴いても楽しくて新鮮だ。
なかでも歌姫アストラッド・ジルベルトが歌う<17>は、心に深くしみてくる。どの曲もやさしくユーモラスで、しかも切なくなるようなメロディばかり。このアルバムをバックにお気に入りのコーヒーでも飲んでいると、心がみるみる癒されていく。(柊 ゆう)
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日本が世界に誇るアニメーション、俗に「ジャパニメーション」と呼ばれるジャンルにおいて、代表格のクリエイターと言える押井守監督作品『Avalon』のサントラ。映画 は2001年に公開され、ポーランドロケによる実写とCGを融合させた画期的な映像で話題を集めた。
音楽はアニメを中心に映画等の劇判で活躍する川井憲次が担当。その歴史と伝統たるや!といったワルシャワ・フィルを従え、壮大かつ美しい調べを作り上げている。押井監督の企みをさらに盛り上げるものとなった。(春野丸緒)
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『トップ・ガン』は間違いなく80年代を代表する作品のひとつだ。この作品でトム・クルーズはスーパースターの仲間入りを果たし、監督のトニー・スコット(ほかに1994年『トゥルー・ロマンス』、1998年『エネミー・オブ・アメリカ』)の出世作でもある。製作のドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマーはこの作品で、点と点を結ぶようなストーリー展開、MTV風の映像、切れ目ないアクションというシネコン向きヒット映画のノウハウを確立した。
さらに特筆すべきは、オムニバス形式のポップス・サントラもこの作品が火付け役だった点。『スター・ウォーズ』(1977)以前の10年間はサイモン&ガーファンクルの『卒業』(1967)が歌モノ・サントラのお手本だったが、『トップ・ガン』以降は、数多くのサントラが競ってヒットソングを入れるようになった。このサントラからもベルリンの大ヒット「Take My Breath Away」(邦題:「愛は吐息のように」)、ケニー・ロギンスの「Danger Zone」の2枚のシングルヒットが生まれた。どちらも『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)のスコアとブロンディの「Call Me」(1980年のアルバム『American Gigolo』に収録)を作曲したジョルジオ・モロダーの手によるもの。
その他の曲はいずれも明るいトーンの元気なアメリカン・AOR風ポップ・ロックで、チープ・トリック、ラバーボーイといった当時のビッグネームがめじろ押し。締めくくりはハロルド・フォルターメイヤーによるシンセ・インスト「Top Gun Anthem」。彼はシンプソン&ブラッカイマーのヒット作『ビバリー・ヒルズ・コップ』(1984)の挿入歌「The Heat Is On」の作者でもある。まさに歴史に残るサントラと言えるだろう。(Gary S. Dalkin, Amazon.co.uk)
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ジャズという音楽は、基本的にジャズクラブなどでライヴ演奏されるのが本来のあり方だ。つまり、スタジオでの録音というのは特殊な状況なのである。そこで、ジャズが日常的に演奏されている空間の雰囲気をそのまま伝えようとする試みの1つが、ライヴレコーディングである。
このアルバムはテナーサックスの第一人者、ソニー・ロリンズの絶頂期、ジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」でのライブ・レコーディングで、彼の代表作の1つである。ペーシストとドラマーのみを従えたシンプルな3人編成のバンドなので、ソニー・ロリンズの自由奔放な即興演奏の魅力が遺憾なく発揮されている。また、録音方法もライヴの熱気を大変うまくとらえた迫力あるものなので、豪快なテナージャズの魅力を知るには絶好のアルバムだ。(後藤雅洋)
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81年に36歳の若さでこの世を去り、94年にロックの殿堂「Rock and Roll Hall of Fame」入りを果たした伝説的レゲエシンガー、ボブ・マーリーのベストアルバム。
イントロが流れた瞬間に会場から大声援が起こる<5>、シンプルだが芯の強いメッセージソング<9>は、77年全米R&Bチャート38位。99年発売のサウンドトラック『THE BEST MAN』でローリン・ヒルもカバーした<11>、77年のアルバム『EXODUS』からの名曲<12>と、一度は聴いておきたい名作ばかり。(速藤年正)
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イ・ビョンホン、ソン・ヘギョ共演の韓国TVドラマ『オールイン 運命の愛』のサウンドトラック盤。劇中に使用されたインストに加え、ヴォーカル曲6曲を収録している。美しいメロディのテーマ曲<1>「All In Theme」がまず耳をひくが、インスト曲はサントラアルバムとしては地味めな印象。その分ヴォーカル曲がドラマティックに盛り上げて、全体としてバランスのよい1枚になっている。なかでも、アルバム『期別』も大ヒットしたパク・ヨンハが渋い声で“男の感傷”を歌い上げる<3>「初めて出逢った日のように」がやはり白眉。ドラマの主人公イナの心情ともオーバーラップし、切ない余韻が残る。(安川正吾)
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ミュージックシーンの異端児、マリリン・マンソンの日本におけるデビューアルバムは、ジャケットから予想される以上にアンユージュアルな内容。ヘヴィなビートの効いた曲だけを聴けば、ハードロックとして受け取れなくもない。ノイズ、喘ぎ声、男女の会話など、実験的、挑戦的、退廃的、シニカルで、それがマリリン・マンソンだ。
収録作品では、ユーリズミックスの代表曲<6>のカバーに注目である。マリリン・マンソン・バージョンの凄み、粘っこさ、重みがある。オリジナル曲も完敗のアレンジが聴きどころ。(富良仁枝実)
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1980年リリースの3作目『フリーダム・オブ・チョイス』と82年の『オー・ノー!イッツ・ディーヴォ』をカップリングした2in1カップリング CD。シンセ・ポップ・バンドとしてのスタイルを確立させ、ヒット曲「ホイップ・イット」や後にロバート・パーマーがカヴァーする「ガール・U・ラヴ」 を収録した『フリーダム~』、クイーンを手がけたことで知られるロイ・トーマス・ベイカーをプロデューサーに起用した『オー・ノー!~』はどちらも甲乙つけがたい秀作で、さらに後者からの「ピーカブー!」リミックスも収録というぜいたくな1枚だ。(山崎智之)
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一夜にしてスターダムに躍り出たように言われているが、人気TVシリーズ、アリー・マイ・ラブで大ブレイクしたヴォンダ・シェパードの場合もご多分にもれず、10年近いツアー生活を続けアルバムを3枚もリリースしたあとの長い下積み生活の果てにようやく手に入れた栄光だった。このアルバムには、シリーズ1年目の劇中で使われたおなじみの"Hooked on a Feeling"から60年代の名曲をうまくアレンジした"Walk Away Renee"まで、シェパードが演奏したカヴァー曲のほとんどが収録されている。もちろん、シェパードのオリジナル曲も素晴らしい。"Searchin’ My Soul"は文句なしにこのアルバムを代表する曲だろう。(David Sprague, Amazon.com)
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フリージャズの旗手、オーネット・コールマンが、50年代のジャズシーンに衝撃を与えた歴史的作品だ。彼自身の作曲した<1>が収められていることでも有名である。現在のジャズに大きな影響力を及ぼした巨人の出発点を知るという意味で、欠かせないアルバムだ。
しかし、一般の人が抱いているフリージャズのイメージを裏切るように、彼の音楽はやさしく柔軟なもので、いわゆるフリークトーンが連発されるようなことはない。現在の耳で聴けば違和感はほとんどなく、このことからも、オーネットが切り開いていった方向へ、ジャズシーンが進んできたことが実証される。
相棒のドン・チェリーとの組み合わせも相性がよく、現在注目されているジョン・ゾーンのバンド「マサダ」が彼らを手本としたのもうなずける。(後藤雅洋)
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アルゼンチン音響派の中心人物であり即興ギタリストのフェルナンド・カブサッキが、2003年の来日時に勝井祐二、山本精一、芳垣安洋ら国内ミュージシャン6人とセッションしたものがこれ。曲ごとにミュージシャンの組み合わせが変わり、アプローチの方向性も多種多彩で、ギタリスト3人の「The dream of Kit」は深い暗闇のごときダークな世界、カブサッキ+ドラムス3人の「Milton」は陽気なラテン・ビート、といった具合。ハイライトは7人全員による24分以上の大曲「Strawberry Bridge~」で、前半の静謐な点描的プレイから、後半になると音が次第に束になってトランシーに高揚していき、スリリングな風景を見せる。単なるセッションではなく、深い部分で理解しあった魂の交歓というべき作品だ。(小山 守)
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「ドラえもん」のエンディング・テーマに起用されたこの曲は、60年代のフォーク・ロックを想起させるギターアンサンブルとバンドサウンド、そして、誰でもすぐに覚えられそうな超ポップなサビ・メロがひとつになったナンバー。「自分を見失わないで/自由に生きるんだ!」というめちゃくちゃポジティブな歌詞からも、60~70年代のフラワー・チルドレンの思想をちょっと感じる。それにしてもこの人たちのコーラスは、ホントにきれいだな。(森 朋之)
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ユニークなポーズを決めているホレス・シルヴァーのジャケット写真が印象的。しかし同じデザインは『Horace Silver & the Jazz Messengers』にも使われているので混乱なさらぬよう。本盤は10インチ盤などでリリースされた初期のピアノ・トリオ演奏を集めたCD。ドラムスはアート・ブレイキーだ。
ブレイキーとシルヴァーはここで、後にハードバップと呼ばれるジャズへの手応えを感じ、これにサックス&トランペットを入れたクインテット編成でジャズ・メッセンジャーズ結成へと向かう。そうしたクインテット編成のイメージがあるシルヴァーは、ピアノトリオCDは意外に少ない。しかもジャズ・メッセンジャーズ以前ということで、ハードバップ・スタイルというよりバド・パウエルのスタイルに近い。人気者ホレス・シルヴァーの、以上2つの意味で貴重なアルバム。作編曲に強いシルヴァーもこの時期はまだスタンダードを演奏するが、それでも代表曲のひとつ「オパス・デ・ファンク」の初演が収録されているのが貴重だ。(高木宏真)
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